まだら

あおい はる

 いまだけは、きみが、支配者でいい。

 にじんだ。
 星に、シミができる。だれかのかなしみ、憎しみ、怒り、後悔、と、血。点々と、浮かんで、わたしたちはそのうえを、あるいていく。香しい花が、くちのなかにつまっていた。おなかがすいていたのだと、あのひとはいって、つめたい理科室では、すこしだけ次元が、ゆがんでいる気がした。さわったこともない、エレキギターを、しにものぐるいでかきならしているような気分で、きみと、あのひとと、わたしの視線がまじわる一点にうまれている、なにか、おそらく、ぜったいに、愛、なんてシロモノではないなにかを、わたしはにらみつけている。
 まよなかには、いつも、おわった恋ばかりを思い出す。
 よあけには、じぶんの醜悪さを呪って、泣く。
 真昼の空に、流星をみた。きみと、あのひとの、くちびるが重なるとき、なまえもしらない花がひらく。早送りをしているみたいに、次々と花は咲いて、群生し、密集し、真っ赤な絨毯を織るのだ。

まだら

まだら

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-10-06

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