千年の嘘
遥か昔に生まれ落ちた
あなたが紡いだ拙い言葉
ほんの刹那に生み出された
塵芥に等しいその言葉
なぜ今日まで残されているの?
長い歴史の中で摩耗して
今なお語り継がれるあなたの言葉
それは本当にあなた自身の言葉なの?
あなたの真意はその言葉そのままに残されているの?
真相など知りようもない
私たちも同じ
いつもの日常で語られる何の変哲もない言葉が
もし千年後も残されるとするなら
千年後の人類は必死に言葉の意味を探究するだろう
「今日のご飯は?」
「明日の予定は?」
「また遊ぼうね」
そんな言葉の持つ意味を必死に探究するのだろう
もしかしたらその言葉の持つ本来の意味と
全く違うものを導くかもしれない
そしてその意味を新しい真実として生み出す
なんて壮大なんだろう
私たちが紡ぐ日々の言葉
それらは全てこう呼べるのではないだろうか
永遠にも等しい“千年の嘘”と
千年の嘘