短々落語「目には目を」
400文字以内のショートショート落語臭
「目には目を」
目から鱗だね
目から鱗?、コンタクトの間違いじゃないのかい?
何言ってんだい、これは諺。物事が急に理解できるの意味じゃ。
どうして目から鱗って言うんだい?
これは新約聖書から来ている。神の光で視力を失ったサウロにイエスの使いが手をかざした処、目から鱗のようなものが落ちて視力を取り戻した。で、あるきっかけで急に理解できる事を「目から鱗が落ちる」と言う様になった。まぁお前さんに、諺の意味を分からせようなんて二階から目薬だがね。
二階から目薬?、目薬は市販かい?
何言ってんだい、これも諺じゃ。物事が思う様に行かずもどかしい様子や回りくどくて効果が得られない事の例えじゃ。
おいらを馬鹿にしてやがる
そう、目くじらを立てなさんな、お前さんが怒るなんて目から鱗だよ
馬鹿言っちゃいけねぇ、鯨は哺乳類、鱗なんかありゃぁしない。こうなったら、「目には目を」だ。勝負、勝負しましょ
何の勝負かね
決まってますがな、二階から目薬でさぁ
短々落語「目には目を」
お後がよろしいようで。