寺田屋

寺田屋

名前は……?!


相も変わらぬ商店街
ここで暫く育ったんだ。

生まれも近所で
気軽にいつでもココへ来た。

歳重ねるごとに行く店違い
影の長さと同じになる。

幼馴染やクラスメイト
親が店主の者多く。

挨拶と話だけの常連さん
あれから直ぐ転校した……

社会人での行動範囲は
縁があるのかまた故郷へ。

容姿変わって話しかけ
親の店主はあっけらかんと。

お店は酒屋の寺田屋で
あの子の名前は忘れてる。

やっとの思いで手を叩き
懐古の話題に花が咲く。

当の本人聞いてみた
嫁いで家にはいないと言う。

特に気にしていた訳でもないが
当時の笑顔が走馬灯に。

では、またお邪魔しますと
見慣れた通りに影伸びて。

時間はぼくの中だけでは
進んでいないと今の時、
この日この時気が付いた。

あれから過ぎて何十年
相も変わらぬ商店街。

交番裏の公園の
小さなブランコ乗っかって。

漕いだ風を懐かしむ
暫くココで寛いだ……

寺田屋

寺田屋

竜馬先生とは違う、ぼくの寺田屋はここにある。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • アクション
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-07-24

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted