ボディーボードの女

 ある海水浴場である。一人の女性が毎日、その海水浴場へ来てはボディーボードを練習している。一人の少年がいつも座って文庫本を読んでいる。小さい体。青白い文学少年という感じである。女はピンクのビキニである。
女はボディーボードに夢中だった。が、時々、少年の視線がチラッ、チラッと女の方へ行く。女は浜へ上がった。そして海の家へ行ってアイスクリームを二つ買って少年の所へパタパタと走っていった。ビキニにつつまれた裸の体を揺らしながら。
「はい。これ」
女はアイスクリームを差し出した。海の家で買ってきたのである。女もアイスクリームを持っている。女は少年にアイスクリームを手渡すと、少年の横に座った。女の体からは水が滴り落ちている。
「あ、有難うございます。いくらですか」
少年はあわててポケットから財布をとりだした。
「いいわよ。私のオゴリ」
「で、でも・・・」
女はもうすでにアイスクリーム蓋をとって匙ですくって食べていた。
「いいから。早く食べないと解けちゃうよ」
「あ、有難うございます」
少年はあわててアイスクリームの蓋を開けた。そして食べはじめた。
「ボク、名前は」
「岡田悠といいます」
「フーン。いい名前ね。私は佐々木愛子。よろしくね」
「ボク。家はどこ」
「××町です」
「ちょっと遠いわね。自転車でどのくらい時間がかかるの」
「さ、三十分位です」
「海が好きなんだね。なぜここのビーチに来るの。もっと近くにもあるじゃない」
「・・・・」
「時々、私の方、見てたでしょう」
「・・・・」
「スポーツしてる時は無心の状態だから、かえって周囲がよく見えちゃうの。君の視線が時々、チラッ、チラッと私の方に来るの、私の方からは丸見えなの」
「ご、ごめんなさい」
女はクスッと笑った。
「ううん。別にいいわよ」
「もしかして、私に好意を持っていてくれたりして・・・」
「・・・・」
「もしかして、私を見るために、ここに来てるんだったりして。うぬぼれかな」
「・・・・」
「でも、ここ、人が少なくて静かだから、やっぱり違うかもしれないわね」
「・・・・」
「教えてほしいなー」
愛子は悠の手をギュッと握って、悠の目をじっと見つめて言った。悠はあせって、
「は、はい。その通りです」
愛子はクスッと笑った。
「ありがとう」
告白してしまったため、ことさら本心を言おうとする心理が起こって、悠は顔を赤らめて言った。
「はい。愛子さんの言うとおりです。僕は本を読みにここへ来ているのではなく、愛子さんを見たいためにここへ来ていました」
言って悠は真っ赤になった。
「嬉しい」
愛子は悠の手をギュッと握った。
「悠君にそんなに想われてたなんて嬉しいわ」
「僕も最高に嬉しいです。愛子さんにそう言ってもらえると」
「ねえ。悠君。せっかく海に来てるんだから遊ぼうよ」
「でも僕、海水パンツとか、持ってないですし」
「海の家で売ってるわ」
愛子は悠の手をとって海の家へ行った。愛子はしばし男用の海水パンツを選んでいたが、ひとつをとり、買った。愛子はそれを悠に手渡した。
「はい。悠君。着替えてきて。私はさっきの場所で待ってるわ」
服は自分のカバンと一緒にするため、番号札のついたリストバンドを手渡した。愛子は悠用にビーチサンダルも買った。

悠は恥ずかしそうな顔で戻ってきた。黒い小さなビキニパンツである。前はクッキリと男の輪郭が現われ、尻も半分近く露出している。動くと尻がますます露出される。
「ふふ。悠君。似合うわよ」
それは勇気ある大人の男がセックスアピールするものであって、悠には恥ずかし過ぎる。まるで女のビキニのようである。悠はビニールシートの上に横たわっている愛子の傍らにモジモジしながら座った。愛子は笑って悠を眺めている。
「あ、愛子さん。は、恥ずかしいです」
「ふふ。本当はちょっとイタズラして女のビキニを買おうかと思ったくらいなの。悠君は内気すぎるわ。海ではもっと開放的にならなきゃ」
愛子は悠に日焼け用オイルを渡した。
「さあ。悠君。オイルをぬって」
悠はコパトーンをうつ伏せになって寝ている愛子の体に塗った。悠の手はピクピク震えていた。

