無題

クリスタルの切っ先が喉の表皮を掠った。私は痛みよりも先に驚きに喉の奥が震えた。目の前の親友は美しい刃を私に突き付けている。「君は嘘つきだ」親友は泣いて、私は慄いた。
――毒だ。鋭い水晶の乱反射する、七色の明確な光は、古ぼけた木の板の天井と二つの固まりをじっと照らしていた。

無題

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  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-09-22

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