燐寸の星

棘だらけの花のなかで眠って、血塗れの星を眺めること 距離を時間で割った速度で朽ちていきます。きみが綺麗であることときみがわたしを愛していることに少しの関わりもない、表明できる言葉がそれだけならば賛美とは自傷でした。今夜、きみを肯定するために、全てを撃ち落として還らなくなる鳥がいて、それにどのくらいの意味があるだろう。流れ星に目を閉じて祈るひと、うつくしいね 燃えていく速度を愛しても記憶しか残らないよ。しずかに温度を映している両目。きみもわたしもぼくも、あなたも、ほんとうに馬鹿で あなたのシャッタースピードが、わたしを線にすることが、愛という意味だと 地面に叩き付けられた瞬間はじめて知りたい。

燐寸の星

燐寸の星

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-09-02

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