ゆく夏(マエマエ&シオン)

セシル

🔸登場人物🔸
前田麻絵(マエマエ。ごく普通の中学生。)
シオン(マエマエの親友。ごく普通の中学生。他人の夢を見ることができる。)

前田家の玄関に二人の少女がいた。背の高いほうが前田麻絵(マエマエ)であり、ここの主である。と言ってもまだ中学生である。彼女をサポートする形で同居しているのが同じ学校に通うシオンである。二人の出会いに関しては『いつかの土砂降り』(https://slib.net/108460)を読んでもらうことにして本題に移ろう。
シオン家のお泊まり会から帰ってきたのだが、なぜか玄関の前で立ち尽くしている。

「ねぇ、最後にカギ閉めたのシオンだったよね?」
「えっ私を疑ってるの。信じられない。私が閉めたけどカギちゃんと渡したよ。」

しばし睨み合う二人に晩夏の日差しが注ぐ。「もう、あっつ。」とシオンが言う。
「あついあつい。あ~~~~あついな」とマエマエも対抗する。

また二人は睨み合う。そこにツクツクボウシの鳴き声が割って入る。
二人は玄関ドアを背もたれにして座る。飛行機は優雅に駆け抜け、白く長い雲を残す。
「飛行機」とマエマエが言うと、シオンが低音で「キリギリス」と返す。
「スイカ」
「カモメ」
「メリーゴーランド」
「ドリ〇ターズ」
「ババンババンバンバン♪・・・・ズッキーニ」
「にじ」
「じ?じじじジンバブエ」
「エアコン。ん?・・・あっ負けた。というか私たちになにやってるん?」
苦笑いするシオン。その隣のマエマエがはっとした表情を浮かべる。「それだよ。エアコンの下の棚に家の鍵あるんだよ。シオンのお母さんが『ここに置いとくね。忘れずに持って帰るんだよ』っていってたじゃん!」
二人は笑いながらシオン家に戻った。

***
「いや~学校始まるね」蚊取り線香の煙を見つめるシオンが言った。
「なにか足りない気がしない?」とマエマエが笑顔でやってきた。
「そっかなぁ。プールにも行ったしスイカ割りもしたし。」
するとマエマエふっふっふと笑い出す。シオンの顔が引きつる。
「ジャジャジャジャーン」
マエマエが出したのはスーパーで売っている花火だった。
「ねぇ、一緒に花火大会しよ!」



この後近所の人から警察を呼ばれそうになったことは秘密である。

シオンの日記を覗くと一言記されていた。
”彼女はスーパーで売っているような普通の花火では満足しない。”
これが何を意味するかは読者にお任せする。

ゆく夏(マエマエ&シオン)

読んでくれてありがとう。他の作品もよろしく♪
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者:セシル
作品名:【マエマエ&シオン】シリーズ
 『相手の夢を実況してみる。』https://slib.net/108415
 『神社で』https://slib.net/108416
 『物恋』https://slib.net/108418
 『表と裏』https://slib.net/108437
 『いつかの土砂降り』https://slib.net/108460
 『秋といえば』https://slib.net/108475
 『#22時の気まぐれラジオ』https://slib.net/108495
 『屋根裏の人工知能』https://slib.net/108510
 *どこから読んでもOK
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ゆく夏(マエマエ&シオン)

①まるで兄弟のように仲がいいマエマエ&シオン。夏の終わり二人の関係に亀裂が生じる事件が起きる。②まだまだ暑い日が続きますが皆さん健康第一ですよ😆

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-09-11

Public Domain
自由に複製、改変・翻案、配布することが出来ます。

Public Domain