悠のおちんちんはカチカチに勃起していた。愛子は、ふふふ、と笑った。悠は出来るだけ愛子の体の端の方の、足の裏を指圧したり、脹脛を一生懸命、揉んだ。指圧の心地よさのためか愛子は眠ってしまったかのように、うつ伏せのまま微動だにしなくなった。

日が暮れだした。愛子はムクッと起き上がった。
「悠君。ありがとう。気持ちよかったわ」
悠は顔を真っ赤にしてうつむいた。
二人は海の家に戻り、シャワーを浴びて服を着て出てきた。
「悠君。よかったら私の家に来ない。マッサージしてくれたお礼に夕食をつくるから食べてって」
悠は小さな声で、
「はい」
と言った。
愛子はニコッと笑って、悠の手をギュッと握った。悠の手を曳きながら愛子は駐車場へ行った。白のカリーナが一台、とめてあった。愛子はトランクを開けて、ボディーボードとバッグを入れた。そして左側の助手席のドアを開けた。
「さあ。悠君。乗って」
悠は申し訳なさそうに車に入って、膝を揃えてカバンを胸の前に抱えて助手席にチョコンと座った。愛子はバタンとドアを閉めると、反対側に回って右のドアを開けて、運転席について、ドアを閉めた。
「悠君。シートベルトを締めて」
「はい」
悠はシートベルトをひっぱり出してカチャリとロックした。愛子はエンジンをかけた。眠りからさめたかのように車はブロロロロロと振動音をたてた。
「じゃあ、行くわよ」
愛子は勢いよくアクセルを踏んだ。

