花一華 回顧録
一応、詩物語として綴っていきます。
序章
お妃様は花一輪に口づけをした
民衆の声を聞きながら
国の在り方を熱く語る王様に
「あなたなら世界は喜ぶでしょう」と
お妃様はトゲを手に取った
次期花嫁を連れて
幸せそうに語る王子に
「お前なら世界に寄り添える」と
お妃様のため息一つ
見逃すことなく花々を用意して
部屋を訪ねては心配するお姫様
「お前なら世界を渡れるでしょう」と
序章.続
お妃様は拒むことを望んだ
それは抗えないことで
だからと言って全く何も感じませんでした
お妃様も国民も愛する 王様との日々
幼き頃の王子や姫との語らい
きっと色褪せることなく
幸せは写り込んで
優しさに囲まれて
それらを閉じ込めて微笑みながら
お妃様は三人を世界に放しました
「世界が望む夢にお逝きなさい」
花一華 回顧録