孤独な女

都内のマクドナルドである。
弓道部の友達の、順子と、悦子と、一緒に京子は、話していた。
京子は、東大の文科の学生だった。
「京子。有難う。経済学の授業のノート、とってくれて」
順子がアイスティーを啜りながら言った。
「いや。経済学だけじゃないわ。ほとんど、全ての科目は、京子の、ノートのおかげ、だもの。きれいな字で、読みやすくて。おかげで、授業に出なくても、アルバイトに専念できるわ。大学を卒業できるのは、京子の、おかげだわ。本当に有難う」
悦子が言った。
チキンマックナゲットのバーベキュー味を食べながら。
「でも、わるいわ。京子にだけ、お世話になっちゃって。私達、何も、京子に、お礼をしてあげられなくて」
順子が、アイスティーを啜りながら言った。
「そうね。世の中は、give & take なのに、私達は、京子に、take ばかりして、何も、give していなんだものね。申し訳ないわ」
と、悦子が、マックフライポテトを、口に入れながら、言った。
「い、いえ。いいんです。私。講義、聞くの好きですから」
と、京子が、小声で言った。
「京子は勉強熱心ね」
と、順子が言った。
「ところで話は変わるけど・・・」
と言って、順子は、悦子の、マックフライポテトを、一本、とって、食べた。
「ねえ。私。彼氏に、フェラチオしちゃった」
順子が悦子に言った。
「どんな気分だった?」
悦子が聞いた。
「とても、気持ちが良かったわ。精液も飲んだわ。フェラチオは、女にとって、正常な願望だわ。女は、男の精液を、受け入れることが、生殖行為でしょう。それが、口になった、だけだわ」
順子が言った。
「SMとかは、するの?」
悦子が聞いた。
「しないわ。SMって、わからないの。だって、縛って、放置するだけでしょ。男と女は、合体するのが、自然じゃない?それに、股縄なんて、女の股間を縛ったりするけれど、あれは、私には、さっぱり、わからないわ。股間を縄で縛っちゃったりしたら、性交が出来なくなっちゃうじゃない。ねえ、そう思わない。京子?」
順子は、京子に視線を向けて聞いた。
「え、ええ。そうね」
京子は、二人の話に合わせるように、無難なことを言った。
しかし、京子は、心の中で、二人とは、正反対のことを感じていた。
実は、京子は、まだ、処女だった。
彼氏も、まだいない。
しかし、順子も、悦子も、二人とも、とっくに、ロストバージンで、順子も悦子も、京子が、いくら純粋だからといって、ロストバージンしている、と、見なしているようだった。
また、そのように、京子も装っていた。
人間は、自分の感覚を、「人間一般の基準」、として、他人を見るものである。
しかし、京子の性欲は、普通とは違っていた。
普通、中学生の3年くらいから、高校生になるにつれて、女は、セックス、という行為に目覚めていく。
女の性欲は、男のように、能動的ではなく、受動的であり、そして、男のように、いつも、発情しているわけではない。
なので、女は、いつも、男のように、セックスのことばかり、考えているわけではない。
しかし、いったん、好きな相手に、身を任せて、男の愛撫を受けているうちに、性欲に火がつくと、女の性欲は、男とは、比べものにならないほど激しい。
なにせ、女は、全身が、性感帯であるからだ。
しかし、京子は、セックスという行為を知識としても、知っても、それに、全く関心を持てなかった。
京子は、子供の頃、物心ついた時から、マゾだったのである。
これは、子供の時の、何かの、経験からではなく、先天的な、性倒錯であった。
子供の頃、テレビドラマで、女が、悪人に、つかまえられて、縛られて、拷問されたり、さびしそうにしているシーンを見ると、京子は、言い知れぬ官能を覚えた。
(ああ。自分も、ああなってみたい)と。
小学校低学年の時、「解剖ごっこ」、というのが、流行った。
それは、エッチな、悪戯好きな男の子達が、一人の、女の子を、わっと、取り囲んで、服を全部、脱がせてしまうという悪戯である。
脱がされた女の子は、もちろん、「やめてー」、と、抵抗した。
女子生徒たちは、皆、自分が、標的にされないか、と、おそれた。
しかし、そんな、悪戯が、成立したのは、男子生徒たちも、女子生徒の中で、元気で明るい、子を、標的に選んでいたからである。
彼らは、そんなことをされたら、本当に、泣きだしてしまうような、気の弱い、女の子は、狙わなかった。
男は、脱がされた仕返しに、今度は、逆に男達を、叩こうと、追っかけるような気性の強い、女の子を狙っていたのである。
だから、こんな、悪戯も、可能だったのである。
しかし、その悪戯は、もちろん、先生に知られて、イタズラした男子生徒達は、「もう二度としないように」、と、こっぴどく先生に叱られた。
それで、その度の過ぎた悪戯は、行われなくなった。
女子生徒たちは、ほっとした。
しかし、京子は、違った。
京子は、狙われなかった。
京子は、友達は、数人、仲のいい友達は、いたが、口数も少なく、真面目で、おとなしかったので、男子生徒達も、こういう女の子は、狙えなかったのである。
しかし、京子は、家に帰って、「解剖ごっこ」を、思い出すたびに、何ともいえない、興奮を感じるのだった。
(ああ。私も、男の子達に、寄ってたかって、服を脱がさて、裸にされたら、どんなに気持ちいいだろう)
(私も餌食になりたい)
と、思っていたのである。
そして、夢想で、男の子たちに、「解剖ごっこ」、の、標的にされて、着ている物を全部、脱がされて、裸にされて、男の子達に、裸を見られることを、想像して、心地よさに浸っていたのである。
京子は、勉強熱心だったので、成績も良く、中学は、東大合格者を多く輩出している進学校に入学した。
京子は、特に、打ち込むものがなかった。
なので、勉強に打ち込んだ。
なので、成績は、クラスでも、上位だった。
読書は好きで、よく本を読んだ。
特に、谷崎潤一郎を知った時は、ショックだった。
谷崎潤一郎の、小説のエロチックさに、京子は、魅せられた。
それと、団鬼六の、SM小説にも、魅せられた。
ヤクザに捕まって、裸にされ、縛られ、晒し者にされる、悲劇のヒロインに、自分もなれたら、どんなに素敵だろう、と、京子は、思った。
読書の楽しみを知って、京子は、どんどん、夢想の世界に入っていった。
将来、何になるのか、自分は何のために生きているのだろうか、という、根本的な、疑問が、心の中にはあったが。
そうして、京子は、無事、付属の、高校に進学した。
高校生になると、みな、お洒落をするようになった。
クラスでは、男子生徒と女子生徒が、つき合うようになった。
誰と誰が、セックスした、などという、噂も聞くようになった。
京子は、高校生になっても、数人の、気の合う友達は、出来たが、相変わらず、無口で、おとなしい、目立たない、生徒だった。
やることがないので、やはり、高校でも、楽しみは、読書くらいだった。
勉強の他に打ち込むことが、ないので、勉強は熱心にやった。
そして、東大文科一類に合格した。
部活は、一応、弓道部に所属した。
大学も、入ってしまうと、皆、アルバイトや、合コンなどの遊び、に、熱心で、授業に出る学生は少なかった。
しかし、京子は、他にやることが、ないので、2、3人くらいしか、出ない講義も聞いた。
というより、全ての講義に出た。
講義を聞くことで、何か、自分が何のために生きているのか、知る手掛かりに、なりはしないか、と思ったからである。
大学生になっても、京子の性欲は、マゾのままだった。
京子は、ネットで、エッチな動画も見た。
全部、SMもの、である。
京子は、SM動画で、裸にされて、陶酔している、ヒロインに、感情移入して、興奮した。
自分も、男達に取り囲まれて、裸にされて、みじめになりたいと思った。
しかし、SM動画、には、当たり、と、はずれ、があった。
最近の、SMビデオは、やたら、暴力的で、ムチで打ったり、蝋燭を垂らしたり、と、汚かった。
そして、男達も裸になり、女にフェラチオさせ、ペッティングし、そして、挿入して終わるのが、ほとんど、だった。
そういうのは、京子は、嫌いだった。
セックスと、SMを、ごちゃまぜにしている、のは、嫌いだった。
京子の、好きなタイプの動画は。
女だけ、裸にされて、様々な、みじめな格好に縛られて、男達は、服を着ていて、女を、辱めの極致に、おとしめて、笑っている動画に、京子は、興奮した。
見られているだけでいいのである。
ソフトとか、ハードとかの、違いとも、ちょっと違う。
あえて言えば、ソフトの方だが、女を裸にして、縛って、くすぐっている、だけ、では、興奮できなかった。