車は海岸通りの道を少し走った後、市街地へ出て、ある交差点で路地に入っていった。
「悠君。何を食べたい」
「な、なんでもいいです」
「じゃあ、ステーキでいい」
「はい」
愛子は路地に面したスーパーの駐車場に車を止めた。
「ちょっと買い物してくるから待っててね」
そう言って愛子は車を降りた。数歩、歩いて、愛子は立ち止まって踵を返し、パタパタと小走りに車に戻ってきた。コンコンと愛子が窓を叩くので悠はウインドを開けた。
「悠君。私、人さらいじゃないからね。悠君を監禁して身代金を要求したりしないからね。安心してね。逃げちゃわないでね」
悠はニコッと笑って、
「はい」
と返事した。愛子も相槌の笑いをしてスーパーの中に入って行った。
しばしして、愛子が戻ってきた。ビニール袋を提げて。愛子は悠を見るとニコッと笑った。愛子は車に乗り込むと、袋を後部座席に置いた。
「へへ。よかった。悠君が逃げないでくれて」
悠もニコッと笑った。愛子はエンジンキーを回し、車を出した。知らない街を車が走っていく。悠は地理に疎いので、ここがどこかわからない。しばしして、ある木造平屋建ての家に着いた。
「さあ。ついたわよ。降りて。悠君」
悠は愛子に促されて降りた。
二人は家に入った。
「じゃあ、悠君。食事をつくるから食卓で待ってて」
「はい」
「悠君。焼き具合はミディアムでいい」
「はい」
悠は食卓についた。緊張のため、膝が少しカタカタ震えている。キッチンでジュージュー音がする。しばしして、料理が出来たらしく、愛子が料理を持ってきた。焼きたてのステーキが皿の上で、ジュージュー音をたてている。それから、コーンポタージュスープとライスとサラダを持ってきた。料理を並べると、愛子はニコッと悠に笑顔を笑顔を向けた。
「悠君。お酒は飲む」
悠はびっくりした表情で首を振った。
「とんでもありません。僕、お酒なんて飲めません」
「じゃあ、ジュースにするわね」
そう言って、愛子はグラスを二つとオレンジジュースを持ってきてグラスに注いだ。愛子は悠と向かい合わせに食卓についた。愛子は悠のグラスにオレンジジュースを注ぎ、自分のグラスにも注いだ。愛子はグラスを持ち上げた。
「悠君も、もって」
言われて悠はグラスをそっと持ち上げた。
「さあ。今日は悠君と、お友達になったお祝い。カンパーイ」
そう言って愛子は自分の持っているグラスを悠のグラスにカチンと当てた。
「さあ。悠君。一緒に飲もう」
そう言って愛子は一口飲んだ。悠もゴクゴクと飲んだ。二人は料理を食べだした。
「どう。味は」
「はい。すごく美味しいです」
「そう。それはよかったわ」
悠は緊張して無我夢中でステーキを切って食べた。御飯は一粒も残さなかった。食事がすんだ。
「ご馳走様でした。とてもおいしかったです。有難うございました」
食べ終わって悠は深く頭を下げた。
「よかったわ。悠君に満足してもらえて」
愛子は笑顔で悠を見た。食べおわった後も悠は緊張してじっと座っていた。少し膝がカタカタ震えている。そんな悠を愛子は嬉しそうな顔で見た。
「ふふ。悠君。何を考えているか、わかるわよ。エッチな事、考えてるんでしょう」
悠は真っ赤になった。愛子は、ふふふ、とイタズラっぽく笑った。
「悠君。今までに女の子と付き合ったことある」
「な、ないです」
「でも女の子には、すごく興味があるんでしょう」
悠はまた真っ赤になった。愛子はつづけて言った。
「悠君は内気だから、女の子に声をかけられなかったのね。でも悠君の年頃は一番エッチなことをしたい時だから、我慢してたら神経が疲れちゃうわ。そうでしょう」
「は、はい」
悠は真っ赤になって言った。
「じゃあ、私が悠君の恋人になって、悠君の性欲を満たしてあげるわ。いや」
悠はうつむいて顔を真っ赤にして黙っている。
「いやならいいわよ」
愛子は、つきはなすような口調で言った。
「・・・い、いえ。・・・あ、あの・・・あ、ありがとうございます」
悠は声を震わせて言った。愛子はクスッと笑った。
「じゃあ悠君の性欲を満たしてあげるわ。強盗ごっこをやろう。悠君が押し入り強盗で、私の家に入り込んで、私を縛り上げて、私にエッチな事をするの。どう」
悠はゴクリと唾を飲んだ。
「キマリ。じゃあ、畳の部屋に行こう」
そう言って愛子は悠を寝室へ連れて行った。六畳の落ち着いた部屋である。
「ちょっと待ってて。押入れから縄を持ってくるから」
そう言って、愛子は部屋を出て行った。そして直ぐに縄を持って戻ってきた。
「さあ。悠君。縛って」
そう言って愛子は床柱の前に座って、両手を背中に回して手首を重ね合わせた。悠は言われた通り、背中で重ね合わされた手首を縄で縛った。
「あん。悠君に縛られちゃった」
愛子は鼻にかかった声で言って、縛められた胸を揺すった。
「さあ。悠君。あまった縄を前に回して胸の上下を縛って」
悠は言われた通り胸の上下を乳房を挟むように縛った。
「じゃあ、残った縄を柱に縛って」
悠は縄尻を愛子の後ろの柱につなぎとめた。

