嘘つき探し
あの出来事が起こったのは真冬の時期。自分はあの日の風景や出来事全てを鮮明に思い出せる。が、できるだけ思い出したくはない。
なぜなら、あれは。哀れな殺しあいだから。
そして、相良友治は目をつむった。
2036年12月23日6時30分
真冬。この時期の朝は本当に寒い。しかし、この寒さに体を触れさせることを考えると、温かい布団にしがみつきたくなる。
さて、どうしようか。ゆっくり布団から出るか、それとも素早く布団を出るか。うーん。
よし、諦めよう。数秒の悩みを捨て去り布団へ身を預けることにした。
が、その行動はある少女の怒りに触れてしまった。
「さっき私起きろっていわなかった?ねえ「あーー、あと」「三秒で起きないと朝昼晩飯抜き」
バサッと布団を上に放り投げ正に字の通り、飛び起きた。「よし!飯!」
「はいはい。今日はオムレツだよー」「おー!」
小さな幸せに顔がほころんだ。
8時21分
「おー、寒い寒い」我が高校「県立白波高校」への登校中の少年、相良 友治は身を震わせながら、風景を楽しんでいた。桜の木に花さえ咲いてないことや、道路に落ちている漫画や、仲良く学校へ登校中の学生たち、すると、前の方にいた少年少女がこちらへ振り返りにこにこしながらこちらに向かってきた。
「おはよーっす」と少しチャラめな雰囲気の仲尾一成がチャラめの挨拶。「お、おはよ!」と
震えながら挨拶する赤松由衣。
「なんだお前らー。見せつけてきやがって」「え!?いや、そう言うのじゃないの! 」「うん。さっき会ったばっかだぞ」「あーそなのか」
少し、ほっとした自分にクエスチョンマークが浮かんだ。
「今日、持久走あるぞ、、、」「うわー、だるいわー!」「私は、、楽かも」
なんて他愛もない話に少しの幸せを感じつつ、教室へ入った。
そのときに気づくべきだった。教卓にいつもいるはずのいない先生がいた異変と、いつも怒っている担任がにこやかにしている異変に。
その異変に気づかず、いや気づくのを避けた自分は後悔した。
嘘つき探しの始まりだ
9時30分
「えー、みなさん。今日はとつても大事なお話があります」「なんだー?」「どしたー?」
いつも怒っている担任。岩里敬太通称、デビルは真面目なかおをして丁寧な口調で話始めた。
そのとき、少し異変に気づいたものもいれば気にもなっていないものもいた。
「えーっとですね、、、。貴方たちは大変素晴らしい運を持っています!」
デビルが貴方たちと俺たちに言ったのはこれが始めてだろう。けれども、そのそぶりも見せず淡々と話をつづける。
「我が国、日本ではある密かに一つの実験を行っています。その実験は嘘をつく人間をどう見破れるか!嘘をついた人間がどう対処するのか!そう言うことを基本にしているものです」
嘘つきを見破る。嘘つきの対処?なんのはなしだ。
相良友治は、いや。このクラス全員は気づいていなかった。既に椅子から離れることができないことを。
「そしてですね。その実験をなんと!!このクラスで!、、、行って頂きたいのです!」『!?』
「えー!?なにそれ!」「どんくらい時間かかるんだよー!」
生徒がデビルのいきなりの言葉に、不満を隠しきれなかった。しかしその不満はいつ帰れるのか。面倒そうということ。
この時、全員は今から起きる惨劇を。予想だにせず。勿論、考えもせず。ただ、デビルの意味の不明な言葉に疑問を感じていた。
「ルールはこちらを見てくれればわかります。」と言って指を指したのは教室の右はじにおいてある液晶テレビ。
そして、テレビをデビルがつけると。なんとも、愉快そうな女性が満面の笑みでこう言った。
『みなさんこんにちわ!!私はルールを説明する美人なおねえさん瑞穂だよ!よろしくね!さてさてみなさん、早速ですがルールを説明します。まず、貴方たち40人が参加するゲームです。そして、何をするかと言うと、簡単です!嘘つきを見つけるだけなんです!簡単でしょう?40にんのうち一人だけが嘘つきです。その人を見つければ貴方たちの勝利です!』テレビな、Your winの文字が。
『逆に、嘘つきをいつまでたっても見つけることの出来なかった方たちには、、、死んでもらいます』
『!!?』テレビの画面に写る女は今、失敗すれば死ねと言ったのか?おい、本気か。
『もー、このくらいで騒がないの!』と言われ全員話すのをやめた。まるであちらへ話が通じてると言わんばかりに放たれた言葉は生徒全員に小さな恐怖を植え付けた。
『さてさて、嘘つきを見つけられなかった方には死んでもらいます。とはいったけど、そういうグロテスクはだめですよね?それじゃあ、こうしましょう。嘘つきを探せなかったものたちには殺しあってもらいましょう』
カシャッ、と。シャープペンシルが机上から落ちる音がした。そして、一斉に。『うわー!!!』『おい!たてねぇぞ!?』『やだー!!こんなとこで死にたくないよ!!』まるで、地獄絵図のようだ。
じっさいにその絵図を見たことはないのだが、俺は本当にそう思った。
『あらあら、はしゃがないの。まだ、ルールの話は続きますよー?さて、大まかなルールは。【こちら側】が40人に対して問題を出します。そして、同時に質問に答える人間を【こちら側】が伝えます。見事、せいかいされた方には2stに進んで頂きます。それが、1stの概要です。』
1st?勝てば、2st?なんだよ、どう言うことだ。この嘘つき探しってやつは長く続くのか?
