短々落語「ガスの極み」
400文字以内のショートショート落語臭
「ガスの極み」
何か、臭うね
そうですかい、あっしは何も臭いませんがねぇ
お前さん、やりやがったな、透かしっ屁
いや、やっておりません
それは、おかしいんじゃないのかい。このエレベーターには、お前さんと私の二人っきりだ。私がやってなければ、お前さんって事になるんじゃないのかい。まぁいいや、透かしっ屁だからね、お前さんが犯人だとは限らない。でもなんだね、透かしっ屁ほどたちが悪いものはないね。
旦那、実は私、集金に訪れたガス屋ですから、臭いにはとても敏感でして…(ブー)
お前さん、本当にやりやがったな。さっきの透かしっ屁と同じ臭いだよ、もうやってないとは言わせないよ、今度は、透かしっ屁じゃなく、鳴り物入りの屁だからね。お前さん、たった今、屁をこいたろ?
えぇそうで、ガス。
でね、旦那、このガス漏れ探知機如何でしょう。これも屁が取り持つ何かの縁、お安くしておきますから。
お前さん、下衆の極みだね
いぇ旦那、ゲスではなく、ガス屋です
短々落語「ガスの極み」
お後がよろしいようで。