「ふふ。悠君に捕まえられちゃった」
愛子は横座りして柱につなぎとめられている。ミニスカートのためムッチリした太腿の奥にパンティーの盛り上がりが見える。悠は思わずゴクリと唾を飲み込んだ。白いブラウスの胸のところが、乳房の上下を挟むように縄で縛られているため、乳房が絞り出されている。後ろ手に縛られた縄は柱に繋ぎ止められていてまさに悪漢に捕まえられた美女の図である。悠は興奮して勃起していた。生唾をゴクリと飲み込んで。悠が黙って動かないので愛子は体を揺すって催促した。
「さあ。悠君。何をしてもいいわよ。私は悠君に捕まえられちゃったんだもの」
「いいんですか。本当に何をしてもいいんですか」
悠は念を押すように聞いた。
「もちろんよ」
愛子は微笑して言った。悠はためらいがちにそっと愛子の体に手を触れた。温かくて柔らかい弾力が伝わってくる。
「あん」
愛子は小さな喘ぎ声を漏らした。悠はだんだん図に乗ってきて、触手をあちこちに伸ばした。胸をそっと触ってみたり、腿をその弾力を確かめるように触ったりした。愛子の尻も触った。悠がスカートの中へ手を伸ばそうとすると、愛子は、
「あっ」
と叫んでピッチリと腿を閉じた。
「ごめんなさい。愛子さん」
悠が素早く手を引っ込めると、愛子は笑って首を振った。
「いいのよ。悠君。何をしても。私は悠君に捕まえられちゃったんだもの」
悠は愛子の髪を撫でたり、鼻の筋や顎など、顔を丹念に触った。愛子は悠に弄ばれている人形である。悠はびんびんに勃起している。
「ああー。愛子さん。幸せです。僕、一度、女の人にこういうエッチな事をしたかったんです。それが愛子さんのような綺麗な人に出来るなんて。夢のようです」
悠は興奮してうわずった口調で告白した。愛子は、
「ふふふ」
と笑った。悠は愛子の髪や体に鼻先を近づけてクンクン嗅いだ。
「ああー。いい匂いだ」
「ふふ」
愛子は興奮している悠を余裕の表情で見ながら笑った。
「悠君。私の服を脱がせて」
「えっ。どうしてです」
「だって、私は悠君に捕まえられちゃったんだもの。捕まえられた女は逃げられないように裸にされちゃうでしょ」
悠はゴクリと唾を飲んだ。
「さあ。悠君。一度、縄を解いて」
言われるまま悠は愛子の縛めを全部といた。
「さあ。悠君。服を脱がせて」
言われるまま、悠は恐る恐る手を震わせながら、愛子のブラウスのボタンをはずしていった。Cカップのブラジャーがブラウスの中から見えてきた。悠は極度の緊張のため手がプルプル震えて竦んでしまった。それ以上先へ進めなくなってしまった。愛子はニコッと笑った。
「いいわ。自分で脱ぐわ」
そう言って愛子は微笑しながらブラウスを自分で脱いだ。そしてスカートのチャックをはずし、腰を浮かせて、スカートを足から抜き取った。愛子はブラジャーをはずした。豊満な乳房を片手で覆いながら。手の覆いからこぼれて見える乳房の下縁が美しく見える。愛子は腰を浮かせてパンティーも下ろして足から抜き取った。愛子は一糸纏わぬ丸裸になった。そして再び横座りにしゃがみこんだ。片手で乳房を、片手を秘所に当てて隠している。
「ああっ。恥ずかしいわ。でも私は悠君に捕まえられちゃったんだものね。仕方ないわ」
「さあ。悠君。もう一度縛って」
そう言って、愛子は秘所を覆っていた両手を背中に回して、手首を重ね合わせた。
「悠君。今度は手首を縛るだけにして」
悠は言われた通り手首だけを縛った。
今度は胸に縄がない。何一つ覆いのない全裸を後ろ手に縛られているだけである。この縛めは悪漢ごっこの遊びのものなので、愛子がむきになって抜けようと思えば抜けられないことはない。この縛めは愛子が捕縛されているということを形に表している象徴である。今、まさに全裸の美女が後ろ手に縛められて、じっと座っているのである。悠は食い入るように見つめた。顕になった二つの乳房は、はっきりと輪郭をあらわして、重力によってたわんだ下部が丸い輪郭をはっきりと虚空の中にあらわしている。乳房の上半部はピンと一直線になり。山の頂上には、屹立した乳房が顕になっている。その下には腹の真ん中に縦長の臍の窪み。その下では女の最も恥ずかしいY字の所が何の覆いも無く顕わになっている。悠が唾を飲んでそこをじっと見つめていると、
「あん。悠君。恥ずかしいわ。あんまり見ないで」
と言って、愛子はピッチリと腿を閉じ合わせた。悠は、はじめてみる女の乳房をじっと見ていたが、ついに耐えきれず、そっと手を伸ばして、乳房に触れ、手のひらを乳房にピッタリつけた。温かく柔らかい感触が手のひらに伝わってくる。悠は乳首をそっと摘んでみた。
「あん」
愛子が反射的に声を漏らす。悠は初めて触る好奇心から、乳首から腹、太腿、足の先へと触手を伸ばした。愛子は人形のようにされるがままになっている。

