屋根裏の人工知能(マエマエ&シオン)

セシル

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🔸登場人物🔸
前田麻絵(マエマエ。ごく普通の中学生。)
シオン(麻絵の親友。前田家の同居人)
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シオンは家計簿をつけていた。「今月まだ始まったばかりなのに~~~」
机にうつ伏せになる。
(う~ん。今月もピンチだな。)
頭を抱え、髪をかきむしる。その時だった。

ダダンダーン。ドンドン。

「えっ?なになに」シオンは慌てて部屋を出る。
ゴフォ、ゴフォ。ほこりが舞っていた。

「ちょっと何?」と廊下にいたマエマエもせき込んでいた。
「すごい音したけど何なの。雷でも落ちた?」
すると天井のほうから音がする。ドンドン。ドドドドドドドドド。
抱き合って「きゃー」と叫ぶ。
ドタン。これまた大きな声がしたかと思うと、何も聞こえなくなった。

「これって屋根の上から聞こえない?」とマエマエが口を開いた。
彼女は私にしがみついて離れようとしない。「大丈夫だよ。ちょっとみてくるね。マエマエはここにいて」
姉御肌モード・シオンはマエマエを部屋に残し、玄関へ向かった。

「外に出てみたものの、特に異常はないなぁ~」
表は特に問題なさそうだ。何かが落ちてきたようには見えない。
「裏側も見ておこうかな。一応ね」シオンは家の裏に回った。

「なんじゃこりゃ~」
シオンが屋根を見上げると、穴がポッカリと開いている。
「隕石降ってきたん?」
明日からまた雨が降るのに。そう呟くやいなや、この家の主の元へ駆け足で戻る。

勢いよく扉を開けて、「マエマエ来て来て。大変なことになったよ」といった。
だがそこに彼女の姿はなかった。シオンは首をかしげる。すると、どこからか声が聞こえる。
「シオ~~ン。こっちきてきて。面白いもん見つけたよ。」
どこから聞こえるのだろうか。シオンはほかの部屋を確認するがどこにもいない。
「上だよ。上」
その声に従て見上げる。彼女が天井にいた。「なんでそんなところに?それより大変屋根に穴が!」
「穴?そんなこといいから。おいでよ」マエマエは笑いながら手を差し出す。
ひょいっとシオンは引っ張られた。
そこは蜘蛛の巣だらけの汚い天井裏ではなく。どちらかと言えばおしゃれな部屋のようだった。
「こんな感じだったんだ。天井裏って」
感心するシオンをよそにマエマエは奥へと進んだ。「すごいもの見つけっちゃったんだ」
目をキラキラさせて彼女は戻ってきた。その様子はいつのことだっただろうか。彼女が野良猫を連れて帰ってきたときの笑みにそっくりだった。
「じゃ~ん。どうこの子」
マエマエに抱えられていたのは球体だった。
「なにこれ」
「えっ、かわいくない?」よしよしとマエマエは動物のように【なぞの球体】を撫でる。
「それより天井に穴が」シオンは突然の出費に頭を抱えている。
それには知らん顔のマエマエは【なぜの球体】をあやしている。赤ちゃんをみるお母さんみたい。
「空から降ってきたのかな」
『はい。・・・・・そうです』
「何言ってんのマエマエ」
彼女は首を振った。
えっ。シオンは信じられないという表情をみせる。
「あなたしゃべられるの?」
シオンは【なぞの球体】に話しかけた。
「はいそうです」今度はマエマエの声だったのでほっとする。
「とりあえず修理屋さん呼んでいいよね。お金結構いると思うけど」
「え~~」『はい、お任せください』
同時に二人の声が聞こえ、シオンは踵を返す。すると球体のディスプレイが光っていた。
『はい、お任せください』と、ディスプレイに顔が現れる。
「うわぁ~~~」とシオンの叫びが屋根裏でこだまする。


つづく
→屋根裏の人工知能【2】

屋根裏の人工知能(マエマエ&シオン)

第2話⇒https://slib.net/108523

読んでくれてありがとう。他の作品もよろしく♪
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作者:セシル
作品名:【マエマエ&シオン】シリーズ
 『相手の夢を実況してみる。』https://slib.net/108415
 『神社で』https://slib.net/108416
 『物恋』https://slib.net/108418
 『表と裏』https://slib.net/108437
 『いつかの土砂降り』https://slib.net/108460
 『秋といえば』https://slib.net/108475
 『ゆく夏』https://slib.net/108485
 『22時の気まぐれラジオ』https://slib.net/108495
 *どこから読んでもOK
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屋根裏の人工知能(マエマエ&シオン)

①屋根裏から変な音がします。ネズミでしょうか?いえいえそんなもんじゃないですよ。②皆さん屋根裏にはご注意を😆

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-09-12

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