投石

洸本ユリナ

かつて心で投げた石は
結石になってうごめいて
過去の軌跡を持ち出せば
埃のカビが目にしみる

カモメの金貨を嘆く間に
タンスの銅貨は錆びて行き
課した挙句に逃げ込んだのは
手の平サイズのハブ状ポルノ

金儲けしたい者にはさせておけ
引きずり合うのは罪人の仕草
署名を求めて走る間に
粉吹く子供の口角炎

禁止を唱えるその口から
漏れる憎悪を禁口せよ

画面越しにはかつての美しい世界が
液晶に映るその目に気付けたならば
飛ぶ蚊は自分にしか見えないことも
痛みは自分にしか見えないことも

投石

投石

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-09-09

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