凍土の星

[死ぬまで一緒だよ、と言うときに頸筋に差すひかり 死ぬまでよりもずっと長い間、永遠にずっと遠くまで、お前は孤独だ。]ひとが口にする愛情ということばが、空洞を埋めるような質量をもつとき、喉に詰まる 飲み込まない夜が、湖になる 月へと沈んでいく。湖面にうつる人かげが、白いこえでささやくのを聞いているのが好きでした。それは石を積み上げては崩されるようなしあわせ。咎めのない天使。 
いつか死に、幸福な魚になり、あたたかいスープを飲む 冷たい星が溶けてぜんぶ海になる そして、脚なんていらない、魚のまま、ひとり泳いでいける、

凍土の星

凍土の星

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-07-26

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