「ゆ、悠君。お風呂に入りたいの」
愛子がそう言ったので、悠は手を引っ込めた。愛子は腿をピッタリくっつけたまま、立ち上がった。愛子が後ろ手に縛められた全裸のまま、そろそろと風呂場へ歩き出した。悠は愛子の手首から伸びている縄尻を取ってついて行った。官憲が捕縛した犯人を連行するように。ムッチリとした弾力のある尻がピッチリと閉じ合わさって、割れ目がくっきりと見える。風呂場へついた。浴槽には湯がいっぱい満たされてあった。悠がどうするのだろうと思っていると、愛子は洗い場のマットの上に膝を折って腰をおろし正座した。
「さあ。悠君も来て。裸になって」
悠は言われるまま、服を脱ぎ、パンツも脱いで全裸になって浴室に入った。今では愛子も悠も同じ全裸であるが、愛子は後ろ手で縛られているため、自分では何も出来ない。観念した様子で、浴槽の前でじっと正座している。悠も裸を見られることは恥ずかしかったが、愛子の背後にいれば見られることはない。悠は愛子の背後に座った。
「私、縛られていて、手が使えないから、自分で洗うことが出来ないわ。お願い。悠君。洗ってくれない」
悠は嬉しくなった。愛子の体を丹念に洗うことが出来るのである。愛子の体の感覚を心地ゆくまで味わえるのである。悠は洗面器で浴槽の湯を一杯すくうと、愛子の項のあたりから、ざあっとかけた。麻縄に湯が浸み込んで収縮して縛めが強くなって、もう抜けられないように見える。
「熱くないですか。愛子さん」
「ええ。大丈夫。ちょうどいい温度で気持ちいいわ」
愛子が笑顔でそう言うので悠は嬉しくなって、二回、三回と愛子に湯をかけた。
「ゆ、悠君。洗ってくれない」
そこには体を洗うスポンジがあった。悠は洗面器で湯をすくってスポンジを湿らせて石鹸で泡を立てた。悠は嬉しそうに背後から愛子の背中を洗い出した。力を込めて、ゴシゴシ擦ると、愛子の体がそれにともなって揺れる。年齢の大きな差から、華奢な愛子の背骨が丈夫に感じられる。背中から腕、太腿から足の先へと移動していった。足の裏も丁寧に擦り、足指の股の間も一本、一本、丁寧に洗った。そして洗った後には湯をかけて泡を流した。
「あ、ありがとう。悠君。気持ちいいわ」
愛子は笑顔を見せてお礼を言った。後ろが終わったので、悠はいよいよ前を洗い出した。腹を擦り、スポンジを上行させて乳房をそっとこすった。やわらかい弾力が返ってくる。悠は興奮して勃起していた。悠のスポンジが愛子の腹の方へ下降していく。神経質な悠は、洗い残しの部分が無いよう、「洗って」と言われたからには、愛子の体をくまなく洗わなくては、という義務感にとらわれてしまっている。悠は尻からはじまって女の秘部もそっと洗った。スポンジのため、手はそこに直接には触れない。泡のため、恥ずかしい所も隠されて見えない。
「ゆ、悠君」
「何ですか。愛子さん」
「い、いいわよ。胸を触って」
悠はスポンジを置いて、愛子の乳房に触れた。泡のため、ツルリとしてたとえようも無く気持ちがいい。
「ああっ。愛子さん。気持ちいいです」
悠は叫んだ。
「悠君」
「は、はい」
「下も触っていいわよ」
悠は石鹸で泡をつくって女の秘部に手を這わせた。初めて触れる女の秘部に、悠の心臓はドキドキと高鳴った。そこは弱々しく、鶏のとさかのような弱々しい襞があった。悠ははじめて触れる女の秘部に驚いた。
「悠君」
愛子はおちついた口調で言った。
「割れ目があるでしょ」
「は、はい」
「そこに指を入れて」
