短々落語「歯には歯を」

紫紺亭 弁当

400文字以内のショートショート落語臭

「歯には歯を」

八つぁん(はっ      )、歯に衣着(きぬき)せず言うよ


何だい(なん    )ご隠居(  いんきょ)、その歯に衣着せずって。おいらの出っ歯に服を着せようとでも?


そうじゃない、「歯に衣着る」は「歯を隠す」という事。で「歯を隠す」は、はっきり言わないの比喩。だから歯に衣着せずというのは、思っている事を包み隠さず言う事じゃ


で何だい、その歯に衣着せずは?


うん、お前さんの前歯に青のりがくっついていて、お前さんが喋ると吹き出しそうになる。だから早くとっておくれ


そんな事かい?(楊枝でこする)どうだい、取れたかい?


あぁ取れたよ、これで食事に集中できる


であっしにも歯に衣着せず言わせておくれ


何だい?八つぁん


ご隠居の口の中、前方の骨に…


何か、奥歯に物が挟ま(はさ  )った言い方だね


うん奥歯に「もやし」が挟まっている、ちょいと待っておくれ(又々(またまた)楊枝でほじる)。とれたよ、ご隠居。


で何だい、歯に衣着せず言いたいのは?



ご隠居も、前歯に青のり



(俗にこれを「歯には歯を」と言うとか言わないとか)


 

短々落語「歯には歯を」

お後がよろしいようで。

短々落語「歯には歯を」

八つぁん、歯に衣着きぬきせず言うよ。何だいご隠居、その歯に衣着せずって。おいらの出っ歯に服を着せようとでも?…、その顛末やいかに。400文字以内のショートショート落語臭。とても短い創作落語。

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-08-23

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