それは、男と女の、和解した性交であって、京子にとって、和解は、SMとは成り得ず、徹底的に、羞恥のどん底に落とされている、のが、好きで、それが、SMだと思っていた。
なので、京子は、SMは、動画より、写真の方が好きだった。
昭和50年代から、平成の初期の頃、の、SM写真は、京子の、好みに一致した。
その頃は、団鬼六が、SM小説を、たくさん書いていて、また、杉浦則夫という写真家が、ドぎづいSM写真を撮っていた。
杉浦則夫は、団鬼六と親しい写真家で、ドきついSM写真集を撮っていた。
女を、いきなり、裸にした写真ではなく、一人の女が、8枚くらいの、写真が撮られていて、初めは、ちゃんと、服を着ていて、軽く、後ろ手に縛られた、姿の写真があり、だんだん裸にされていく写真だった。
上着や、ブラジャーは、着けたまま、縛られていたり、パンティーが、中途半端に脱がしかけになっているままで、縛られていたり、と、ことさら、女を辱めようとしている写真だった。また、女に、ことさら、多少の自由を与えて、女に、恥ずかしい所を隠させる余地を与え、女の羞恥を煽っていた。
それは、極めてエロティックだった。
写真の中で、女たちは、本当にマゾの快感に陶酔していた。
静止した写真の中で、女達の、顔は、被虐の恍惚に酔っていた。
京子は、長い時間、写真の女達を見ながら、自分も、こんなふうに、されたい、という、妄想にふけった。
「放置プレイ」、とは、現在は、女を縛って、ほったらかしにしている、男の側の、サド行為という意味合いに、使われているが、「放置プレイ」、とは、本来は、縛られて、自由が利かず、いつ、縄を解いてもらえるか、わからない恐怖におびえているマゾの女の方にあるのだと、京子は、思っていた。
大学の友達が、SMクラブで、アルバイトして、「結構、儲かって、楽だった」、と、笑いながら言うのを聞いても、京子は、SMクラブで、アルバイトをする気には、なれなかった。
京子にサドの性格は無く、男を、ムチで、叩いたりして、いじめたい、とは、全く思わなかったし、見知らぬ男に、縛られたり、叩かれたり、したいとも思わなかった。
しかも、相手の男は、どんな男か、わからない。
無神経な、醜く腹の出た、中年男を、京子は、嫌っていた。
しかし、京子の、被虐願望は、どんどん、つのっていった。
京子は、自分で股縄をしてみた。
ベルトのように、腰に、縄を巻き、その縄尻を、股間に食い込ませた。
「ああっ」
尻の割れ目に、縄が食い込む、感触に京子は、喘いだ。
それが、どう見えるのか、見てみたくて、京子は、カガミで、股縄をされた、自分の姿を見た。とても、いやらしかった。
京子は、興奮してきて、自撮り、で、自分の、緊縛姿を、ネットのSM画像投稿掲示板に、投稿した。
顔が、ばれないように、顔は写さなかったり、豆絞りの猿轡をしたりした。
京子の、投稿した自撮り、の、写真は、何人もの好事家の、好評のコメントを受けた。
そのコメントを、見ることによって、京子の興奮は、ますます、強まっていった。
京子は、ハイレグの競泳用水着を着て、市民プールに行って、平泳ぎで、ゆっくり泳いだ。
わざと、一方通行に、区切られたコースを。
平泳ぎで泳ぐと、後ろから見ると、股が大きく開いて見える。
一方通行に、区切られたコースを泳ぐ人は、クロールで、速く泳ぐ人が多い。
エロ目的で、市民プールに来る人は少ない。
健康目的で来る人がほとんどである。
そういう人が、自分に、劣情を感じるか、どうかは、京子にとって、どうでもよかった。
ただ、それによって、自分の体を露出して、人に見られたい、という一方的な自己満足は多少、得られた。
それに、エロ目的の人はいないので、下手にナンパなどされないのが、安心だった。
京子の、被虐願望は、どんどん、つのっていった。
京子は、恥毛を剃って、パイパンになり、ノーパンで、短いスカートを履いて、電車に乗ったりした。
前に、小学生くらいの男の子、が、いると、そっと足を開いたりした。
男の子の視線が、はっきりと、集まるのを、京子は、感じとって、興奮した。
京子の、被虐心は、どんどん、エスカレートしていった。
京子は、少し離れた所に電車で行って、雑木林の中で、裸になった。
自然の中で、裸になる、という、アブノーマルな行為自体、京子の、官能を刺激したが、誰か来るかもしれない、という、怖さも、刺激的だった。
京子は、ノーパンで、股縄をして、エロ本や、エロビデオを売っている店に、入ったりした。
そこは、性欲に飢えた男達が来る場所なので、彼らの、視線は、まざまざと、京子に注がれた。それが京子を興奮させた。
しかし、男達は、痴漢は出来ないので、安全でもあった。
そんなことで、京子の、被虐心は、どんどん、エスカレートしていった。
しかし。
「京子の、被虐心は、どんどん、エスカレートしていった」、といっても、京子は、大学の勉強は、おろそかにしなかった。
京子の、悪戯は、月に、2回か、3回、程度であり、それは、友達が、彼氏とのセックスで、性欲を満たしているのに、対する、嫉妬から、自分も、性欲を、友達同様、満たしたい、という劣等感からであった。
京子にとっては、自分が、本当に何になりたいのか、という、哲学的な実存の問題こそが、一番、大切な関心事であり、性欲は、生物である限り、誰にでも起こる本能であり、京子の悪戯は、その本能の発散、処理に過ぎなかった。
そこらへんは、京子は、何事にも、きっちりと、けじめ、は、つける真面目な性格だからである。
京子は、ネットの、SM写真を見ているうちに、昔の、昭和50年代から、平成の初めの頃の、SM写真集が欲しくなった。
それで、ネットで検索してみると、神保町の、「田村書店」という古本屋が、昔のSM写真集だけを、専門に売っているのを、知った。
それで、京子は、その店に行った。
昔の旧き良き時代に思いを馳せているうちに、ネットの画像ではなく、写真集の実物を買いたいと思ったからである。
地下鉄・神保町と、水道橋の、間は、ズラリと古書店が、並んでいる。
その中で、田村書店、という、昭和のSM写真集だけを、あつかっている店があった。
京子は、その古書店に入った。
小さな店だったが、昔のSM写真集が、ギッシリと並んでいた。
女一人で入るのは、恥ずかしかったが、店の中に、客は誰もいなかったので助かった。
こんな、書店には、男しか、来ないのに、若い、きれいな、女が、来ているのに、店の親父は、疑問をもって、京子を見た。
京子は、しばし、いくつもの写真集を、パラパラッ、と、めくってから、気に入った写真集を、二冊、親父の前に差し出した。
おつりが要らないよう、本の代金ちょうどを親父に渡した。
ちょうど、その時、である。
一人の男が入ってきた。
「あっ」
と、京子は、声を上げた。
何と、男は、同じ大学の、同学年で、6人のグループで、ゼミも一緒にやったことのある、哲也だったからである。
京子は、買ったSM写真集をあわてて、カバンの中に入れた。
「や、やあ」
哲也は、あわてて、挨拶した。
「こ、こんにちは」
京子も、気まずそうに挨拶した。
このまま、別れてしまったのでは、二人とも、余計、気まずくなってしまう。
特に、京子の方が。
男が、エロ本屋に、入るのは、ごく普通のことだが、女が、エロ本屋に入る、というは、まず無いことだからである。
それを察して。
「ねえ。京子さん。ちょっと、喫茶店にでも、入らない?」
と、哲也が、気をきかせて言った。
「え、ええ」
京子は、顔を赤くしながら言った。
二人は、近くの、喫茶店に入った。
哲也も京子も、アイスティーを注文した。
「ははは。まずい出会いだったね。僕も、あの店で、SM写真集を、買うつもりだったんだ」
哲也が、笑いながら言った。
「単刀直入に聞くけれど。君が、SM写真集を、買う、ということは、君もSMに興味があるんだね」
哲也が言った。
「え、ええ。私。実は、マゾなんです」
京子は、顔を紅潮させて言った。
京子は、誤魔化しようが、ないことを知っていた。
ので、ことさら、最初から、結論を言った。
SM写真集は、女が、裸にされて、縛られた写真が、99%、であるからだ。
マゾの男が、女王様に、いじめられて、いる写真も、全く無いわけではないが、それは、例外で、写真の1%くらいしか、ない。
SM写真集は、スケベな男が、買う、ものである。
「哲也さんは、サドなんですか?」
京子が聞いた。
「そうだねえ。サドでも、あるけど、マゾでもあるんだ。これを、アルゴラグニーAlgolagnieと言うんだ」
「どうして、サドとマゾを、両方、持てるんですか?」
