今から過去へ

時代は変わる、悪いほうにもそしてよい方にもそうだ未来が待ち遠しいのは君だけじゃないぜ!昭和の中ごろのジュブナイルSF小説。

「今から過去へ」

 時は、昭和の中ごろ、ある町のある家のお話。
その家の一人っ子のさとる君は、小学校に入学してもう半年が経っていました。成績は中の下だけど、なぜか理科だけは、Aを貰っていました。
 それもそのはず、さとる君の家は有名な科学者、天馬とおるの、膨大な科学の本があったからですということは、さとる君の家は天馬とおるという科学者の家だったのです。お母さんも気立ての良い美人で、天馬さち子と言いました。さち子さんは、とおる博士の誠実さに惹かれたのでした。
 話は戻って、さとる君は勉強が大嫌いでした。というのも博士の勉強法はスパルタでとても厳しかったのです。ただ、厳しいだけじゃなく、それがどこをとってもえぐっても意味があるので、さとる君は逃げるに逃げられないのです。
 当時は、勉強というのは、厳しくみっちりやらなければ実につかないとされていたからです。
さとる君が読む本と言えば、流行のSF冒険漫画で、お父さん、世界の名作を読んでほしかったのでした。
 だからとおる博士は、心を鬼にしました。
 さとる君はおとなしい子であまり、外であそんだりもせず、かといって本を読んだりするのでもない、まあ、普通の小学生でした。
 そんな小学生が何故、理科の成績だけ良かったのか。一つには、家には図鑑や地球儀など科学に必要なものはなんでもそろっていたからです。
 そしてもう一つの理由はz・?
ある夏の日、天馬博士はいつになく暇でした。なので、よし、とおるに夏休みの宿題を見てやるかと思ったのです。
 天馬博士は、やるといったらとことんまでやるひとでした。なので、めずらしく遊びに行こうとしていた、さとる君を呼び止めて勉強をさせはじめました。
それが一時間たっても二時間たっても三時間経っても終らないのです。
 それが、お昼を迎えたころです。
「ねえ父さん、もういいでしょ?お昼ご飯食べて、遊びにいってもいい?」
「いいや、だめだ!おまえは成績がよくない、これから、私流の補習に入る」
 そして一日が過ぎました。なんとか乗り切ってさとるはベッドで死んでいました。
二日目、父親が居間でまっていました。
「さあ、補習の次は予習だ」
この頃になるとあたまが、だんだん、混乱してきます。三日目
父が窓から入ってきました。さとる君はドアと窓に鍵を掛け、一日閉じこもるつもりだったのです。
ただ、そのうちを設計したのは父で、隠し通路があって、そこからはいってきたのです。
「さあ、予習の次は、いままでのおさらいだ」
もう、目の前のものがなんだかわかりません。机に座ってるらしいんですが、もうわけがわからない。
四日目
 とうとうついにさとるが逆ギレしました。
「うぎゃぁ!もういやだ!父さんっ、父さんはぼくの大切な時間を盗んでいる。それはどろぼうと同じだ」
「時間を盗む?ふむ、とおるにしては面白い事を言う。そうか私はもしかして時間泥棒をぶつぶつz・・・」
お父さんの集中力は常軌を逸していて、一旦考え出すととまらなくなる癖がありました。って、今そうなってしまったのですが、こうなるともう周りが見えなくなります
さとるは、その隙にそおっと逃げ出しました。
そして近くの公園に行って友達を探していると、ある不思議な感じの男の子を見つけました。その子はなにか薄い金属板をじっと見つめていました。
「ねえ、君なにしてるの?なにを持ってるの?」
「ん?あ?あ、あれ?はっ、そうかここは過去!そうかやった、やったぞ!」
男の子が、意味不明に喜んでいます。『まずい人に話しかけちゃったかも』
「き、君、何がそんなに嬉しいんだ?」
「はっはっは、これがぼくのおじいちゃんか!」
「何?何を言って」
「いや、こっちの話さ、そうだこれに興味を抱いたね?」
男の子は持っていたものを見せた。
「見てごらん」
それは小さいテレビでした。それもカラーで野球のテレビ中継をしています。
「うあわ、すごい!いいテレビもってるね」
「テレビ、はは、まさかこれは携帯、つまり電話さ!」
「えええ!電話なの」
「そんでもってテレビにもなる」
「うわ、ずごい」
「他にもカメラが入ってる」
「カメラ?って写真家が使う?」
「そうさ、それからゲームも入っているよ」
「ゲーム、ゲームってなに?」
「野球盤とか、あるだろ、そういうのがこれ一つでできるんだ。ぼくはけっこうゲーマーだからいろんなゲーム入ってるよ」
「ね・ね・ね他には?」
「手帳型カレンダー・ストップウォッチ、時計にカウントタイマー、温度湿度計、電卓に
電子メモ帳、ほかにもまだまだある。ああ、音楽やマンガに映画もダウンロードしたからみれるよ」
 欲しい!さとるは切にそう思いました。
「君、君は何者?そんなすごいものここらへんの人がもってるわけない。君は誰だ!」
「ふ、ふふ君のひい孫にあたる者だよ」
「ひいまご?」
「そ、ぼくはタイムマシンで未来から過去にきたのさ。君のお父さんの天馬博士の血筋がタイムマシンを作るんだが、それには君が結婚してもらわないといけない」
「え、け、結婚?」