悠は割れ目を開いて指を割れ目の間に当てた。悠は女の秘部に触っている事に心臓が破裂するほどドキドキしていた。それは、とろけるような甘美な快感だった。
「ゆ、悠君」
「は、はい」
「もっと後ろの方へ指をずらせて。そこに穴があるから指を入れて」
悠は指をピタと当てたまま、少し後ろに指を移動させた。そして言われたように指を入れてみようとした。しかし入らない。
「あ、愛子さん。入りません」
悠は申し訳なさそうに言った。
「穴がキュッと締まっているの。指を立てて、はじめちょっと力を入れて。指が通れば後は楽に入っていくわ」
悠は言われたように指を立てて力を入れて指を押し込んだ。すると愛子が言ったとおり、指が穴を通った。後はもうスルスルと楽に入っていった。穴はキュッと締まり、入った指をはなさないといった感じである。
「ああー。いいっ。気持ちいい」
愛子は体をブルブル揺すって、眉を寄せ、叫んだ。悠は指先で周囲を探検した。そこはヌルヌルしていて、キュッと指を締めつけてきて、女の体の中という感じがする。
「ああっ。気持ちいいわ。悠君」
愛子は眉を寄せ、切ない声を出した。
「愛子さん。この穴は何なんですか」
「それは女の一番大事な所なの。悠君もそこから生まれてきたの。私、もう、悠君に全て知られてしまったわね」
愛子は後ろ手に縛められた手をギュと握りしめた。尻がプルプル震えている。悠の指は入ったままである。
「ゆ、悠君」
「は、はい」
「指先をゆっくり動かして」
「は、はい」
悠は言われたようにした。
「ああー」
愛子は眉を寄せて叫んだ。
「ど、どうしたんですか」
「女はそこを刺激されると気持ちよくなるの」
悠は愛子の表情を見ながら、指を動かした。が、時々とめた。愛子と一体となっているような感じがして何とも言えず気持ちよかった。出来る事ならこのままずっとこうしていて、時間が止まってくれたらどんなにいいだろうと悠は思った。愛子も指の動きが止まったので余裕が出てきたのだろう。
「ふふ」
と、悠に笑顔を見せた。
「ごめんね。悠君。私だけ気持ちよくなっちゃって。女はそこを刺激されると気持ちよくなるけど、悠君は別に気持ちよくないでしょ」
「いいえ。愛子さんと体が一体となっているようで、すごく気持ちいいです」
「ありがとう。悠君。指を入れたまま好きな所を触っていいわよ」
悠は残った手で、愛子の尻を撫でたり、腹を触ったりした。そして乳房に手を当てて、そっと揉んでみたり、乳首をキュッと摘んでみたりした。そして時々、穴に入れた指先を動かした。
「ああっ。いいわ。気持ちいい」
愛子は後ろ手に縛められた指をギュッと握り締め、体をブルブル震わせて叫んだ。尻から腿がブルブル震えている。こうすると愛子は気持ちがいいんだ。愛子を喜ばそうと思って悠は女の穴に入れた指先を動かしながら、乳房を揉んだり、尻や太腿を撫でた。しばしして愛子は激しく体をブルブル震わせた。
「ああっ。いい。いくっ」
と叫んだ。そう言った後、愛子は死んだように動かなくなった。悠が指先を動かしても反応が無い。しばしして愛子は悠に優しい視線を向け、
「ありがと。悠君。気持ちよかったわ」
と言って、目を閉じた。愛子はしばらく快感の余韻に浸っているといったような感じだった。しばしの後、愛子は目を開けて、身を起こした。
「ありがと。悠君。疲れたでしょ。もう指を抜いて」
悠は指を抜いた。愛子は悠を見て、
「ふふふ」
と笑いかけた。悠は洗面器で湯をすくって、愛子にかけ、愛子の体の泡を落とした。

