盲愛
ひなどりみたいな、きみへ。やさしいアイスクリームのプレゼントがありました。真夜中。すとん、と落ちていきそうなほど、底の見えない穴だった。かなしみが積み重なり、いつか、崩れたときに、どうか、きみは、真下にはいないでほしい。やわらかな羽毛に包まれて、たいせつに生きていてほしい。教室の、窓ガラスの破片が散らばっていて、机をくっつけてつくられた、簡易的な寝台の上で、神秘的な性交は粛々と行われたという。ネムの嬌声と、燕のため息。清らかなきみだけを、繭のなかにおしこめて、ぼくは、恋するものと、愛するものを、どうしてもいっしょくたにできないまま、海に揺蕩う、くらげのように息をしていた。断絶されたところから、花びらになってゆく。星の有機物。
盲愛