わたしと紙とえんぴつ
わたしは線を引く
雨の日も
風の日も
晴れた日も
曇った日も
楽しい時も
嬉しい時も
悲しい時も
やるせない時も
いい線が引けた時は
とても心地がよい
わたしには子どもはいないけれど
わが子のように愛おしく思える
なんどもなんども眺め
ああ いい線だなあ
とほれぼれする
その線をきりとって
本のしおりにして持ち歩きたいくらい
いい線が描けた時は
こころが満たされる
上手くいかない日もある
なんどもなんども線をひいても
まったく納得がいかない
そういう時はなんどもなんども線を引く
それでも歯が立たない時は
線を引くのをやめる
そんな日の線はあとから見返してみると
あれ 意外といいんじゃない
なんてあっさりと思えてきたりもする
そんな日々の繰り返し
私は線を引く
なんども
なんども
わたしと紙とえんぴつ