「マゾの女の人が、SM写真集を買うのは、わかりやすいよ。君は、裸にされて、縛られている、女の人の写真に、感情移入しているんだろう」
「え、ええ」
「じゃあ、僕のSM観を言おうか。聞きたいかい?」
「え、ええ」
京子が言った。
哲也は、話し始めた。
「もちろん、僕は、男だから、女を、いじめたい、と思うよ。空想の中で、だけだけどね。しかし、それだけじゃないんだ。僕は、いじめられている、女にも、なりたい、と思うんだ。SMは、なんと言っても、女が、主役さ。責め手の、男なんて、いなくても、女が、裸で縛られていれば、そこには、見えざる、女を縛った、男の存在がある。女が、自分を縛ることは、出来ないからね。女を縛る男は、観客で、縛られている女が、ヒロインさ。SM写真集の1枚の写真は、それ自体、一瞬の、劇さ。劇において、見ているだけの、観客の興奮と、観客に見られている、ヒロインの興奮と、どっちが、激しいと思う。どっちも、激しいだろうね。単純な、サドの男だったら、自分を観客の立場に置くことが出来るんだ。しかし僕は、欲張りだから、観客にも、なりたいけれど、主役にも、なりたいんだ。人間は、肉体は、男でも、精神だけは、女になることが、出来るんだ。それで、観客になったかと、思うと、その次の瞬間には、主役になったりと、自分を、固定した、視点に置くことが、出来ないんだ。それは、すごく、もどかしい。しかし、その、もどかしさ、に、いっそう興奮させられるんだ。君は、女だから、責められる、ヒロインの女に、自分の視点を固定して置いているんだろう」
「え、ええ」
京子は、顔を赤くして言った。
「哲也さんは、いつから、SMに目覚めたんですか?」
「生まれた時からさ。SMっていうのは、先天的な感性だからね」
「そういう君は、いつから、マゾに目覚めたんだい?」
哲也が、逆に聞き返した。
「私も、物心ついた時から、マゾでした。小学校で、女の子が、男子生徒に、エッチなことされているのを、見ると、私も、されたいな、と、思っていました」
「SMと、セックスは、似ているようで、全然、別のものさ。現代では、みんなが、自分は、ドSとか、ドMとか、平気で言うようになったけれど、本当の、SMは、もっと、人間性と関係のある、根の深いものさ」
「どういうことなんでしょうか?」
「今では、SMは、セックスの興奮を高めるための、ペッティング行為になっているんだ。だから、男女が、SMプレイをしたあと、必ず、本番行為をするだろう。SMビデオを、見ても、SMプレイをした後、本番行為をするだろう」
「ええ」
「SMと、セックスとは、本当は、関係ないものなんだ。人間の本性は、非常に、残虐なものがある。人間は、他人を徹底的に、おとしめたい、という、残虐な欲求があるんだ。それは、世界の歴史を見たって、わかるだろう。フランス革命の、マリーアントワネットの処刑だってそうだろう。マリーアントワネットは、ギロチンで処刑される前に、美しい髪を、バッサリ斬り落とされた。そして、昔は、すべて、死刑は、公開で、多くの人の晒し者にされた。人間は、人間を、徹底的に、おとしめたいんだ。それは、人間の本性さ。しかし、現代では、そういうことは、人権という点から、禁止されている。しかし、人間には、人間を徹底的に、おとしめたい、という、残虐な本性があるんだ。だから、現代では、その本能を、SMプレイという形で、その欲求をはらしているのさ。特に、日本人は、恥をかく、というのが、屈辱なんだ。西洋の、SMは、支配される、ことが、一番の、屈辱なんだ。西洋では、国と国との、戦争の歴史だろう。しかし、日本は、国内では、内戦は無数に、あったけれど、外国に支配される、という経験は、していない。しかし、日本人は、生き恥をかいて、生きることが、一番の屈辱なんだ。武士道の切腹でも、第二次世界大戦でも、日本人は、(生きて恥をかくよりは、死んだ方がマシ)、という感性をもっているんだ。これは、日本人特有の感性だね。男のサドは、女を徹底的に、辱めることに、快感を感じるし、また、女は、恥をかくことを、もっとも、おそれている。生き恥をかいて、生きるよりは、死んだ方がマシだと、思っている。日本の女はシャイだからね。しかし、その、最も、屈辱的な、ことをされてみたい、とも、本心では、思っているんだ。人間は、もっとも、タブーとされる、ことを、したがっているんだ。タブーというのは、逆説的なものなんだ。人間が、最もしたいけれども、人道上、してはならない、ことを、タブーとして、社会的に、閉じ込めているんだ。しかし、現実には、それは、出来ないから、女は、SMプレイという、遊びの中で、徹底的に、みじめ、に、なることに、快感を求めているんだ」
と、哲也は、アイスティーを啜って言った。
「哲也さんの、SM写真集に対する、複雑な感情は、わかりました。感覚としてまでは、本当には、わかりませんが。では、女は、縛られている女に感情移入するだけの、単純な、感覚だと思っているんでしょうか?」
「女は、性が、縛られている、女と同じだ。だから、同性だから、女は、圧倒的に、マゾの女に感情移入しやすいね。特に、君みたいな、美しい容貌ならね。女は、ナルシストだからね。でも、女でも、鑑賞者(サド)と、主役(マゾ)、の、どちらにも、自分を固定できない、場合だってあるさ」
「それは、どういう場合ですか?」
「たとえば、レズSMといって、女が、女を、いじめている、写真だって、あるだろう。あの場合、女は、いじめる女に、感情移入して、サドになることが出来る。女が男をいじめている写真やビデオもあるけれど、女は、それを見ても、興奮できない。男は、女のように美しくないからね。男は、ヒロインとは、成りえないんだ。でも、まあ、非常に、可愛い男なら、いじめたい、と思うことが、起こる場合もあるかもしれない。しかし、そういう男や写真は、ほとんどない。SM写真集の、ほとんどは、女が、縛られている、写真がほとんどだ。しかし、女は、女を、いじめたいと、思っている、男の精神にも、興奮しているのだから、責め手である、男の、精神を、感じとって、自分の中にとりこむ、ことも、しているよ。写真や、劇は人間の、精神の、関係性で、なりたっているからね。だから、責め手と、責められる女の両方が、なくては、この関係性は、生まれない。だから、君も、いじめられている、女を、いじめたい、と、思うこともあるはずだ。それは、縛られている女によりけり、だ。女は、弱そうな女を、サディスティックな、思いで、見ることもあるだろう」
「え、ええ。でも、そんなことは、ほとんど無いです」
「それは、君が、あまりにも、内気で、気が小さ過ぎるからさ。そもそも、君は、レズSMの、写真を見ても、いじめたいとは思わず、いじめられている、女の方に、なりたい、と思うだろう。君は、主役の方になりたい、と思う気持ちの方が、圧倒的に強いのさ」
「え、ええ」
「小難しいことを、言ったけど。サドとマゾは、もっと、簡単にも言える。人間は、美しい者を、いじめたい、困らせたい、という、悪徳的な本能がある。それが、サディズムさ。そして、人間は、いじめられて、困って、泣いて助けを求めている、美しい女を、見たい、という意地悪な本能がある。そして、その女を何とか、助けてやりたい、と、思う。かわいそうだ、と思う。それは、人間の、良い本能だ。しかし、いざ、その困っている美しい人が助かってしまうと、ああ、よかった、とだけは、思えないんだ。美しい女が、困っている、という状態、を、見ることに、気持ちいい刺激を受けるんだ。その気持ちいい刺激を、味わいたい、という、のが、サディズムさ。芥川龍之介、が、(鼻)という小説の中で、書いている。『人間の心には互に矛盾した二つの感情がある。勿論、誰でも他人の不幸に同情しない者はない。所がその人がその不幸を、どうにかして切りぬける事が出来ると、今度はこっちで何となく物足りないような心もちがする。少し誇張して云えば、もう一度その人を、同じ不幸に陥れて見たいような気にさえなる』と。」
「じゃあ、マゾヒズムは?」
「困っている、美しい人は、悲劇のヒロインさ。マゾヒストは、美しい人が、いじめられて、困っている、という状態、を、見て、自分自身が、その、悲劇のヒロインになりたい、と、思っているのさ。つまり、マゾヒストは、ナルシストなんだ。ボードレールの言葉を、借りて言えば、マゾヒストは、(死刑囚にして死刑執行人)、なんだ」
哲也は、アイスティーを啜って、話を続けた。
「それと、もう一つ。たとえば、学校や、会社で、気の小さい、女の子を、気の強い女が、いじめる、ことって、あるだろう」
「え、ええ」
「君は、小さい頃、学校でいじめられた、ことは、あるかい?」
