ピアノコンサート

ピアノコンサート

コンサートに望む作曲家とは一体何を思想して観客と向き合うのでしょうか。
人生に一つの大事なモチーフを与え、ひらめきの彼方に全身全霊で投影する宇宙魂。
この世界に一つの思想を与える、全知識を音楽会に投球する一世一代の人影。
神様の発想力を全開にさせて魂を磨き自分の存在意義を確固たるものにする。
地上でたった一つの天への道に、楽譜の記号を寄せ集めて平らにして広げて薄く伸ばす。
音の持ち合わせた密度が均一となり一つの規則性を発揮する。
この音の意味を改めて捉え直し一つの音と一つの音がつながる時の感情の意味を想起する。
宙に浮いた楽譜を大事に手の平で暖めて外皮をこすってより丸く仕上げる。
天体の姿がまた均一な音の平面図の上で優しく転がっていく。
神様の愛した天体が表面を研磨しながら回転していく。
第一天体が第二天体を軸にして回転し宇宙を周遊していく。
この二つの輝星を軸にして、フォトンを二つから四へと分裂させるのが嬉しいのです。
フォトジェニックな体位的系譜でマリアのイコン画をなぞり、その輪郭を楽器の音色に変えて表現する。
全ての楽器を使い音譜数を多くして、深遠なるマリアの涙が海全体にさざ波が伝波していく。
神の染めた音のデコレーションで天地の原子が一斉に伝幡する。
振動係数は宇宙に漂うエーテルに同一化し、パターンを備える深遠に咲くひなげしの花。
素粒子が規則正しく並びB音をバトンタッチして奏でる超新星。
この現象の単一のテーマが複素数へと、ハ調を水の流れにケサラサラ。
川の水は安心に満ちて流れ、素数の形状のパラメーターで意のままに水面を浮遊していく。
この世界にたった一つの歴史が誕生しました。
音の形式美を有する大きな浮遊体に、あなたを載せて大空へと飛び立ちます。
世界を動かす生命の記憶媒体の音がマリアに姿を変えた。
遠くに浮かぶ灯台の光がファーストライトして鐘が鳴った。
音が見える粒となり闇の中で白く輝き投げられた天道の御意思。
この音は読めない形状で書かれた誰も楽器で奏でられない究極の距離。
人生のスコアを解読できない謎めいた音のパラメータ。
誰が書いたかわからない天才の筆記体がこの世界の一点に降臨した人間の夜明け。
発明された不可思議な形状に解読不能文字が意味ありげなシンメトリーの性を書く。
託された夢の道に十字の肉体が浮かび真っ赤に輝く。
誰も見た事の無い生命の初期の形状に感化され、キリストの体に触れるのです。
完全なおたまじゃくしのパラメータが原点復帰していく。
天体の光が伸びて原始模型の延長線状に、一つの原点が殻をめくり萌芽する。
人生が初まる原始模型が数列の枚挙に従い統一的な見解を与えた。
遠くであかちゃんの泣き声が聞こえ、母親が民謡を歌っている。この天体の原始被写体に細胞が分裂するのでしょう。
分裂した先に赤ちゃんの泣き声があり、生命の原始音が作曲者の手によってスコアに書かれていく。
世界の現象の先に人の霊気を沈めるマリアの母胎があった。
この現象の先にリズムの原子時計が刻むオネアミスの翼があった。
天体が周遊し一番星が輝き生命のイデオロギーを観客に伝える。
この意識を離れた天の集約点に、期待の女性は大空に浮かび上がるのです。

ピアノコンサート

ピアノコンサート

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-10-19

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted