新作短歌/さ迷う人々
血にまみれ泥にまみれて逃げ惑う
どこまでも続く闇の泥濘(ぬかるみ)
日常の暮らし奪われ国追われ
さ迷う日々の悲しさ苦しさ
愛し子や家族をも守れぬ無力さに
打ちひしがれてただ泣き濡れる
追う者も追われる者も同じ人
心の絆をなぜに築けぬ
人の世の常といえども理不尽な
戦火に追われる罪なき人々
国や人 色は違えどその源は
アフリカ太古の同じ母の血
爆音の恐怖に震える幼子を
見捨てる人などどこに居ようか
安全な暮らしを求める願いをば
いかなる壁で囲み切れよう
故郷の国が栄えて平和なら
愛する祖国を誰が捨てよう
国超えて民族超えて地球人
兄弟の苦難を共に救わん
新作短歌/さ迷う人々