「あ、ありません。でも・・・」
「でも、何だい?」
「小学校の時、解剖ごっこ、というが、流行ったことがありました。それは、エッチな、悪戯好きな男の子達が、一人の、女の子を、わっと、取り囲んで、服を全部、脱がせてしまう、というものでした。私も、その餌食に、なって、男の子達に、よってたかって、服を脱がされたら、どんなに気持ちいいだろう、と思っていました。でも、私は、ネクラでしたから、元気のいい男の子たちが、こわくもあったんです。いつか、いじめられるんじゃないかと。怖さと、被虐願望と、両方があって、それに、興奮と恐怖の両方を感じていました」
「だろうね。SMには、色々な要素があってね。いじめられる恐怖におびえていると、その観念が、どんどん、強くなって、発狂してしまいそうに、なってしまうんだ。観念の恐怖心は、いついつまでも、続くし、どんどん、大きくなっていく。だから、現実に、いじめられることによって、観念の恐怖から、逃れたいと思うようになる。現実に、いじめられることによって、観念の恐怖は、壊れてなくなる。だから、いじめられる、ことに、安心感を、得られるんだ」
「そ、その通りです。なにか、哲也さんの、話を聞いていると、今まで、自分は、どうして、マゾなのか、という、わからなかった疑問が、解決したような気がします」
京子もアイスティーを啜った。
「ところで。哲也さんは、SMフレンド、とかは、いるんですか?」
京子は、話題を変えた。
「いないね。SMクラブに行ったことは、数回、あるけれど、相手を、喜ばそうという、気持ちの方が、強くてね。マゾの女は、ナルシストだから、こっちが、相手を喜ばすために、奉仕している、みたいで、SM劇の、観客にもなれないし、ヒロインにも、なれない、から、所詮は、SMプレイには、ならず、興奮することが出来ないんだ」
そう言って、哲也は、アイティーを啜った。
「ところで、君は、SMフレンド、とかは、いるの?」
同じ質問を哲也は聞いた。
「いません。サドの男の人って、乱暴そうで、完全に、身を任せることが、怖いんです。相手に、不愉快なことを、されると、それが、後々、嫌なトラウマになってしまいそうで、怖いんです」
「そうだろうと思ったよ。でなけりゃ、女がSM写真集を、買う理由がないからね」
「哲也さんも、現実のSMプレイでは、満足できないから、SM写真集を、買うんですね?」
「ああ。そうさ」
そう言って、哲也は、紅茶を啜った。
「あ、あの。哲也さん・・・」
京子は、顔を赤くして小声で言った。
「何?」
「哲也さんの、SM観を、聞いていて、何だか、哲也さん、になら、完全に身を任せられるような気がしてきました」
「ふふふ。僕も、君を、縛ってみたくなっていたんだ」
「じゃあ、私を、縛って下さいますか?」
「ああ。僕も、君とSMプレイをしてみたいよ」
「じゃあ、お願いします」
「僕の方こそ」
「私の、家、近いんです。来てもらえますか?」
「ああ。じゃあ、行くよ」
こうして、二人は、電車に乗って、京子のアパートに行った。
水道橋から、総武線に乗り、東中野で降りた。
東中野駅から徒歩で15分くらいの所が、京子のアパートだった。
「京子さん。じゃあ、始めようか?」
「はい」
「あ、あの。哲也さん。よろしくお願い致します」
と、京子は、両手をついて恭しく言った。
初めてなので、緊張しているのだろう。
「ははは。そう、固くならなくてもいいよ。と、言っても無理だろうけどね。というより、固くなった方がいいのかな。本当のSMプレイって、何をされるか、わからない恐怖心だからね」
「こ、こわいわ」
「じゃあ、どんなふうに、縛ろうかな」
哲也は、京子が、買った、二冊の、SM写真集を、パラパラと、めくりながら言った。
「京子さんは、どんなふうに縛られたい?」
「・・・」
京子は、自分からは、言えず、顔を真っ赤にして、困っている。
「じゃあ、まず、服を全部、脱いで、丸裸になって。僕は、後ろを向いているから」
哲也が言った。
「はい」
京子は、素直に返事した。
哲也は、クルリと、体を反転させ、京子に背を向けた。
「じゃあ、服を全部、脱いで」
哲也が言った。
「はい」
背後から、京子の声が聞こえた。
パサリ、パサリ、と、服が床に落ちる音がした。
「あ、あの。哲也さん」
「何?」
「あ、あの。服を全部、脱ぎました」
京子が、背後から言った。
哲也は、クルリと、向きを変え、京子の方を見た。
京子は、一糸まとわぬ全裸で、正座していた。
右手で胸を、左手で、股間を、隠しながら。
「うわー。すごーい。京子さんの、裸、初めて見た」
哲也は、ことさら、驚いたように、言った。
「は、恥ずかしいです」
京子は、顔を赤らめて、言った。
「SMなんて、別に、縄を使って、縛る必要なんて、ないんだよ。女の人を、辱めるのがSMなんだから」
哲也が言った。
「今の気持ちは、どう?」
哲也が聞いた。
「恥ずかしいです。でも、なんだか、気持ちがいいです」
「そうだよね。僕は、服を着ているのに、君は、裸で、僕に、見られているんだからね」
裸の京子の、横には、脱いだ、服が、キチンと、畳まれて置いてあった。
「さすが、女の子は、礼儀正しいね」
そう言って、哲也は、畳まれた、京子のパンティーを、つまみあげ、パンティーのクロッチ部分に、鼻先を近づけた。
「あっ。哲也さん。お願いです。それだれはやめて下さい」
京子は、真っ赤になって言った。
「ふふふ。じゃあ、やめるよ」
そう言って、哲也は、パンティーを床の上に置いた。
「京子さんは、ナルシズムに浸っているんでしょう?私って、美しい女だって」
「は、はい。そうです」
京子は、顔を赤らめて、言った。
体を、見られるより、心を見られる方が、もっと、恥ずかしいものである。
「じゃあ、後ろ手に縛ろうか?」
「はい」
京子は、自分から、両手を、背中に回して、背中の真ん中で、手首を重ね合せた。
哲也は、京子の背後に移動して座った。
「ふふふ。細く、引き締まった、いい手首だね」
哲也は、そう言って、京子の重ね合わさった手首を、麻縄で縛った。
そして、また、京子の正面にもどって座った。
それまで、手で、覆っていた、乳房を、隠すことが出来なくなって、乳房が、顕わになった。
哲也は、京子の豊満な二つの乳房を、顔を近づけて、まじまじと見つめた。
「ふふふ。京子さん。大きな、乳房が、丸見えだよ。乳首もいい形だね」
哲也が悪戯っぽく言った。
「は、恥ずかしいわ」
哲也の言葉によって、京子の意識が、乳房や、乳首に行き、乳首が、少し、尖り出した。
「ふふふ。乳首が、尖り出したよ。でも、こうすると、もっと、尖るよ」
そう言って、哲也は、京子の乳首を、鉛筆の先で、つつき出した。
「ああー」
京子は、眉をしかめた。
京子の体は、もどかしそうに、揺れた。
しかし、両手を、後ろ手に縛られているため、どうすることも出来ない。
どんどん、京子の乳首が、尖り出した。
「ふふふ。京子さん。感じているんだね」
哲也は、意地悪っぽく言った。
「ふふふ。こうやって、女の体を、直接、手で触らないで、エンピツなんかの、道具で、間接的に、突く、ことによって、普通じゃない、悪戯っぽさ、背徳性、を、作るのが、SMなんだ」
哲也は、笑って、そう説明した。
「じゃあ、次は・・・」
そう言って、哲也は、京子の右足をつかんだ。
そして右足の足首を縄でカッチリと、縛った。
「ふふふ。別に、雁字搦めにしなくても、片方の足首を一ヵ所、縛るだけで、十分、女を、辱めることが、出来るんだよ」
哲也は、勝ち誇ったように言った。
「な、何をするの?」
京子は、何をされるのか、わからない、恐怖心で、おびえている。
「京子さん。床に横向きに寝て」
「は、はい」
哲也は、丸裸の京子の体を、抱きかかえて、倒し、床の上に、そっと、横向きに寝かせた。
京子の美しい黒髪が床に散らばった。
「きっと、恥ずかしさに、つらくなるだろうから、こうしてあげるよ」
そう言って、哲也は、京子の、股間に、パンティーを、乗せた。
女の恥部は、パンティーによって、かろうじて見えない。
哲也は、足首の縄の、縄尻をとって、椅子に乗って、天井の、梁に、ひっかけた。
そして、哲也は、縄尻を、グイグイ、引っ張っていった。
京子の、右足が、どんどん、縄に引っ張られて、天井めがけて高く上がっていった。
必然、京子の、股間も、広がっていった。
「ああー」
京子は、つらそうな声を出した。
「ふふふ。ややこしく縛らなくても、これだけで、十分、女の子を、辱めることが出来るのさ」
そう言って、哲也は、さらに縄尻を、グイグイ、引っ張っていった。
