一朶の、

渡逢 遥

俺は本当は宛名のない手紙なんて書きたくなくて、詩なんて書きたくなくて、きみの名前を呼ぶ俺の声が、呼び続ける俺の声が、きみに届いて欲しかった、きみを忘れずに生きている俺の姿を見て、笑って、呆れて欲しかった、それだけなんだ。祈ることをやめたくなかった。俺にとっては、生きること自体が祈りだったから。それしかできなかったから。

一朶の、

一朶の、

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-10-19

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