Joshua、ステンドグラス

「Joshuaは、ステンドグラスの光を愛していた。
願わくば、魂が、この光に叶うように。
祈ることしか、人は本質的に、なにも、能わないのを知ってるように。しかし、日に日にやがて町は毎日のように、曇り空になってしまった。少しずつ、みんなが疲れていくように、不幸とはなんであるか、示されるように、およそ、賛美の、結末であるかのように。
天候は暗くなり、耕した畑は荒れ果て、ひとはみんな恐れをなした。
しかし、Joshuaの眼から、ひかりが失われることは決してなかった。彼女の眼は、罅が入り、光を透かし、なにより、ステンドグラスより、美しいひかりを見ていた。
その、痛ましさこそ、Joshuaの信仰だった。しかし、Joshuaだって、みんなのように、恐れをなしたのだ。
ああ、どうか、救われたくて。
しかし、それで、なお、救われるものなんてないのだ。この町は、これから滅ぶであろう。彼女もまた、造られ、愛され、育ったこの町と共に、空しくなるのでしょう。しかし、そうしてすべてが、洗われたとき、もしかしたら一輪の花が、また萌え出る、のだろう。
それでも、世界は美しい。

かつて彼女は、みんなが、押し寄せる教会を離れ、それは、必然的だったのだけど、
荒地へ独り、歩んでいったのは、ゆえに優しさだった。
いつものように、日常のように、滅び去る終末でさえ、祈りとはかように単調なもの。」

「人間とは、肉体とは、世界とは、悪でしかない。およそ、奪うことを、その手がなし得るなら、手などないほうがましであることを、知ってるならば。
しかし、悪を脱する試みとは、地べたという底を知ってる。
私は、そのために泪を溢す人を愛してる。
魂とは、汝である、汝とはひとつの魂である、
ゆえに、煉獄の門とは許されるのであるから、人は、高くあらねばならない。
それが、消極的な否定であり、
力を望んで、病気になるものだとしても。
一輪の花が、あらゆる、離脱のあるところに咲いている。」

Joshua、ステンドグラス

Joshua、ステンドグラス

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-10-19

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