とうとう、京子の、右足が、ピンと、一直線になった。
哲也は、縄尻を、近くの、箪笥の取っ手に、結びつけた。
何も無ければ、恥ずかしい股間が丸見えになってしまうが、女の恥部は、股間の上に乗っているパンティーによって、かろうじて見えない。
「は、恥ずかしいわ」
京子は、顔を赤くして言った。
「京子さん。等身大の姿見のカガミを横に置いて、みじめな自分の体を見てみたい?」
哲也が聞いた。
「い、嫌っ。恥ずかしいわ」
京子が、顔を真っ赤にして言った。
「ふふふ。京子さん。親指を、残りの四本の指で、ギュッと握ってみな」
「ど、どうしてですか?」
「せめて、親指を隠している、ということが、丸裸にされても恥ずかしさに耐える、残された、唯一の方法だからさ」
哲也は、そう説明した。
京子は、親指を、ギュッと、残りの四指で握り締めた。
「ほ、本当だわ。恥ずかしさに耐えるのに、効果があるわ」
と、京子は、言った。
「ふふふ。昔の、SM写真集の、縛られている女をよく見てみな。みんな、親指を、他の四本の指で、隠すように、握っているから」
哲也が言った。
京子の股間の上には、パンティーが乗っている。
そのおかげで、秘部は、何とか、隠されている。
しかし、大きな尻と、尻の割れ目は、丸見えになっている。
恥毛は、きれいに剃ってある。
「京子さん。アソコの毛を、剃っているんだね。どうして?」
「そ、それは・・・」
と言って、京子は、言いためらった。
「それは、どうして?」
哲也は、問い詰めた。
「それは。一人で、股縄をしていたからです。股縄は、パイパンでするものですから」
京子は、顔を真っ赤にして言った。
「京子さん。パンティーをとってもいい?」
哲也が、聞いた。
「はい。哲也さんが、望むのなら、そうして下さい。私は哲也さんに、身を任せているんですもの。どんなに、つらくても、私は耐えます」
京子が言った。
「じゃあ・・・」
と言って、哲也は、股間の上に乗っているパンティーを、そっと、取り去った。
「ああー」
京子の恥部が丸見えになった。
「京子さん。どう?こういうふうに、丸裸を見られる気分は?」
「は、恥ずかしいです。死にたいほど」
「でも。僕は、楽しいよ。京子さんの、裸を見れるなんて」
「い、嫌っ。意地悪なこと、言わないで」
「京子さん。でも、やっぱり、アソコの割れ目を、見られるのは、恥ずかしいでしょう?」
「は、はい。恥ずかしいです」
「じゃあ、これで、隠してあげるよ」
そう言って、哲也は、ガムテープを取り出した。
そして、ガムテープをハサミで、10cm×5cmくらいの長方形に切った。
そして、それを、京子に見せた。
「京子さん。これを貼ってあげるよ」
そう言って、哲也は、京子の丸見えの恥部の割れ目に、ガムテープを貼った。
それによって、京子の恥部の割れ目だけは、見えなくなった。
しかし、この姿は、もう、一糸まとわぬ丸裸同然だった。
「はい。京子さん。これで、恥ずかしい所は見えなくなったよ。ほら、見てごらん」
そう言って、哲也は、カガミを、京子の股間の前に、置いて、カガミを京子の顔の方に向けた。
京子は、カガミを見て、真っ赤になった。
恥ずかしいが、恥部に、ガムテープが貼られて、性器の割れ目は、隠されて見えない。
「あ、有難うございます。感謝します。哲也さま」
京子は、敬語で礼を言った。
「京子さん。スリーサイズは、いくつ?」
「86.5。61。86.5です」
「本当かな。いつ、計ったの?」
「一ヶ月前です」
「じゃあ、今、計ってみるよ」
そう言って、哲也は、京子の、胸、ウェスト、ヒップ、を、巻尺で、計った。
「本当だ。86.5。61。86.5だ。理想的な、スリーサイズだ」
「は、恥ずかしいわ」
「じゃあ、気持ちのいいこと、してあげるよ」
そう言って、哲也は、京子の、足の裏を、毛筆で、スッと、なぞった。
「ああー」
京子は、苦しげに眉を寄せて、声を出した。
「ふふふ。気持ちいいでしょ?」
哲也が聞いても、京子は、答えられない。
哲也は、京子の、太腿、足の付け根、尻、などを、毛筆で、スッと、なぞっていった。
「ああー」
京子は、声を出した。
京子は、なんとか必死で、尻の穴だけは、見られないようにと、尻の肉に、力を入れている。
そのため、尻の割れ目は、ピッチリ閉じ合わさっている。
哲也は、京子の、太腿、足の付け根、尻、などを、毛筆で、スッと、なぞっていった。
「京子さん。お尻の穴を見られるのが恥ずかしいんですね」
「は、はい。そうです」
京子は、正直に答えた。
しかし、必死に、力を入れていた、尻の肉の力が、だんだん緩んでいって、京子の、尻の割れ目、が、開き出した。
「ふふふ。京子さん。尻の割れ目が、パックリ開いて、かわいい、すぼまった、お尻の穴が丸見えだよ」
哲也は、京子の、羞恥を煽るために、ことさら、京子に、言い聞かせた。
すぐに京子の尻の割れ目が、キュッ、と閉じた。
「は、恥ずかしいわ」
京子は、顔を真っ赤にして言った。
哲也は、また、京子の、足の裏、太腿、太腿の付け根、尻、などを、毛筆で、スッスッと、なぞるのを続けた。
しかし、京子も、長い間、力を入れて、尻を閉め続けるのは、疲れてきたのだろう。
また尻の割れ目が開き出した。
哲也は、その機を逃さず、いきなり、スッと、京子の、尻の割れ目を、毛筆でなぞった。
「ひいー」
京子は、悲鳴を上げた。
瞬時に、尻の肉に、力が入っていて、尻の割れ目が、閉じ合わさった。
尻の割れ目、や、尻の穴、は、敏感で、ちょっとの刺激にも、反応する。
京子は、尻の穴、を、刺激されるのは、初めてなのだろう。
「ふふふ。じゃあ、気長にいくよ」
そう言って、哲也は、京子の、足の裏、や、太腿や、太腿の付け根、や、乳首、首筋など、京子の体のあらゆる部分を、毛筆で、なぞった。
「ああー」
京子は、悲鳴を上げた。
尻の割れ目、を閉じ合わすことに、疲れてきて、尻の力が、また緩んできたので、京子の、尻の割れ目、が、また開き出した。
哲也は、それを、のがさず、すぐに、尻の割れ目、を、スッと、毛筆でなぞった。
「ひいー」
京子は、悲鳴を上げると同時に、すぐに、尻の割れ目、を、キュッと、閉じ合せた。
哲也は、また、根気よく、京子の、足の裏、や、太腿や、太腿の付け根、などを、毛筆で、なぞった。
あせらず、楽しむように、十分、時間をかけて。
すると、また、だんだん京子の、尻の割れ目、が、開いてきた。
哲也は、それを見逃さず、また、すぐに、尻の割れ目、を、スッと、毛筆でなぞった。
ひいー、と京子の悲鳴。
その繰り返し、である。
ふと、京子の、アソコを見ると、トロリとした、白濁液が、ガムテープの貼ってある、京子の、アソコから、流れていた。
「ふふふ。京子さん。感じているんだね」
哲也は、京子の、羞恥を煽るために、ことさら、京子に、言い聞かせた。
4度目、に、哲也が、京子の、尻の割れ目、を、なぞった時である。
「ひいー」
と、京子は、叫んだ。
しかし京子は、もう尻の割れ目を、閉じようとしなかった。
ひいー、ひいー、と、叫びながら、京子は、激しく体を揺らしながら、顔を真っ赤にして、
「て、哲也さん。もっと、やって。もっと、やって」
と、叫んだ。
「ふふふ。とうとう、京子さん、も、マゾに目覚めたね」
そう言って、哲也は、京子の、開かれている、尻の割れ目を、すっと、なぞった。
ひいー、ひいー、と、京子は叫んだ。
京子は、全身、汗だくである。
「て、哲也さん」
「何?」
「お願い。ガムテープを、とって」
京子は、顔を真っ赤にして叫んだ。
「ふふふ。とうとう、京子さん、も、マゾの快感に屈したね」
そう言って、哲也は、京子の、秘部に貼ってあるガムテープを、取り去った。
割れ目が、もろに現れた。
これで、京子は、体の全てを、晒すことになってしまった。
閉じた、恥部の割れ目からは、白濁した愛液が、ドロドロ、溢れ出した。
「み、見て。私の、体を隅々まで、見て」
京子は、あられもないことを、叫んだ。
「ふふふ。とうとう、京子さん、も、ついに、マゾに目覚めたね。言われなくても、見ているよ。どう。恥ずかしい所を見られる気分は?」
哲也が聞いた。
「い、いいわ。気持ちいいわ。最高に」
「じゃあ、もっと、気持ちよくしてあげるよ」
そう言って、哲也は、京子の、マンコの穴に、指を入れた。
そこは、愛液で、ヌルヌル濡れていた。
「ああー」
京子が叫んだ。
哲也は、ゆっくりと、指を動かし出した。
「ああー」
京子が叫んだ。
「て、哲也さん」
京子は、弱々しい瞳を、哲也に向けた。
「何?」
「お尻の穴も責めて」
京子は、顔を真っ赤にして言った。
ふふふ、と、笑いながら、哲也は、左手を、京子の、尻の穴に、ピタリと当てがった。
