水色事変

雪水 雪技

水色事変
  1. 水色事変
  2. 非日常のエスケープ
  3. 泣き声食べる筆記体
  4. 雲を追う時代
  5. 現世課題+カルマ
  6. 祈りの時間
  7. 口ずさむ今日
  8. 納涼
  9. 100円秘密の味
  10. 地球ビデオ
  11. 現実を超える子供の時代
  12. ぽっかりしきちない
  13. 試験管のクローバー
  14. 満月の肌
  15. エポックメーキング
  16. 幼き日の目
  17. ピアノ、音のたま
  18. ただ一人の恩師へ
  19. 100年後のラジオ番組へのお便りは
  20. 最深世界

水色事変

水色事変
青と白の限界
どうしても保てない関係

世の水色は分離する
青が残るか
白が残るか

限界迎えて弾け飛ぶ
世界は青と白の水玉模様

これは悪夢のような一日です
ニュースキャスター青ざめて

それは面白い一日だ
私はけらけら笑ってる

非日常に着地して
水玉模様のドレスを着よう

非日常のエスケープ

力を抜いて
自然に浮遊する

プールにぷかり
私の肌は反射する

光を吸う
呼吸のひとつ

未来が見えた気がしたよ

木々がざわめく
誰もいないプール

青空はつづく気がしたよ

未確認飛行物体が
ジグザグ飛行をしてる

水鉄砲を空へ飛ばして
夏の不思議を無視した正午

断然日常にて、かき氷の夏

泣き声食べる筆記体

暗号だらけの日記帳
誰かが残した思いは
開いた瞬間煙になる

残留思念の怪物は
日記帳を食べ尽くす
思い出を泣きながら

言葉にしたら足りなくて
思いにするのはあふれる
苦い気持ちを捨てるには
明文化の箱に閉じ籠める

暗号解読された日に
その思いは晴らされない
永遠の雨をつづる日記帳

雲を追う時代

二度と無い空を見た
子供は雲ばかり追っていた

白い塊に何かを見ていた
青空に魅せられていた頃
思いばかりを馳せていた

自由はいつでも心にあった時代

ままならなさを知らなかった
だから何でも言えた、思えた

記憶は白くていつも綺麗だから
またぼんやり眺めている子供は私

現世課題+カルマ

延々と終わらない課題
永劫回帰の上のカルマ

いつもはじめからスタート
千年二千年ぐらい誤差でもない

ずっと昔から形だけを変える
恒久的な苦難は尽きない

筆、楽器、声、エトセトラ

与えられたもので
出口を見つけに行った
旅人の後に誰も続かなくても

その旅路に神は宿る

祈りの時間

集大成は一生無い代わりに
私は一生を費やすことを決めた

それはなんだってよかった
生まれてくるものを抱き止めるだけ

文字と言霊に祈りつづけた
書くことは祈ることだった

それが私の信仰であった
奇跡を夢見るより

天から授かる一文に感涙出来たなら

私の一生は一閃にして満開となる

口ずさむ今日

口ずさむ今日は
軽やかな気がした

それは一時のひなんかな
それでも私は口ずさむ

私をうたわれることを
この子たちはねがった

憂鬱を色に仕立てて
琥珀、縹、紺碧、緑青

パレットの上の心理学
生きてる限り色は変わる

私の今日の空模様か
いいえ、縞模様の心

あるがままを見る力をください

納涼

晴れた空を久しく見ていなくて
目は全ての反射をひろうから

ぐるぐるまわりだして
こたえてくるからだの芯

太陽光のつよさは
ひとつのあいさつ

打ち水する人
屋根まで水かけ
軒から雨が降るように
しとどにぬれた店先の納涼

夏はいたるところに咲く
自転車漕ぐ白いシャツ
眩しそうな人は行く

100円秘密の味

自動販売機に売られてた
不思議な色した飲料水

飲むかどうかの大博打
握った100円玉があつくなる

喉が乾く、未知への渇望あつくなる

不思議な色の飲料水

飲んだら世界が変わるかも
真夏の太陽に浮かされて
世界の宙返りなんてね

この味のことは誰にも言わない
あの子にもどの子にも秘密の味

地球ビデオ

巻き戻せれば
謎は解き明かされるかな

地球ビデオの巻き戻し
だけどテープは劣化して

最初の方はもう曖昧
それなら過去は創作する?

