表と裏(マエマエ&シオン)

セシル

上司幾太様の『表と裏』(https://slib.net/14190)をベースにした短編です。上司幾太様には、この場を借りてお礼申し上げます。

「ねぇ、コインの表と裏って誰が決めたんだろうね?」

突然、マエマエ(前田麻絵)が十円玉を持ってそんなことを言いだした。

「どうしたの?急に。」シオンはコーラーを飲む手を止める。

「だってさ、みんなが表って決めている”ナントカカントカ”も誰かが裏って思ったらそれは裏になるんだよな。」

(ナントカカントカってなんだ?平等院のことか?)

「まぁ、その人の中ではね。」シオンは残りコーラを一気に飲み干す。

「裏の10の数字がある面をもその人が表って思ったら、表になるんだよな。」

「うん、そうだね。」シオンは空き缶を自動販売機のごみ箱に入れた。

「でも、よくクイズ番組で表が”ナントカカントカ”の面だよって言ったらね、裏って言っていた人達みんな簡単に信用したんだよ。」

「そうだね、みんなテレビってだけで簡単に信用するもんね。」シオンは空を見上げる。

「怖いよねぇ・・・」

「何が?」マエマエに目をやると彼女は真剣に十円玉を見つめていた。

「だってだよ。ただテレビで言うただけで簡単に人を信用するなんてさぁ。」
怖い怖いと言いながら、ポケットに十円玉を入れようとする。その手をシオンがつかむ。

「どうしたの?」
「いや、この十円私のだから」
シオンの手がマエマエから離れない。するとマエマエはこういった。

「ねぇ。私がこの十円球を私のものだって言ったら、私のものにならないかな?」
シオンはポンと頭を叩いた。「痛いよ~~~」という声はシオンには聞こえない。

(マエマエの話は何だかよくわからなかったけれど、最近テレビに影響されて簡単に自分の意思が変わる、そんな人達を見ると確かに怖い・・・。いや、待てよ。十円を取ろうとしたマエマエの方がもっと怖いな。)

そんなマエマエは自動販売機の新作ジュースを暫く眺めていた。

表と裏(マエマエ&シオン)

読んでくれてありがとう。原作もよろしく♪

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原作者:上司幾太様
作品名:『表と裏』(https://slib.net/14190
*Public Domain作品です。(2021/9/8時点)
 https://web.archive.org/web/20210907232240/https://slib.net/14190
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作者:セシル
作品名:【マエマエ&シオン】シリーズ
 『相手の夢を実況してみる。』https://slib.net/108415
 『神社で』https://slib.net/108416
 『物恋』https://slib.net/108418
 『いつかの土砂降り』https://slib.net/108460
 『秋といえば』https://slib.net/108475
 『ゆく夏』https://slib.net/108485
 『#22時の気まぐれラジオ』https://slib.net/108495
 『屋根裏の人工知能』https://slib.net/108510
 *どこから読んでもOK

表と裏(マエマエ&シオン)

①つい最近まで【10円】が表だと思ってました。小学生のとき自由研究でお金について調べたはずなのですが・・・お恥ずかしい!! ②上司幾太様の『表と裏』(https://slib.net/14190)をベースにした短編です。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-09-08

Public Domain
自由に複製、改変・翻案、配布することが出来ます。

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