秋といえば(マエマエ&シオン)

セシル

まどろ様の『世界終末ライブ in Tokyo』(https://slib.net/61639)をベースにした短編です。
まどろ様にはこの場を借りてお礼申し上げます。
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🔸登場人物🔸
前田麻絵(マエマエ。中学生)
シオン(麻絵の親友。同じくごく普通の中学生。他人の夢を見ることができる)

『番組の途中ですが、ここで臨時ニュースをお伝えします。10月10日の午後7時32分に、巨大隕石が地球に衝突する模様です。えーーーまことに申し上げにくいのですが、これにて人類は終わりです…。残りの1ヶ月をみなさん、有意義な日々を……』
キャスターは悲鳴を上げ画面外へと消えていった。

最初は誰も信じていなかった。それはツ〇ッターを開けば一目瞭然である。なにせ世界を挙げての大喜利大会をやってるんだから。
スマホにかぶりつくシオンの隣でマエマエはいつものように昼寝をしていた。

しかしその晩の報道ニュース番組で有名な天文学者「クレア松永」がテレビに出演した。
『この前のニュースは本当だ…。残念だが、我々人類に為す術はない。これは神が定めたことなんだろう。皆さんごきげんよう』
その中継をきっかけに世界は大混乱。

ネットも現実も大荒れだ。まさにこの世の終わりという言葉がぴったりだ。
ただ一週間もすれば社会も落ち着いてきた。最初のころは、旅に出ると意気込んでいた人がいっぱいいた。でも実際ほとんどの人が行動せずに終わった。みんな自由に旅ができるわけじゃないからね。そうマエマエはつぶやく。確かに日本にいるやつは大概日本から出ようとしない。それに今は飛行機も船も出てないから、現実問題として日本から出られない。

(世の中は確かに変わったが、我が家はどうだろうか。…特に変わっていないな。強いて言えばマエマエが鼻歌を歌うようになったことかな)

そうなのだ。最近の日本は音楽で溢れている。街の隅々まで音楽で溢れている。「皆さん盛り上がってますか!」という言葉があちらこちらで聞こえてくる。それは言い過ぎか。
ともかく世界を代表するミュージシャンから誰も知らないインディーズがこの言葉を口にしている。これが今の地球だ。

『つづいて連日開催されている”世界終末ライブ”の中継に入ります。』

映像が切り替わる。会場はシーンとしていた。
「…おまたせ」とボーカルが言うと、堰を切ったように『待ちくたびれたぞー!』と観客の嬉しい野次が飛び交いだす。
そしてボーカルは一呼吸置いて、
「世界最後の日にもかかわらず、このライブに来てくれた皆さん。ありがとう。まずは心からの感謝を。そして、11年間ずっとそばにいてくれたメンバーのみんな。ありがとう。そして、11年ずっと、そばにいてくれたファンの皆さん。ありがとう」
自然と涙が溢れていた。いろんな意味が詰まった涙だ。
「じゃあ、最初の曲、聞いてください」


───“明日世界が終わったら”───


歌が終わり拍手喝采の最中、誰かが叫ぶ。
「アダムが落ちるぞーーー」
アダムっていうのは隕石に元からこの隕石についていた名前だ。太陽の19倍の大きさを誇るこの隕石は昔から地球の周りを回っていた。いつかやってくるだろうが、何千年も後の話とされて、2000年代の嘘に消えたはずだった。しかし彼はやってきた。

テレビを見ていられなくなったシオンはマエマエに飛びつく。マエマエはうう~とうなり声をあげる。「嫌だ~終わっちゃうよ」とシオンは言うが、マエマエは平然と鼻歌を歌いだした。
「なにその曲?」と涙声で聞く。
「さぁね。始まりの歌かな。」

***
それから世界はどうなったのだろうか。
シオンが目が覚ます。彼女はいつもの部屋にいた。「あれ?世界はどうなったの?」
周りを見渡すがマエマエがいない。「マエマエどこーーー」
すると「はーーーい」と一階で返事がした。シオンは急いで階段を下りる。リビングに行くと、鼻歌を歌いながら料理をするマエマエがいた。
「うわぁ~~~ん」とシオンは飛びつき、焼きたてウィンナーはフライパンを離れ、宙へと舞った。

***
全てはシオンの夢だった。正確に言えば、マエマエの夢をシオンが見ていたのだ。彼女は他人の夢を見ることができる。但し自由に見れるわけではないので、今日のように突然夢を見ることになるのだ。そのうえ夢から覚めることは自分ではできない。
へぇ~そんな人もいるんだ。そんな認識でもちろん結構だ。

『小説の途中ですが、ここで臨時ニュースをお伝えします。10月10日の午後7時32分に、巨大隕石「イブ」が地球に衝突する模様です。えーーーまことに申し上げにくいのですが、これにて人類は終わりです…。残りの1ヶ月をみなさん、有意義な日々を……』

秋といえば(マエマエ&シオン)

読んでくれてありがとう。原作もよろしく♪

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原作者:まどろ様
作品名:『世界終末ライブ in Tokyo』(https://slib.net/61639#chapter1
*Public Domain作品です。(2021/9/10時点)
 https://web.archive.org/web/20210910011306/https://slib.net/61639
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作者:セシル
作品名:【マエマエ&シオン】シリーズ
 『相手の夢を実況してみる。』https://slib.net/108415
 『神社で』https://slib.net/108416
 『物恋』https://slib.net/108418
 『表と裏』https://slib.net/108437
 『いつかの土砂降り』https://slib.net/108460
 『夏果』https://slib.net/108485
 『#22時の気まぐれラジオ』https://slib.net/108495
 『屋根裏の人工知能』https://slib.net/108510
 *どこから読んでもOK
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秋といえば(マエマエ&シオン)

①秋といえば皆さん何を思い浮かべますか?食欲・読書・スポーツの秋。もちろん「睡眠の秋ですよね!」②今回の主役は、他人の夢を見ることができる少女「シオン」です。③星空文庫(Public Domain作品)をベースにしました!

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-09-10

Public Domain
自由に複製、改変・翻案、配布することが出来ます。

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