祇園の夜更け
祇園の夜更けに静まる情熱の機微で厳格な対位法を表現する、青空に翔ける手の形状。
誰も行かない闇に照らされた道に、たぬきが人の体熱の温度を感じて子を連れ、もう一つの未体感な宇宙の道を歩いていく。
この地上で歴史を強く感じさせるオーラは因数分解の挑戦的命題で、パレットを古文的色彩で満たして満開の桜を咲かせた。
人生を体験し人間が回転する意識の速度を、パイで二等辺三角形にして、ピタゴラスは宇宙の果てを突き抜けるのです。
この世のもう一つの鏡を覗き、反粒子の結合で、エネルギー的な最小単位の素粒子にしていく先に、誰も視覚した事の無い割烹料理店へと到着する。
人生を作り、究極に洗練されたスープを作り、素粒子の色彩で全く新しい媒体の料理に塗り変えていく。
鍋の中で食材の選別を告げられ、期待値の立方体が黄金比でヒラエルギー化していく天地降誕祭。
人生の経験を味の洗練へと告げる、究めて料理人の知性が輝く微細な神経のバイパス。
素材の素粒子を一つ一つ組み立て出汁を作り味付けを行う、濃厚に積み重ねた花舞台。
降誕祭のリズミカルな素材のパトスが、各々で主張しあう。
天体の星々が夜空に輝く渦の中で、超新性の旨みが完全化身の神様となっていく。
料理人は丹念に味を作り上げていく創造的な作業の時間的経過。人間のリズム的手法で精度を増して包丁で美しい形状に食材を整えていく。
理性の熟成が作り出す手の形状と動きに関連して、素材が味の絶妙な啓示を伴い表現されていく。
人生を懸けた熱情に汗が噴き出る。
食材が生命の灯火を発して意思を発揮しオープンプライスした。
神通力を発揮して旨みを生み出す1200年の和食の歴史。この世の対位法のマスタープランで権化する。
美味しい料理で人生に対する認識を優雅にさせて、生命の誕生に立ち会う細胞分裂の遠く彼方。
料理人が作り出す素材を生かした化学式の結合に、元素の配列が微妙に並び方を変えたのです。
天と地を超越した人間の深い考察に全体と部分を融合させ、可能な限りに味の原子体型を再臨させていく。
その人間の性質が作る技術のまろやかさ。素材が神性なるブレンドで混ざり合い、ぱっと特質が現れた超新星の光の直線上で、メシアが私の顔を見つめている。
その手先から誰も見た事の無い、味のブレンドを作り出す神経の繊細な情熱に、旨みの色彩が現れた。
そして食材は女性化していき、料理人の大きな野心を優しく受け止めてくれた。
料理人の絶対的な主の手先が、人間の全人生を懸けた旨みの粒子となって、美しい楽園が誕生した。
頂上的な試練の先に、日々の修行で時間を懸けて美味しさを凝縮させた。その時天の川が囁き、頭上から旨みの粒子がふわっと降り注いできた。
料理に水々しい感性が溢れて、努力の結実が機能しメーテルリンクの青い鳥が飛び立った。
感受性のさざ波の中に、青い天体が滑らかに移動する。スローモーションで人間観察の静寂な木漏れ日の内に、メシアが誕生するのです。
リズム的対位法が天から降り注ぎ、旨みの神髄が、まさに今日本料理の歴史となった。
料理が発想の地層を積み重ねて、リズム転開処理の美意識で完成した書式を獲得する。
全宇宙との交信に成功した、料理人の内に宿る万物の素粒子との対話が完成され、全万物が解れていくこの全体像。
まさに飛ぶ理性的処理の時空の体感で、奇跡の食材の多様性を情熱的に知覚した。
天体移動の初めの一回転を周回させた人間は、天才的なヒラエルギーで星空を見つめています。
あの星空は料理人に大きな才能を与えたのです。
何もかもが完全に解決していく素粒子の運河が数億の光で祝福している。
祇園の夜更け