「ああー」
京子が叫んだ。
二点責め、である。
「どう?。こうやって、丸裸にされて、縛られて、抵抗できずに、お尻の穴とマンコを、同時に、弄ばれる気分は?」
哲也が聞いた。
「い、いいわ。気持ちいいわ。もっと、うんと、いじめて」
京子が、叫んだ。
哲也は、指の、蠕動を速めていった。
「ああー。いくー」
そう、叫んで、京子は、全身をガクガクさせた。
京子は、エクスタシーに達した。
「ふふふ。とうとう、気をやったね」
哲也が言った。
京子は、全身の力が抜けたように、ガックリしている。
「気持ちよかった?」
哲也が聞いた。
「ええ。有難う。最高に気持ちよかったわ。いじめられるのって、こんなに、気持ちいいものなのね。生まれて、初めて経験したわ」
と、京子は、言った。
哲也は、ティッシュペーパーで、白濁した愛液で、ベチャベチャに濡れている、京子の、マンコをふいた。
「足が疲れたでしょ。足を降ろすよ。それとも、まだ、このままでいたい?」
哲也が、聞いた。
「降ろして下さい」
京子が言った。
「じゃあ、降ろすよ」
哲也は、箪笥の取っ手に留めてあった縄尻を解いた。
そして、ゆっくり、縄を降ろしていった。
京子の足が、だんだん、下がっていった。
そして、ついに、足が床に着いた。
哲也は、京子の足首の縄もはずした。
これで、京子は、丸裸で、背中の後ろ手の、手首の縛り、だけになった。
哲也は、横向きに寝ていた京子の体を、起こして、京子を正座させた。
「ふふふ。かわいいね。京子さんの胸のふくらみ」
哲也が、言った。
途端に、羞恥心が、襲ってきたのだろう。
「は、恥ずかしいわ」
京子は、正座して、太腿を、ピッチリ閉じ合せた。
足を吊られてしまうと、もう、どうしようもない、という、あきらめ、の気持ちが起って、開き直って、しまえるが、なまじ、中途半端に、自由だと、恥ずかしい所を隠す動作が出来るので、羞恥心が起こるものである。
哲也は、しばし、顔を赤らめて、足をピッチリ閉じ合せている、京子を眺めていた。
「て、哲也さん」
京子は、小声で言った。
「何?」
「手首の縄を解いて下さい。お願い」
京子は、顔を真っ赤にして言った。
「ふふふ。わかったよ」
そう言って、哲也は、京子の背後に回った。
そして、京子の後ろ手の、手首の縄を解いた。
これで、京子の、手足は、完全に、自由になった。
京子は、自由になった両手を、あわてて、胸に当てて、乳房を隠した。
「て、哲也さん。服を返して下さい」
丸裸の京子が言った。
「ああ。いいよ」
そう言って、哲也は、京子の、ブラジャーと、薄いブラウスだけを、京子に渡した。
「ありがとうございます」
京子は、急いで、ブラジャーを着けた。
そして、次に、ブラウスを着た。
しかし、下半身は、何も履いていない。
大きな尻が丸出しである。
「は、恥ずかしいわ。こんな格好。哲也さん。お願い。下着も返して」
京子は、両手で、股間を隠しながら、言った。
哲也は、ニヤニヤ笑いながら、
「わかったよ。下着も返してあげるよ」
と、言った。
「あ、有難う」
哲也は、床にあるパンティーを、手にとった。
「さあ。京子さん。パンティーを、履かせてあげるよ。だから立って」
哲也が言った。
「じ、自分で履きます」
京子は、首を振った。
「それじゃあ、下着は返さないよ」
哲也は、意地悪っぽく言った。
京子は、しばし、迷った様子だったが、
「わ、わかりました」
と言った。
下着を、人に履かせられるのは、恥ずかしいものである。
子供じゃあるまいし。
しかし、それは、一瞬であって、履いてしまえば、もう安全である。
そう思ったのだろう。
京子は、立ち上がった。
太腿をピッタリ、くっつけて。
哲也は、片足ずつ京子の足を上げて、パンティーを、くぐらせた。
そして、スルスルと、腰まで、パンティーを、引き上げた。
そして、パンティーの縁のゴムを離した。
ピチンと音がして、パンティーは、京子の腰に、ピタリと貼りついた。
「ああっ」
京子は、大きな声を出した。
無理もない。
哲也は、パンティーの前後を逆にして、京子に履かせたからだ。
「ふふふ。パンティーが、履けてよかったね」
哲也は、意地悪っぽく言った。
「て、哲也さんの意地悪」
京子は、しばし困惑していたが、サッと、急いで、パンティーを、脱いで、パンティーを、反転させ、正しい向きで、足にくぐらせて、再び、腰まで引き上げた。
哲也は、スカートを、京子の前に置いた。
京子は、急いで、スカートも、履いた。
もうこれで、京子は、安全である。
「ふふふ。京子さん、が、パンティーを脱ぐ姿、色っぽかったな」
SMプレイをしたことを、思い出させるために、哲也は、そんなことを言った。
「て、哲也さんの意地悪」
京子は、顔を赤らめて、言った。
「ふふふ。SMっていうのは、女の子を、困らせることさ。つらくても、嫌なだけじゃなかったんじゃない?」
「そ、そうね。哲也さんって、予想もしない、意地悪をするんですもの。ドキドキしちゃったわ」
「じゃあ、今日は、この位で、終わりにしよう」
「有難う。哲也さん。長年の夢が叶って、嬉しかったわ」
「でも、僕は、本当のサディストとは、成り得ないな。本当の、サディストたるには、観客として、だけの、精神の持ち主、でなければ、ダメなんだ。SM写真では、ヒロインの女と、観客の男が、別れているだろう。マゾヒストは、純粋な、観客を求めているんだ。僕は、君が、どうしたら、マゾの喜びを感じられるか、という、ことを、考えていた。つまりは、君に対する、サービスさ。僕は、君の、マゾヒズムを満足させる手助け、の役割しか、出来ないんだ。君も本当には、満足できなかっただろう」
「いいえ。そんなこと、ありません。サディズムしか、持ち合わせていない人は、マゾヒストの心を推測しようとは、しないのでしょう。それは、純粋なSMという行為にはならないのかもしれませんけど。マゾヒストが、望んでいない、嫌なことも、純粋な、サディストは、するでしょう。それを、されると、マゾヒストは、心が傷ついてしまいます。後味の悪いSMプレイになってしまいます。それくらいなら、サドと、マゾ、を、両方、あわせ持っている人の方が、多少、物足りなくても、安心です」
「じゃあ、今日は、そろそろ、帰るよ」
哲也が言った。
「あ、あの。哲也さん」
「何?」
「あ、あの。また、いじめてくれますか?」
「うん。いいよ」
「有難うございます」
「どんな責めをされたい?」
「哲也さんに、お任せします」
「わかったよ。うんと、屈辱的な目にあわせてあげるよ。そうだな。今度は、ハードに。君を裸にして、吊るして、君が、泣いて、許しを求めても、やめないよ。もしかすると、本当に君を殺してしまう、かも、しれないよ」
「こ、こわいわ。それを聞いただけで。でも、それを、想像しただけで、ワクワクするわ」
「でも、どんな責めにするかは、秘密にしておこう。どんな、責めにしたら、君が、つらいか、僕も考えておくよ」
哲也が、帰った後、京子は、哲也に見つからないように、棚の上に置いておいた、スマートフォンを手にとった。
そして、京子は、パジャマに着替えて、ベッドに、うつ伏せになった。
そして、スマートフォンの動画を再生させた。
京子は、自分の、恥ずかしい姿を見るために、スマートフォンを棚の上に置いて、動画で写していたのである。
哲也が、「姿見のカガミを置いて、君の、みじめな姿を見せてあげようか?」と、聞いた時、京子は、「やめて。恥ずかしいわ」、と言って断った。
京子も、本心では、そうされたかったのだが、それを言う勇気がなかったのだ。
京子は、隠し撮りした、スマートフォンを再生させた。
京子が、丸裸にされて、後ろ手に縛られて、片足を吊られている映像が映し出された。
京子の、きれいに剃った、恥部、が、無防備に、丸見えになっている。
その横には、哲也が、座って、京子を見ている。
(は、恥ずかしいわ)
京子は、丸出しになった、性器を、哲也に、しげしげと、眺められていた、のだと、思うと、激しく興奮した。
哲也のSMプレイは、マゾヒストである京子に対する、サービスだと言った。
だから、本当の、マゾヒズムの快感は、得られない、と言った。
しかし、京子は、必ずしも、そう思っていなかった。
マゾヒストの喜びは、相手に、すべてを委ねてしまう、快感なのだ。
京子は、哲也に、すべてを委ねることが出来た。し、それに、快感を感じていた。
京子は、かなりの時間、さっき、哲也にされた、SMプレイを、見て、興奮していた。
十分、見ると、京子は、動画を止めた。
(哲也さんは、今度は、どんなふうに、私を責めてくれるのだろう?)
