凡人
私は特別になりたい。
私は特別になりたい。この言葉を口にすると周りからは「痛いやつ」だとか「厨二病が長引いてんのか」などと言われる。ただそれしかないのだ、凡人が特別な人生を送る方法は。私には文章力や芸術的センスはない。でも特別になりたいのだ。普通の人生なんか他の誰かが送ればいい。私は誰も送れないような特別な人生を送りたい。
だから私は騙すのだ。自分を周りを。自分は特別だと、非凡だと言い聞かせ信じ込ませるのだ。それが凡人が非凡になるための唯一の手段である。いや人生に対してできる最後の抵抗なのだ。私は文章を書き続ける、駄作でもいい。駄作はいつか佳作になり、傑作になると信じ続けるのだ。
夢半ばで倒れることを悲劇というのであれば、私の人生は悲劇でいい。決して喜劇になどならなくていい。英雄は喜劇的な物語には現れない。英雄は悲劇的な物語にこそ姿を見せ、その高貴なる行いが生まれるのだ。
凡人