短々落語「闇鍋」
400文字以内のショートショート落語臭
「闇鍋」
お父さん、夕食の準備ができましたよ
今いくよ、今日はなんだい
鍋ですよ
(お父さん食卓につきます)
おっ熱々でおいしそうだね、で何の鍋だい
何が入っているか、それはお楽しみですよ
それはいわゆる闇鍋かい、楽しみだねぇ、ところで私の眼鏡を探しているんだけど何処にあるか知らないかい。
嫌だねぇ、お父さん、眼鏡なら頭の上にありますよ。
あれ本当だ。さっき新聞読んでてそのまま頭にのせっ放しだった。一瞬、鍋の具になったじゃないかと思ってはらはらしたよ、これは冗談だよ、ではいただこうかね。
(そういって、お父さんは眼鏡をかけ、鍋に手をつけます)
あれ、眼鏡が湯気で曇ってしまったよ、なかなか具材が取れないね、どれどれ何がでるかな。
(そこへお婆ちゃんが来ます、とお母さんが)
お婆ちゃん、さっきから何をうろちょろ探しているの?
うん、入れ歯なんじゃがね、一体どこに置いたか、お前さん知らないかい
それなら今、お父さんが取ってます
短々落語「闇鍋」
お後がよろしいようで。