「悠君」
「はい」
「縄を解いてくれない」
「はい」
悠は愛子の後ろ手の縄を解いた。水を吸収していて、少し解くのが硬かった。が、悠は一生懸命解いた。自由になった愛子は湯船から洗面器で湯をすくって、悠にかけた。
「悠君。私を洗ってくれてありがとう。お礼に今度は私が洗ってあげる」
そう言って愛子は悠に何度か湯をかけた。
「目を瞑って。頭にかけるわよ」
愛子は悠の頭に湯をかけた。
「髪を洗うわよ」
愛子は悠の頭にシャンプーをかけ、ゴシゴシ頭を泡立てた。そして石鹸で泡をつくり、顔も洗った。そして一気に頭に湯を何杯もかけ、泡を落とした。
「大丈夫だった」
「はい」
悠は元気よく答えた。愛子は石鹸でスポンジを泡立てて、悠の体を丹念に洗っていった。背中、胸、腹。腕も、指先まで指を一本、一本、洗った。それから、勃起しているおちんちんと二つの玉も丁寧に洗った。
「気持ちいい」
「は、はい」
「そう。じゃ、あとでもっと気持ちよくしてあげるわ」
愛子は笑いながら、悠の尻の割れ目から、足先までくまなく、丁寧に洗った。悠の体は泡だらけである。愛子は、
「ふふふ」
と笑い、悠の腋の下の窪みをそっと揉んだ。悠は愛子に逆らえない。
「ああー」
悠は眉を寄せ、くすぐったさに耐えた。
「あ、愛子さん。許して下さい」
「どうしたの。悠君」
愛子はそっけない言い方で聞いた。
「くすぐったいの」
「え、ええ」
「でも、もうちょっと我慢して。そのくすぐったさが気持ちよくなるから・・・。力を抜いて」
言われるまま、悠は愛子にしがみつくようにして耐えた。だんだん慣れてきて、つらさが心地よい快感に変わってきた。何か、とろけるような快感が悠に起こってきた。悠は愛子に身を任せた。愛子は巧みな手つきで悠の体を撫でたり。乳首をキュッと摘んだりした。
「あっ」
と悠は声を漏らした。愛子は再び、手に石鹸をつけて、泡を立てて、今度は悠の玉を揉みながら、おちんちんをゆっくりしごき出した。悠のそれは、ただでさえ、はちきれんばかりに興奮して勃起している。愛子は片手で悠のそれをしごきながら、残りの手で指を立てて、悠の尻を撫でたり、尻の割れ目をスーとなぞったりする。悠はその度、
「あっ。あっ」
と悲鳴を上げた。頭がとろけそうな快感と、もどかしさに悠は歯をカチカチならしながら耐えた。愛子は笑いながら、ゆっくりしごきつづけている。
「あっ」
悠は悲鳴を上げた。愛子の指が悠の尻の穴にピッタリと吸いついたのである。それは吸いついたまま動かない。逃げようと腰を動かしても忠実に吸いついたまま、追ってくる。だんだんそれが窄まった尻の穴を撫でたり、意地悪い生き物のように刺激してくる。その間も、はちきれそうなおちんちんへの優しい刺激のしごきは続いている。悠は体内から、オシッコとは違う何かが出てきそうになるのを感じた。悠は全身をガクガク震わせて、どうしようもない甘美な、もどかしさに耐えた。悠は泣きそうな顔を愛子に向けた。愛子は静かに微笑しているだけである。悠は愛子にしがみついた。突然、愛子の指先が悠の尻の穴に入ってきた。
「あっ」
悠は悲鳴を上げた。体内にそれまでたまっていて、甘美にして意地悪く悠を刺激してきた何かが出てくるのを悠は直感した。
「ああー。出るー」
悠は悲鳴に近い声で叫んだ。同時に勢いよく、悠のおちんちんから、白濁液が大量に飛び出した。しばし肩で息をしていた悠は、ようやく落ち着くと愛子を見た。愛子は悠のおちんちんに湯をかけて洗った。
「どう。気持ちよかったでしょう」
「は、はい」
悠は顔を赤らめて答えた。
愛子は悠に湯を数回かけて悠の体を流した。大量に出た悠の精液も流された。

