山頂

山頂

山小屋に泊まる究極の癒しにさざ波が揺れる感傷性のノスタルジア。
宇宙の夜明けにまつわる隠れた事情を知った次の日に、ビッグバン素粒子がぶちぶちと位置パラメータを変えるのです。
山小屋の部屋から眺める一面の青い高山植物のこもれびに、人生の色彩が無限のパトスで強く発色します。
全ての3000mを超えた宇宙に広がる銀河が発色する。人間と宇宙の深遠な光の数百億光年のやりとり。
宇宙の声を聞いてそれに応答する快感が全身に、血液が奏でるブレンドされた解析音。
宇宙が手を伸ばして掴める位置にある何事にも代え難い至福。
至福に満ちた労働力の後に手にするウイスキー、昇天したマリアの純水に凝縮した神様の手の平に乗った解放感。
山道を苦労して登りつめた汗水の雫のパッションが、ロックの効いたウイスキーに還元された無常の喜び。
筋肉の労働の後に、夜空に見えた一雫の星が流れて近づいてきて、我の手でキャッチする喜び。昇天の光はこんなにも輝きの水となり脳内に浸る、これまで勉強してきた足跡。
全体的な部屋のこもれびに幻影は語り掛け、山鳥の深遠な青色に無限の知性が輝く。
太陽が昇り初め山全体が真っ白に明るく浸り、記憶の断片が光となって夢の模様が写り、快感の夜明けとなった。
経験による想像が一本のペンで刻明に再現され、一本の線に代替的な生命の丸みで、さりげなく救世主の女神へ告白する。
あなたが初めにこの地球に来た場所。
山の頂上のラインで線対称のペンネームを愛らしくなぞる。創世記に現代モチーフのステンドグラスが輝いた。
この世界で初めて愛した女の雫を天へと放射する、神は全てを知って道を全天が照らし成功した人生よ、輝け。
太陽が昇る黄金の高山植物の輝きの中で、天を手で掴む。
さっと青空へと舞い上がる上昇気流に乗った神鳥の背中に乗れる嬉しさ。
その背中の優しい感触の感情は夢見心地で脳内は満面に増幅するオーガズム。
天と地をつなぐ頂上に渡る虹の冴えたシンフォニーが、脳天にはるか彼方に望む地平の広がりに、無常なパトスが綻び世界が夜明けに満ちるのを知っている。
筋肉の緊張が抜けていく全ての開放的解脱感で朧気に、記憶の印象が直線で微細な星の点を描いていく。
現象の起点を探れば私の誕生した母親の母胎に行き着くのです。
宇宙の光を一点に集めて山頂で、ウイスキーの凝縮したアルコールを摂取し、究極に解放した心で思い描く色彩の濃さ。
全てが真っ白になって、筆の力が御酒の濃淡へと意識は薄れ、神業が紙の媒体へと描写される。
山の頂上の石を握りその暖かさに、生命の尊さのバイオリズムの微細な電気信号の有り方を知るのです。
山の頂上で誰かわからない超越した存在に、背中を押される嬉しさ。
全宇宙を手にした男の文章は、個性に優れた超越性のパターンで美しい遺伝子になっていく。
全ての現象が生命の生きているモチーフとなってキリストの顔が描写される。原始のアダムとイブのりんごの不可思議で謎に満ちた文体。
文章の形状がキリストの思想となり人間に生きる道を教えるのです。

山頂

山頂

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-10-19

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