手の甲 花野 尋 鳥のさえずり薄く伸びた雲のすきまからわずかにみえる水色湿気を含んだ風が僕の頬を撫でるだれかの家の塀の上猫が舐める手の甲たとえ掴めなくてもそこにある日々ありがたさはまだ、感じないなてをのばすぽつりと濡れる手の甲 手の甲