短々落語「うなぎ三昧」
400文字以内のショートショート落語臭
「うなぎ三昧」
ドンドンドン、ご免よ、八つぁん、いるかい?
いるよ、熊さん
どうしたんだい、そんな鰻の寝床みたいな薄暗い部屋でゴロゴロして。
何言っちゃてるんだい、熊さん、同じ長屋の作りじゃないか、おいらの部屋が鰻の寝床だったら、お前さんちも同じ鰻の寝床だよ。
そうだった、そうだった、でどうした、横になって。
うん、夏バテ。
八つぁん、今日は、土用の丑の日だよ、うなぎ喰ったかい
何言ってんだい熊さん、馬鹿いっちゃぁいけないよ、今日はどようじゃないよ、火曜だよ、しかもね鰻は、蒸しよりたれ焼き、だからね今日は土用のウシの日じゃなく、火曜の蒲の日。ウシではなくカバの日。ウシよりカバ、そう鰻は蒲焼に限る。
今日は土用の丑の日じゃなく火曜の蒲の日って事かい?、お前さん火曜日だけに斯様にうまいこと言うね。で八つぁん、鰻喰ったらどうなるか、知ってるのかい?
いや、知らない。
ズバリ夏バテ解消。
どうしてだい?
体力が「鰻登り」、鰻だけにね。
短々落語「うなぎ三昧」
お後がよろしいようで。