「大丈夫、時が来ればちゃんと結婚できるよ、それもとても美人な人と写真のひいおばあちゃんの若い頃みたけど美人だったよ」
「で、でもぼくスポーツも勉強ろくに出来ない」
「それは困ったなあ、するとだね、分かるだろう?」
「もしかして未来が変わっちゃう?」
「かもしれない、でもぼくがそれをさせない、そのために来たんだ」
「ど、どうする気?」
「簡単さ、君に効率よく勉強するやり方を教えるのさ」
すると少年は電話といっていたきかいになにかを差し込みました。
彼はそれをデータを移すといっていました。
「この、電話を君にあげる、でもいいかいこれを他人にみせない事、どうして未来からこれだけしかもって来なかったかっていうとあまり大きいとめだってしまうからさ、それにね、テクノロジーは進歩するにしたがって道具というものを小さくまとめられるようにするものなのさ。いいかい絶対に他人に見せてはいけない、未来が変わってしまうからだ」
「本当に?これをくれるの!」
「うん、そんなの世界の命運から見れば小さい事、それよりも重要なのは、この電話に入ってる今ぼくは移したデータをちゃんと読んで覚えてほしいんだ。大丈夫、一旦読み出せばたぶんとまらなくなる。そこには世界各国が協力して創った人格および能力開発プログラムの全てが書かれている。つまり、これを読めばだれでも天才になれるってわけさ!」
「す、すごいなあ、ぼくの子孫って」
「なに、言ってるんだい、君が、最初のタイムマシンの原案を作るんだよ!」
「えええ!ど、どうして!」
「どうしてって、ぼくがただ暇つぶしに過去に行くと思うかい?ぼくはある使命をもってきた。二十一世紀では、豊かなずぎる、テクノロジーのためにみな体を使わなくなってきてきて人間が貧弱になってきているんだ。そして更に未来にいってみてきたら、人間は脳みそと歩行するための足しかない、薄気味悪いものに変わっていて、多分他の器官はつかわなくなったのでなくなったんだろう、そして残酷な性質を帯びるようになった。それは
人間としての心が頭ではなく体のほうにあったからだと思うんだ。だから体をないがしろしちゃいけない。君は、小学校の剣道部でも入ればいい。多分その鼻づまりも治るから。そういうこともこれには書いてある。いちおう三回分だけの充電電池を渡そう。充電器を渡してしまうと君がこれをだれかに取られたとき怖いからね。いいかい三回分充電で三十時間はもつ、まあ、一日かぎりってことさ。大丈夫、君は、生来頭はいい方だよいや、多分、みんな赤ちゃんのころは頭が良くなる可能性はいくらでもあったんだ、けど環境によって人は変わるから。いいかい、たった一日だ。この人格および能力開発プログラムは、君の指紋認証つまり君が持ったその瞬間から始まる。いいかい一日で全部を覚えるんだいいね」
男の子はそれを差し出す。
さとるはごくりと喉をならすと緊張した手でそれを渡される。電話から自動音声が聞こえ始め、電話喋り始めた。
「人格および能力開発プログラム開始、まず、あなたの脳のバージョンアップと身体機能の促進をします。指示どおりに動いてください」
 そしてさとるは、24時間でプログラムを終えた、夜になってその夜に日が明るくなった。
「よし、これで君はいままでの数倍の身体能力と賢さを手に入れただろう」
「うん、なんだか視界もすっきりして体も軽い、でも肝心の知識は?」
「それは、時間契約法によって打ち明かせないんだ。すまない、これから君はものすごい勉強と運動の両方をするんだ。大丈夫、それはきっと楽しいよ。君は自分がだんだん、強く賢くなっていくことに感動をおぼえると思う。じゃあぼくはこれで」
そういって少年は消えた。風の如く。
さとるは部屋にもどる。
そういえば、最近お父さんがなにかとてもべんりな発明をしたんだよなあ、なんだっけ、インターネットとかいってたなあ。
「おお、さとる、やる気になったか?」
「邪魔をしないでよ、ぼくにはぼくの勉強法があるんだ、そんなスパルタ式はもう古いんだ」
「勉強法!?おまえいつからそんな高度なことを考えるようになったんだ」
「ああもう、ぼくはパパの発明のせいで人類の未来が心配なんだ。邪魔しないでくれる?」
はたしてさとるは人類をすくえるか、それはさとる一人の問題ですか?いやいや、さとるだって悩んだ時相談したい仲間が欲しいのです。ということは、みんながやはりがんばらなきゃいけないのです。
未来は若い力にかかっているのです。
人格および能力開発プログラムとはいったいどういったものでしょう?
案外それは身近にあるかもしれませんね。
なぜなら、ここは21世紀ですから。
机に影に今もなおさとるはその金属の薄い電話を大事にしまっています。
電池切れの状態のまま。



今から過去へ

そうです、一つ世代が違うっていうのはすごいことなんです。君は今のテクノロジーをすべて使いこなせたらなにがおこるかわかるかな?そして君に使いこなせる能力はあるか?

今から過去へ

それ、言っちゃうと面白くないからだめ。

  • 小説
  • 短編
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-12-06

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