僕らの心は梅雨の空

雨降りは通り過ぎ
水たまりは湖に 
その願い書きとめよう と詩の女神様
どうせどうせ誰も願いなんて叶えてくれないから
僕は散歩みたいに聖地巡礼をする

吸い殻に何かを感じ
表現できないのに
この想い書きとめよう と詩の真似事だ
君も僕もほんとろくでもなかったよねとか笑いかけたい
でもまた誰にも会えずに聖地巡礼をする

梅雨が終わるとじりじりとして
蝉時雨が今年も鳴って
きっとそこで微睡んでいるんだろう
僕の手の届かない近くで

見つめ合い
手のふれあい愛あふれ
離れて
追いかけて
想われて気のふれあい

待っていても誰にもあえなくて
有象無象に手を引かれるのは迷惑だけど
それと同じぐらい君には僕が迷惑だろうし

想い出の話を誰とも分かち合えなくて
君から本当に消えたいと思ってしまうのだけれど
それができたらどんなに僕らは楽になれるだろう

言われたこと全部覚えてて
情けなくて
打ち上げ花火みたいに消えたい

想われて気のふれあい
何も産まない
みんなろくでなし

僕らの心は梅雨の空

僕らの心は梅雨の空

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-07-26

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