機械人形の夜
機械人形の夜
水になって夜を包む
きっとこうやって溶けていくんだね
君も 僕も 朝は苦手だ
アンコールの聞こえない舞台装置の孤独
両手を衝いて今は誰
僕らの意識には誰が宿る
昔を思い出してちょっと欠伸
裏側の真実だけを追う
ドメイン ドメイン 君はどこ
地上に棲んでるお星様
輝いていたくて夜を選んだ
照らされたはずの僕も迷子
繰り返しては拾った石粒
運命だけが誘導灯
水になって夜を包む
手を繋いで廻ったロンド紀行
遥か未来 未来の記憶では
アンコールが鳴り止まない憧憬
水が去った後の海は
底の見えない希望の果て口
舞台装置の夜は深く淑やかに解けていく
たらった 廻って回旋曲
たらった 廻って回旋曲
状態がおかしい 恋に準えて
発熱は君が感染した異常
回るだけでレールを剥がしていく
奔放に進む暗闇の中
ドメイン ドメイン 降り出したレイン
君は白亜紀以来の怪物さ
孤独が痛いことを知ってるのなら
進んで向かう君は壊れてる
迷ってばかりだけど
繋がった線の在処を知っている
水になって夜を包む
凍えそうな吹雪のソナタ
隠した手を見つけたのは
震える君が動かした機械人形
水を絶ってしまったのは
淡さだけを信じていたいから
君を守ろうと冷たい手で撫でたマシンドールは
巡り巡って輪廻の果て
巡り巡って輪廻の花束
もう一度君に逢いに行こう
時空は受け入れてくれないけど
さよならを言う旅になるだろう
アルゴリズムの壊れた式で
辿り着いて君を探してる
見つかるはずのない君を
僕に出会う前に笑っていた 君の笑顔を探してる
水になって夜を包む
夜明けは幕引きの合図だって
小声で歌う 君がひとり
空を仰いで誰かを想う
輪廻だって繰り返すよ
果てのない完成形だとしても
求め続けた舞台装置の夜
やっとやっと、この身体は動き出した
機械音 ぎこちない回旋曲
機械音 目の覚めない機械人形
機械音 ぎこちない回旋曲
機械音 アンコールが聴こえる
再生の音が響き渡る
機械人形の夜