雪花
あの朝までは息をしていたと、いまになって思い返す。それは絶えず滅び続ける災厄のゆめ。わたしは溺れていたのでしょう。やわらかさの中では脆く儚く傷つくだけで、ここでは雪解けは救いとはならず、開花は始まりを意味しない。わたしにとって忘れてしまった辺り一面の氷の世界には、あの頃の痛みと眼差しが閉じ込められたまま佇んでいる。
雪花
あの朝までは息をしていたと、いまになって思い返す。それは絶えず滅び続ける災厄のゆめ。わたしは溺れていたのでしょう。やわらかさの中では脆く儚く傷つくだけで、ここでは雪解けは救いとはならず、開花は始まりを意味しない。わたしにとって忘れてしまった辺り一面の氷の世界には、あの頃の痛みと眼差しが閉じ込められたまま佇んでいる。
雪花