短々落語「お囃子」
400文字以内のショートショート落語臭
「お囃子」
おっ八つぁんに与太郎、お囃子が聴こえてきたよ。
ご隠居何だい、お囃子って。
与太郎、お前さんお囃子も知らないのかい。まぁいい、よくお聞き。お囃子はね、囃子という言葉に丁寧語の「お」が付けられた言葉でな、でその囃子とはね、映えさせる、際立たせるという意味の「はやす」から派生したもので、演者や演技などを目立たせるために奏でられる曲や唄、掛け声などを言うのじゃ。例えば、落語で噺家さんが高座に上がる前に音楽がかかるだろ、あれを「出囃子」というんじゃ。
ふーん、他にどんなものがあるんだい?
うん、お祭りの「祭囃子」なんてのもある。で「日本三大囃子」を知っているかい?
何だい?
それはね、東京「神田囃子」、京都「祇園囃子」、そして秋田の「花輪囃子」じゃ。
ご隠居のお気に入りは何だい?
そうだね「コンチキチン」の祇園囃子かねぇ
八つぁんのお気に入りは何だい?
おいらかい?おいらはハヤシじゃないよ、カレーだよ、しかも神田のね
短々落語「お囃子」
お後がよろしいようで。