梵nuit

001

虚ろな目をしている人は何かの通り道になっているみたいで
金魚鉢に満たされた夏 日差しは暑い 風は水を伝うために涼しい
楽園を求めるチャネルは開いて流れるままに。ひんやり、しずかに、濡れた星(冷たいコップの結露のように)

002

夜の水たまりは真っ暗な海と似ていて異界のものを、連れてくる。しんとしたこの時間帯の帰り道。
もしかすると鎮魂を待っている霊たちが水たまりに住んでいて、共鳴して唄うことは、私たちにとって楽しいことになる。雨が降っていないのに水たまりに波紋が起きる。雨が降っても行間が生まれるように、そこを縫って、どこかへ行ける

観察者に徹せ 戒律を守れ

凍てつく中で目をあけて
私の手折りが呑み込んでしまう

凍てつく中で目をあけて

古代の生命の証、と展示された骨が
古代の記録だなんて重荷だ
彼の小さな体を想像してみたら
ひかりが垣間見えた
仄かで私の想像だけれど

ひとりの記録を剥がれて
残り続けて

空中に幾何学を描いて躍る。この世界もデフォルメされるだろうか。
薄氷の陶器人形、融解温度はあなたの価値観。
毎日を祈りにすると質量すらチューニングされた。

ポップなクマちゃん
ババアが着ると どこかパンク

梵nuit

梵nuit

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-09-12

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