それを、思うと、京子は、激しく興奮した。
わからないことは、恐怖でもあり、興奮でもあった。
京子は、今日、書店で買った、SM写真集を、見た。
そこには、女が、裸にされて、様々な、奇態な格好に、縛られていた。
蟹縛り、胡坐縛り、狸縛り、海老縛り、吊るし縛り、机上縛り、椅子縛り、大股開き。責めも、棒つつき、蝋燭、剃毛、擽り、顔踏み、虫責め、錘吊るし、梯子責め・・・。
哲也が、帰った後、京子は、哲也が最初に言ったSM観は、ほとんど、忘れてしまっていた。
聞いていた時は、納得することも、多々、あったが、官能の興奮が、理性を、頭から、追い出してしまっていたのだ。
人間は、理屈による納得で、感情が、おさまる、ということはない。
どんなに、食欲の原理を書かれた本を、読んでも、腹が減っている時には、「食べたい」、という感情だけに、心が支配される。
どんなに、性欲の理屈を理解しても、それによって、性欲が、萎えるということはない。
その時、ピピピッ、と、京子の、スマートフォンが鳴った。
メールの受信音だった。
哲也からだった。
それには、こう書かれてあった。
「京子さん。すみませんが、京子さん、の友達に電話して、京子さんの、携帯の電話番号とメールアドレスを教えてもらいました。哲也」
京子は、嬉しかった。
京子は、むしろ、哲也との、交友をもっと、深めたくて、哲也の、携帯電話の、電話番号や、メールのアドレスを、知りたい、と思っていたのである。
しかし、それは、哲也と、SMプレイをする前には、言い出せなかった。
嫌な、プレイをされて、そのあと、しつこく、SMプレイを、したい、と、言ってくるのが、こわかったのである。
しかし、プレイの後では、違った。
哲也の、SMプレイは、京子にとって、とても、気持ちのいいものだった。
しかし、京子の方から、哲也に、携帯電話の、電話番号や、メールのアドレスを教えて欲しい、とは、言い出せなかった。
自分が、貪欲に、SMプレイを、したがっている淫乱な女と、哲也に思われたくなかったからである。
京子としては、哲也の方から、「携帯の、電話番号と、メールアドレスを教えてくれませか?」と、言って欲しかったのである。
しかし、哲也のメールアドレスを、知れて、京子は、嬉しかった。
「哲也さん。今日は、有難うございました。今度は、いつ、どんな、責めをされるかを、想像すると、ドキドキしています。京子」
と、書いて、返信メールを送った。
しかし、日が経っても、哲也からは、なかなか、メールが来なかった。
「京子さん。すみません。いろいろと、忙しくて」
と、しばらくしてから、メールが来た。
京子は、がっかりした。
そうこうしているうちに、夏休みになった。
哲也から、夏休みは、実家の、大阪で過ごす、という、メールが、京子に届いた。
京子は、せっかく、哲也と親しくなれたのを、キッカケに、哲也と、海水浴場に行きたい、と思っていた。
海水浴場は、女が、体を、男達に露出して、見せる所である。
京子は、前から、海水浴場で、彼氏と、手をつないで、浜辺を歩きたい、というのが、夢だった。
セクシーなビキニを着て。
京子には、そういうロマンチックな願望もあった。
しかし、一人では、行きにくかった。
京子は、今まで、高校でも、大学でも、真面目な学生を演じていた。
なので、もし、知り合いと、出会ってしまったら、ばつが悪い。
なので、京子は、江ノ島などの、人の多く来る所は、避けて、茨城県の、あまり知られていない海水浴場に、一人で行った。
割とセクシーなビキニを着て。
これが、哲也と一緒だったら、うんと、セクシーなビキニを着ることが、出来るのだ。
(ああ。哲也さんと、一緒だったら、どんなに素敵なことかしら)
そう思いながら、京子は、その日、海水浴場から、一人、さびしく、アパートに帰った。
女は、夏、解放的になる。
そもそも、女は、みな、彼氏がいる。
なので、女は、夏、楽しむことが、出来る。
しかし、京子は、彼氏を作ることが出来なかった。
無口で内気な、自分と相性があって、優しくて、つきあっていても、疲れない、そして、セックスしか要求してくるのではなく、京子の理想とする、SMプレイを、してくれる相手。
そういう、贅沢な条件が彼氏には、絶対、必要だった。
そういう、条件のあう、彼氏を見つけるのは、困難だった。
哲也という、それらの条件を、全て満たしている、男と出会えたことは、京子にとって、最高の喜びだった。
京子は、ゼミで、哲也と、一緒になった時、一目みて、哲也の雰囲気から、彼なら相性が合いそうで、つきあいたい、と、思った。
しかし京子の方から、「つきあって下さい」、と言うことは、出来なかった。
もし、断られたら、ショックだからである。
それに、哲也が、どういう男なのかも、わからない、ことが、わかった。
しかし、夏休みが、終わって、二学期になったら、また、哲也に会える、ので、それほど、落胆していたわけではない。
京子は、二学期が待ち遠しかった。
しかし。
毎年のことながら、夏は、京子の官能の炎を激しく燃え上がらせた。
ある晩、京子は、ネットで、エロ動画を見ていた。
見ているうちに、京子は、だんだん、興奮してきた。
夏休みで、哲也と会えない、ので、哲也に、SMプレイをしてもらえることが、出来なくなって、京子は、欲求が満たされず、だんだん、被虐の願望が高まってきた。
京子は、また、神保町の、SM専門の古本屋、「田村書店」、に行った。
恥毛を剃って、パイパンにして。
そして、自分で、亀甲縛りにして、ノーパンで行った。
京子は、いくつか、探した後、これは、いやらしそう、だと思う、SM写真集を、二冊、手にとって、店のオヤジの前に出した。
一冊、二万円で、二冊で、四万円、は、京子にとって、痛がった。
「もし。お嬢さん・・・」
オヤジが、老眼鏡をはずして言った。
「は、はい。何でしょうか?」
オヤジに声をかけられて、京子は、ためらった。
「あんた。学生さんじゃろ?」
「はい。そうです」
「なら、4万円は、ちょっと、きついんじゃないかね?」
「え、ええ」
「なら、一冊、二千円にまけてあげてやっても、いいんじゃが。どうかね?」
こんな申し出を断る理由はない。
「あ、有難うございます」
京子は、礼を言った。
「よかったら、ちょっと、中で話さんかね?」
「は、はい」
本をまけてもらった手前もあり、相手が老人でもあり、哲也と、一度、SMプレイをしたことが、あったので、京子は、不安を感じなかった。
書店の奥が、オヤジの家で、京子は、和室に座った。
和室には、座卓があって、京子は、その前に座った。
オヤジは、京子と向かい合って座った。
オヤジは、ポットから、茶を、入れた。
そして茶を京子に差し出した。
「どうぞ」
「有難うございます」
京子は、礼を言って、茶を、啜った。
「あんた。以前にも来たね。よく覚えとるよ。ここは、男しか来ん店じゃから、若い女が、来たのは、あんたが、初めてじゃからね」
「・・・・」
京子は、恥ずかしくて答えられなかった。
「あ、あの。4万円もの、商品を、4千円にも、まけて下さって、有難うございます。でも、どうして、そんなことをしてくださるんですか?」
「そりゃー、あんたが、若くて、きれいな女じゃけん。まけるのなんて、あんた、だけだよ。男だったら、絶対、まけたりは、せんね」
「・・・・」
あからさまに、おだてられて、京子は、赤面した。
「ところで、あんた。名前は何というんだね?」
「佐々木京子と言います」
「そうか。わしは、田村権蔵という」
「そうですか」
オヤジは、話を続けた。
「そもそも。今時、こんな、昔のSM写真集ばかりを、並べていても、ほとんど、儲けなんか出やせん。今は、ネットで、いくらでもSM写真を、手に入れられる。もちろん、この店に置いてあるような、昔の、SM写真も。しかし、一部の、本当の、SMマニアが、どうしても、ネットの画像では満足できず、本として欲しくて、買っていく客も、いるんじゃ。昔のSM写真集だけを、あつかっている古書店は、ここと、早稲田通り、に、一店舗あるだけなんじゃ。なので、どうしても、昔の、SM写真集を、欲しい客は、ここに来るしかないんじゃ。もう、とっくに、絶版になっているか、出版社が、潰れてなくなっている、本ばかりじゃからな。だから、マニアは、一冊、二万、とか、三万、とか、の、値段でも買っていくんじゃ。しかし、たいして、儲けなんて、出ないことは、わかっとる。なのに、わしが、この店をやっているのは、まあ、老後の趣味のためなんじゃ。最近のSMは、ロクなのがないからの」
オヤジは、そう言って、茶を啜った。
「ところで、あんたが、この店に、昔の、SM写真集を、買いに来るのは、どうしてかな?」
オヤジが聞いた。
「今、おじいさんが言った通りです。私も最近のSMビデオや、写真には、満足できないんです。昔の、昭和50年代から、平成の、初めの頃の、SM写真にしか、興奮できないんです。最近のSMは、SMと、セックスがごっちゃになってしまっていて・・・」
京子が言った。
「そうか。あんたは、純粋なマニアじゃな。ところで、あんたは、Sかね。それともMかね?」
オヤジが聞いた。
「ま、マゾです」
京子は、顔を赤らめて、小声で言った。
「ははは。それは、わしも、わかっておったよ。SM写真集は、女が、裸にされて縛られている写真ばかりじゃ。サドの女が、そういう写真を欲しがる理由などないからの。ところで、あんたは、SMフレンドとかは、いないのかな?」
