花降る地獄
きみは幸せそうに寝息を立てている
まだ生きていることに僕は絶望する
一秒置きに季節は変わって
さよならも言えずに零れ落ちていく
太陽は気が利かないね
僕は目を開けたまま寝言を言う
狼にとっては月が太陽なんだよ
ねえ、遠くへ行こうよ。僕ら以外
誰もいない場所へ行こうよ
一緒に生きてもいいし
死んでもいいよ
この日々はいつか散り散りになって
この身体もいつかばらばらになって
結晶した歴史の上に降り注ぐから
僕はその時が来るまで
きみだけを覚えていたい
きみだけに
僕を覚えていてほしい
花降る地獄