なんて、考えたくなかったことが頭のなかに浮かんだ。
『もし、全てのステージをクリアした方には。をを賞金!』『・・・』全員がいきなり静かになり友治は驚いた。『50億です』
『!?』な!?5、55、、50!?50億だと!?
高校生には一生たどり着けることのない金の多さにクラス全員が唖然とした。
『そいじゃーね!ルール説明は終わり!まったねーー!、。【嘘つき狼を探せ】開始です』
『ブウゥーーーブウゥーーーブウゥーーー』とサイレンがなり始めた。
そして、直ぐに気がついた。デビルともう一人の男がクラスから消えていることに。なんだよ。
いまから、何が始まるって言うんだよ。
そう頭のなかで浮かべ、笑った。
はは、ははは。俺が求めてたのはこんなのかもな。絶体絶命。スリル満点。追い求めてきたのはこれだったのかもな。
友治はこれからおきることにどれだけ自分が臆病になるかも知らず。密かにゲームを楽しもうとしていた。
「ね、ねぇ、友治くん!だだだ大丈夫なのかな?」と、後ろの席にいる由衣が話しかけてきた。
「大丈夫ではないと思うよ。ほんとに、もし本当にあいつらが俺たちを殺そうと思っているなら100パーセント危険だ。」俺は言葉を間違えた。普通ならここで、大丈夫だよ。と一声言うだけでよかったんだ。と後悔した。
『フフフフフフフフフフ。』君の悪い声がテレビから聞こえてきた。『1stを取り締まらせて頂く。私、フロアともうします。どうぞ、よろしくお願いします』丁寧な口調で画面に映っている不気味な仮面はそういった。『1stの概要は聞きましたよね?それじゃあ、次は反則になることを話しておきます。まず、逃走&暴走はルール違反とさせてもらいます。一応言っておきますが、窓も扉も開けておりますよ。そして、次が重要。【こちら側】からの質問に。他人からのアドバイス等はルール違反となります。お分かりいただけたでしょうか?あぁ、それと。質問というよりは命令に近いものも入っていますので』命令?どんな?
また、クラス全員に小さな恐怖と不安を植え付けた。
「ふざけんな!!」と、クラスの最前列のど真ん中に座る。秋野佐次が、叫んだ。「なんで、これらがこんなゲームに参加しなきゃなんねー「黙りなさい。これは確定したことです。文句を言う暇があるなら。生きる希望とやらでもみつけてください」
なにが、生きる希望だ。
その、生きる希望を根こそぎ持っていくのがコイツらの考えだろうが。
ちくしょう。なんなんだよ。いきなり、学校に来てデビルはにこにこしてるし、こんなゲームに参加させられるし,。『フフフ。みなさん、文句がありそうな顔ですね。でも、確定したことを何時までも文句言っていると。この先みなさんは死にますよ?』「ぐ、、、」『さてさて、そろそろ頃合いでしょう。始めますよ?1stゲーム。【嘘つき狼を探せ】開始です』
もし、俺がこのゲームで死ぬのだとしたら。どんなに人が悲しんでくれるのだろうか。もし、ここで買ったとしたら。どれだけのやつらに恨まれるか。想像しただけで気が重くなった。
でも、もう勝つしかない。いままで、友達だったやつらを見殺しにしないといけない。
勝つ。
後悔しないためにと。決めた。
ぼそりと。友治は呟く。
「楽しみだ」と
嘘つき探し
さてさて、夢見る高校生ナイキです(笑)
ま、冗談はさておき短い内容ですがこれから面白くしたいと思います。
誤字脱字あるかもしれませんが、暖かな目でよろしくお願いします。