花降る地獄

きみは幸せそうに寝息を立てている

まだ生きていることに僕は絶望する

一秒置きに季節は変わって

さよならも言えずに零れ落ちていく

太陽は気が利かないね

僕は目を開けたまま寝言を言う

狼にとっては月が太陽なんだよ

ねえ、遠くへ行こうよ。僕ら以外

誰もいない場所へ行こうよ

一緒に生きてもいいし

死んでもいいよ

この日々はいつか散り散りになって

この身体もいつかばらばらになって

結晶した歴史の上に降り注ぐから

僕はその時が来るまで

きみだけを覚えていたい

きみだけに

僕を覚えていてほしい

花降る地獄

花降る地獄

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-08-18

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