愛子は立ち上がって、湯船に足を入れた。悠の手を握って。悠も湯船に入れた。湯の中で愛子は、赤ん坊を抱くように、悠を背後から抱いた。愛子の豊満な乳房が悠の背中に当たって、悠は心地よい気持ちで愛子に身を任せた。

しばしして二人は風呂から出た。もう10時を過ぎていた。
「悠君。もう夜になっちゃったから、今日は泊まっていかない」
「はい」
悠は携帯を家にかけ、母親に、今日は友達の家に泊まる、と伝えた。
「悠君。もう寝ようか。いろいろやって、疲れちゃったでしょ」
「はい」
悠は元気よく返事した。愛子は悠をさっきの寝室に連れて行った。愛子は蒲団を並べて敷き、悠に着流しの浴衣を渡した。二人は浴衣を着て布団に入った。枕元には小さなスタンドがあった。愛子は悠を見てニコッと笑った。
「悠君。私、イビキがうるさいかもしれないけど、うるさかったらゴメンね」
「いえ。全然かまいません」
愛子はニコッと笑った。
「じゃあ、おやすみ」
そう言って、愛子はスタンドのスイッチを消した。悠は興奮して眠れるどころではなかった。

愛子はすぐに眠った。庭では鈴虫が鳴いている。愛子が眠ったと思ったのは、微かに小さないびきが聞こえてきたからだ。それは狸寝いりとは悠には思えなかった。悠は眠れるどころではない。愛子は寝相も悪く、「ううん」と言って、布団を跳ね除ける。悠は静かに行動を開始した。愛子が寝ているのをいい事に、愛子の顔をまじまじと眺め、鼻の穴や、半開きになった口を見た。布団の上に、開扇状に乱れた湯上りの髪に鼻を近づけて、においをかいでみた。全てが女の体臭である。着流しの寝間着の裾が乱れてパンティーが見える。悠は勇気を出して寝巻きの帯を解いて合わせを開いた。ブラジャーは着けてなく、横紐のパンティー一枚で、ほとんど全裸に近い。愛子が寝ているのをいい事に悠は女の体の曲線の美しさに見惚れていた。悠は勇気を出して愛子の胸に顔を近づけて、チュッと乳首に口唇をつけた。愛子はよほど深く眠っているらしく、刺激に対する反射で、「ああん」と言っただけで、起きなかった。悠は愛子の口唇をじっと見ていたが、半開きの口からは涎が出ている。悠はそっと顔を近づけて、愛子の口唇に軽くキスをした。が、愛子は無反応である。悠は愛子のしなやかな手の指先をそっと口に含んで見たり、くびれたウェストや臍をそっと触ってみたりした。次に悠はパンティーの盛り上がりをじっくり眺めた。それはあまりに悩ましかった。悠は愛子に気づかれないよう、パンティーの盛り上がりをそっと指で触れてみた。あまりの柔らかさに、ただただ見入るばかりであった。そしてパンティーの盛り上がりに鼻先を近づけて、匂いをかいでみた。風呂でよく洗ったため、ほとんどにおいはしないが、鼻をパンティーに当てて勢いよく吸い込むと、微かにむっとするような独特の少しくさい体臭がする。が、それは悠を失望させなかった。これが女の体臭なのだと思うと何かそのにおいが地上でもっとも神聖なものに思われた。悠はパンティー紐をそっとほどいた。愛子が深い眠りにあるのをいい事に、そっと股を開いてみた。悠はスタンドをパンティーの所へ持っていき、弱い灯りをつけた。スタンドの明かりでそっとそこを見た。女の毛はきれいに剃られていている。パンティーの盛り上がりの肉の下に割れ目がある。鶏のとさかのような襞が二つあって、閉じ合わさっている。色は少し黒い。これが大人の女の人のアソコなんだな、と、悠は息を呑んで、それをじっと見つめた。悠は少女のアソコは、以前、写真で見たことがあったが、ただ割れ目が閉じ合わさっているだけだった。それが大人になると鶏のとさかのようなものが、盛り上がってきて、色も黒くなってくるのだなと思うと、その実物を年齢不相応に見ている事にますます興奮してきた。色の黒さも、とさかのような肉も全てがこの世で最も美しいものであるというような啓示を感じた。悠はそっとその黒いとさかを開いてみた。中は外見とは違ってピンク色のきれいな肉があった。悠はしばしそこを開いたり、閉じたりして、脳裏に焼きつくほどに見つめてから、また、元のようにパンティーの横の紐を結び、愛子の寝巻きを合わせて帯を結んだ。そしてスタンドの光を消した。そのまま悠は眠りについた。

   ☆   ☆   ☆

 翌朝。まだ蒸し暑くない心地よい夏の朝だった。愛子と悠は向かい合わせに食卓について、トーストとコーンスープの朝食を食べた。
「悠君」
「はい」
「昨日の夜、私にエッチな事したでしょう」
「ご、ごめんなさい」
悠は真っ赤になってあやまった。
「お互い同意した上でエッチな事するのはいいんだけど、相手の同意なしでエッチな事するのは、いけない事なんだよ」
「こ、ごめんなさい」
悠はペコペコ頭を下げて謝った。
「私が警察に言ったら、悠君、少年犯罪者になって、少年院に入れられちゃうんだよ」
「ゆ、許して下さい。本当に悪い事をしてしまって申し訳ありませんでした」
どーしよーかなー、と愛子はしばし宙に目を向けていた。が、パッと視線を悠に戻した。
「いいわ。許してあげるわ。でも条件があるわ。それに従うなら許してあげるわ」
「はい。何でもいう事を聞きます。条件って、どんな事でしょうか」
愛子は両手を組んで、その上に顔をのせ、ニコッと笑った。
「それは、これからも悠君が私と付き合ってくれるってこと」
悠の顔が明るくなった。
「はい」
悠は元気に返事した。

ボディーボードの女

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更新日
登録日
2021-07-26

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