しあわせだとか苦しいとか言うたびに背中がひどく強張って、首筋から樹木になっていく
言、葉、がぜんしんを埋めてる
裏庭の大きな槻の木 故郷の土 
あいしている。/こころ/から。
ひとと触れたところから火傷を負っているきみがすきだ。いつか人生が終わることと人類が滅びることと、いつか訪れる氷河期のやさしさが、きみの木肌のつめたさだ。
(愛することに言語や理解や共感は必要ない/すら、分からなくていい/誰にも。)

わからなくていい。あいしている/から。

なにも言葉にせず ただ夏には葉を、ゆびの隙間には光を。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-09-25

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