帰り道

吉瀬れいこ

誰も要らないし

誰の声がしても
扉は開けない

苦しみが癒えるのなら

傷口を焼かれたっていい

子供のころ夢は見れた

叶うかどうかも考えずに

いくらでも

明日は何百回も来ていいし

夜は楽しい孤独な時間だった

馬鹿はこちらかあちらか

どちらでもないか

むかしむかしのはるか彼方かも

恋は
心でして

歯が浮かび上がりそうなほど
うきうきするもので

自分の人生のみじめさを確認
するものじゃあなかった

歌はただ気分を上げるだけのもので

精神的な薬ではなかった

教えて欲しい

自分が壊れない方法を

治らなくてもいいから
これ以上壊れないで

わたしはまだ死人じゃない

帰り道

帰り道

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-10-09

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