短々落語「花火料理」
400文字以内のショートショート落語臭
「花火料理」
いいかい、お前さん、料理っていうもんはね、手際よくやらないといけないんだよ、手際よくね。そう料理はアート、要はね、打上花火の様にやればいいのさ、で横で見ていなさい、今からお前さんの大好きなカレーを作るから。
(鍋に油をひき、肉と野菜を入れます)
火はド~ンといって、パッと炒める。花火の様にね
(鍋からはジュージュー音、と)
具に色目が付いたね、ここで、水をジャーと入れて、パッと沸かす。花火の様にね
(と、ぐつぐつ音)
もう沸騰した、さぁカレールーだ、袋をパッと開いて、パッと散らす、そう花火の様にね。そして素早く混ぜる、そうしないと溶けきれず塊つまり「だま」ができるからね
(カレーのいい臭いが湯気と共に上ります、と)
ほれ、もう出来上がり。鍋いっぱいにパッと広がる色とりどりの野菜、まるで花火の様だね。ちょいとお前さん、味見をしてごらん
(お玉でカレーを掬い、口に入れます、と)
お前さん、どうだい?
だーまやー
短々落語「花火料理」
お後がよろしいようで。