かみさまに逆らって

おかあさんはかみさまです
私のいのちを握るかみさま
かみさまの言うとおり
そんな遊びに背いたわたしを
かみさまのおかあさんは怒ります
怒って怒って、
わたしを追放しました

かみさまに見放されたわたしを
違うかみさまが拾いました
でも、違うかみさまは
ほんとのかみさまじゃ、なかった
同じ、にんげんでした

わたしと同じ、にんげん
わたしと同じ? それはほんと?

わたしはいつから
にんげんをやめたのか
忘れてしまいました
かみさまのふりをしたその人が
教えてくれて、わたしは
自分が人間なんだと、
ばけものではないのだと、
思い出しました

おかあさんはかみさまでした
わたしはかみさまの子には
なれませんでした
でも、生きています
今をまだ生きています
今日をまだ生きています
しぶとくっても、生きています

かみさまになれない人生を
へたくそなにんげんのいのちを
生きて、生きて、生きています

かみさまに逆らって

デイケアの「りんご新聞」に寄稿。

かみさまに逆らって

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-08-13

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