確かにあった
けれども材料が足りない時代

何を見つければ
あなたたちに会えるのか

いつも想いを馳せている

真実に混じる不都合が
怖気付かせる今この瞬間

現実を超える子供の時代

急接近する星々
星座のもつれ
新しいいのち
映画のような
劇的ワンシーン

天体ショー
眺めていた
子供時代は
架空の思い出

それは本物よりいい匂い

そらは本物より鮮やかで

瓦礫の下の無言の遺跡
あとかたづけ
人類のあした

山が守る沈黙
海が守る神秘
我々の魂の源泉

宇宙由来地球の子供

ぽっかりしきちない

心地よきものあつめて
わたしのしきちをつくります

こころみた今朝は
うしろをつくります

朝もやにただよう
心地よきものたち

煙になって天にすいこまれて
きれいさっぱりなくなれば

しきちはぽっかりしていた
ああ、いけない、あつめなきゃ

さいしょから?

なんかいめ?

試験管のクローバー

試験管の中のクローバー
部屋に飾って私は泣いて

何も知らないクローバー
私に何も聞かないで

何も言わないクローバー
私の涙は尽きないで

幸せの形はこれだと思った
だけど、これは違うなんて

試験管が割れたとき
ひとつの器の解放のとき

割れた意味が
見つけたものが
あっても無くても

満月の肌

満月光る蜘蛛の巣の神聖
心に満ちる瞬間への祈り

ぬるい風
揺れるのは
伸びた髪の毛

金糸の如く揺れるのは
いつかの志、その煙

天は夜空を照らす  
あまねく注ぐつきひかり

手を添えて
夜のひなた
この手の触感はとらえる

暗闇を支配する
セレネの肌のぬくもり

神話はるるとして語られる

エポックメーキング

エポックメーキングマシーン
新しい言流を生み出したAI

不可能はなくて
いつも新しいが
この世界に溢れる

自らのエモーショナルを
タイピングして出力する

新たな言語
閃きは人類の神経回路を高速伝播

共同創作の感情の発表
世界の共通認識の集合

あやとりのように
変幻自在の意思疎通

幼き日の目

虹をかけた
幼き日
何色も
使って

雫の小人が庭を歩いていた
私は夢中で描いていた

我が家の狭い庭は
無限の遊び場だった

雪、それは
最高の友達であった

ひとりでいつまでも
遊んでいられた

私の空想たちは
最高のテーマパーク

何を見ても
夢を見た、私の真実

遠く、透明な、幼き日

ピアノ、音のたま

頭の上でピアノがなる
音のたまがころがる

いつもピアノがなっている
ころころと音のたま床にころがる

私は体内の弦に惹かれていた
あの黒いからだはくじらのようで

つるりとした曲線をなでていた

大きい音、小さい音
鍵盤をたたいてみる

いつもそばにいたのに
私の音のたまはすぐきえる

ただ一人の恩師へ

私に背骨を与えたのは
恩師の眼差し

溶けきって諦めた四肢は
ただひとつの視線で形を成した

生まれ変わる瞬間を知った

同時に進化に追われる日々
それは心楽しかった若き日々
心踊る熱望の日々

走れなくなった今
再起する力もない今

それでも腐らないのは

恩師の眼差し
私を強くした光

100年後のラジオ番組へのお便りは

ラジオのチューニング
100年後の今へ

鮮明な声は知らない言語
廃れてないカルチャー
知らない流行

音は見えるように
声には色彩が宿る
五感が電波にのまれる

自我の曖昧さに目が回る
100年前の私には恐怖体験

耐え切れず電波は切れた

夢から覚めたのか
戻ってきたのか

葉書は届きますか?

最深世界

深海に広がる花ばたけ
光は無くても千紫万紅 

生まれる息吹
海中に西風

竜宮城へ向かう亀
じっと動かない深海魚

今日の浦島太郎を見送った
光を放つ深海の花ばたけ

光合成する大型の鯨
浅瀬の魚との長電話

珊瑚と花々の井戸端会議

マリアナ海溝から笑い声
さいしんせかいの入り口

水色事変

水色事変

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-07-25

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