「いません」
京子は、ウソをついた。
最近、哲也に、初めて、SMプレイをしてもらって、京子は、哲也というSMフレンドが出来ていた。
「ははは。そうじゃろうと、思ったよ。あんたは、気が弱そうじゃからな。ところで。あんたは、緊縛モデルとかに、応募したことは、あるんかね?」
「ありません。濡木痴夢男なんて、たかがSMの緊縛を、事大主義(瑣末なことを誇大に騒ぎ立てる態度)に、解説したりして、バカみたいだし、乱田舞は、暴力的そうだし、あの人は、SMを暴力だと、思っているんじゃないでしょうか。志摩紫光は、根が暗そうだし。安心して、身を任せられる緊縛師なんて、いません。それに、世に顔が出るのも、こわいし・・・。猿轡で顔を隠しても、髪の毛や、目や、顔の輪郭や、体つきから、わかってしまいかねそうで、こわいし・・・」
と、京子は、言った。
「ははは。よく知っているね。しかし、それじゃあ、マゾの欲求を、あんたは、どうやって、解消しているんだね?」
「昔のSM写真の、緊縛されている女に感情移入して、マゾの陶酔を味わっています」
「しかし、それだけじゃあ、物足りないじゃろ」
「ええ」
「かわいそうな人じゃな」
「確かに、物足りないのかも、しれません。私、ノーパンで、短いスカートを、履いて、街を歩いたり、電車に乗ったり、人のいない雑木林の中で、裸になってみたりと、そんなことを、していました。実は、この書店に来るのも、おじいさんに、視姦されたい、という興奮もあるんです。今、私のブラウスとスカートの中は、下着は、着けていません。亀甲縛り、をしてます。服は着ていても、服一枚、隔てた、私の体は、亀甲縛りになっている、ことに、私は、興奮していました」
京子は、あられもないことを言った。
「ほう。そうとは、知らなんだ。では。もし、わしで、よかったら、あんたの、亀甲縛り、の姿を見せてもらえんじゃろうか。わしは、何もせんけに」
「わかりました。おじいさんには、本を格安に、値下げしてもらいましたし、おじいさんは、乱暴なことをするようにも、見えませんし」
それ以外にも、もう一つ、自縛した亀甲縛り、は、手足は、自由なので安全、という理由があったが、それは、京子は、言わなかった。
京子は、すっく、と、立ち上がって、ブラウスを脱ぎ、スカートも脱いだ。
ブラジャーと、パンティーは、履いていないので、丸裸である。
丸裸といっても、体は、亀甲縛り、してある。
縦に走る二本の縄と、それを、横に広げている横縄が、菱形を作って、柔らかい女の体に、意地悪く、食い込んでいた。
乳房は、縄によって、絞り出されて露出していた。
縄で絞り出されることによって、乳房は、ことさら、大きくなったように見えている。
体の前面の、二本の縦の縄は、そのまま、下降して、股間、そして、尻の割れ目に、食い込んで、そして、背中を上向し、首の後ろで、二手に分かれてから、首を輪のように、取り囲み、首の前で、また一つになり、そして、そのまま、体の全面の、縦縄につながっていて、体を一周していた。
股間に食い込む縄は、女をいじめているようにも見えるが、同時に、女の性器を隠してもいた。
「ああ。お嬢さん。きれいだ。美しい。何て美しい姿なんじゃろう」
老人は、上ずった、恍惚とした、目で、亀甲縛り、されている京子の体を、眺めた。
「京子さん。後ろ姿も、見せてくれんかね」
しばし、京子の体にみとれていた、老人が言った。
「はい」
京子は、クルリと、体を回し、老人に背を向けた。
縄が、激しく、尻の割れ目に、食い込んでいるので、その縄は、双方から、閉じようとする、尻の肉の中に、埋まってしまって、見えなくなり、尻の割れ目の、上の辺りから、姿を見せ、そのまま、背中を上向していた。
「ああ。京子さん。美しい。尻の割れ目に、よう縄が食い込んどるわ。なんて、いやらしい、姿なんじゃろう」
老人の、恍惚とした声を聞くと、京子の尻が、ピクンと震えた。
老人の言葉は、京子の意識を、尻の割れ目に、食い込んでいる股縄に、行かせて、京子は、あらためて、縄がきつく、自分の股間に食い込んでいるのを、感じとった。
(ああっ。いいわ。うんと見て)
京子は、言葉に出して言うことは、出来なかったが、心の中で、酩酊して、呟いた。
亀甲縛りを、自分で、したのは、それを、誰かに、見られたい、から、しているのだから、京子の興奮は、無理もない。
「京子さん。立ち姿を見せてくれて、有難う。もう、座ってくれ」
老人が言った。
「はい」
京子は、素直に言って、クルリと体を回して、老人の方を向き、座卓の前に、座った。
「京子さん。素晴らしい、亀甲縛り、を、見せてくれて、有難う」
老人が言った。
「い、いえ」
京子は、顔を赤らめて、言った。
座卓は、四本の脚が、折り畳み式で、老人は、座卓の脚を、折りたたんで、壁に立てかけた。
京子は、思わず、恥ずかしくなって、胸と秘部を、手で覆った。
座卓をはさんで、老人と、向き合っていた時は、座卓によって、下半身は、老人には、見えなかったが、座卓が、取り払われたことによって、亀甲縛りされた、全裸が、老人に、丸見えになってしまったからである。
「ああ。美しい。京子さん。本心を言えば、わしは、あんたを、後ろ手に縛りたい。しかし、自由を奪われると、あんたも、こわいじゃろ。そこでお願いがあるんじゃ」
「はい。何でしょうか?」
「両手を背中に回して、背中で、手と手を握って欲しいんじゃ。そうすれば、後ろ手に縛られた、ポーズになる。わしは、その姿を、ぜひ、見てみたいんじゃ」
「わ、わかりました」
京子は、両手を背中に回し、右手で、左手の手首をつかんだ。
何だか、後ろ手に縛られている、姿を見られているような気がした。
「ああっ。いい姿じゃ。わし。ちんぽさ。おったってきたがな」
老人は、うわずった口調で言った。
京子は、太腿をピッチリ閉じた。
乳房が無防備なのが、恥ずかしかった。
しかし、それが、京子に、マゾヒズムの、ほの甘い、快感を起こしていた。
「毛筆で、あんたの、乳首を、弄んでみたいわ。しかし、わしは、紳士じゃからな。あんたの体に、触れん、と言った、約束は、守らにゃならん」
老人が言った。
「京子さん」
「はい」
「すまんが、畳の上に、うつ伏せになってくれんかの?」
「はい」
京子は、畳の上に、うつ伏せになった。
「京子さん」
「はい」
「もし、よかったら、膝を立てて、くれんかの?」
「はい」
京子は、老人に言われて、膝を立てた。
京子の、大きな尻が、モッコリと、天井に向いて、宙に高く上がった。
老人は、京子の、尻の前に、移動して、胡坐をかいて座った。
「京子さん」
「はい」
「すまんが、膝をもっと開いてくれんかな?」
「はい」
京子は、老人に言われたように、膝を開いた。
「おおー。すごい。尻の割れ目が、パックリ開いとるわ」
「は、恥ずかしいわ」
「安心しんしゃれ。二本の股縄が、しっかりと、股間の谷間に食い込んで、尻の穴も、アソコも、見えんけに」
「は、恥ずかしいわ」
そうは言いつつも、京子は、女の恥ずかしい所を、いやらしい老人に、間近で、見られていることに、被虐の快感を感じていた。
京子は、さらに自分から、膝を、そっと、広げた。
そして、手を、自分から、背中に回し、右手で、左手の手首をつかんだ。
後ろ手に縛られて、尻を高く上げている、屈辱のポーズになった。
(ああっ。いいわっ。おじいさん。うんと見て。私の恥ずかしい姿を)
「ふふふ。言われんとも、見ておるよ。あんたも、とうとう、恥じらいを捨てたな。うんと、マゾの快感を味わうがいい」
老人が言った。
京子は、背中で、右手で、ガッシリと、力強く、左手の手首をつかんだ。
そうすることによって、本当に、後ろ手に、縛られているような感覚を起こすために。
だが、京子は、縄で縛られてはいないが、後ろ手に、縛られているのと、全く同じ感覚を感じていた。
実際に、縄で縛られているか、いないかは、本当は、たいした問題ではない。
なぜなら、縛られて、被虐の快感に浸っている、マゾの女は、縄の、縛りが、緩くても、縄から抜けようとは、思っていないからである。
縛られて、みじめな格好に、されることの、被虐の快感に浸っているのだから、縄は、自分が屈辱的なポーズを保つための、必要な道具に過ぎないのである。
「おじいさん」
「なんじゃね?」
「膝立ちは、ちょっと、疲れてしまいました。横になって休んでも、いいですか?」
京子が聞いた。
「ああ。いいとも。何でも、あんたの好きなようにしんしゃれ」
「有難うございます」
京子は、膝立ちをやめて、畳の上に、うつ伏せに寝た。
高々と上がっていた、京子の、大きな尻が、ペタンと、畳の上に落ちた。
畳の上に、うつ伏せになって、しばし、京子は、休んだ。
その後、京子は、体を、クルリと、回して、仰向けになった。
そして京子は、今度は、仰向けの体勢で、膝を立てた。
仰向けのM字開脚である。
「お、おじいさん。こんどは、この体勢で、私の、恥ずかしい所を見て」
京子は、あられもないことを言った。
もう、京子には、恥じらいは、なく、被虐の快感を貪りたい、だけの気持ちになっていた。
老人は、ニヤリと笑った。
「ああ。いいとも」
そう言って、老人は、また、京子の、股間のすぐ前に胡坐をかいて座った。
老人の目の前には、京子の、恥部が、丸見えになっている。
しかし、二本の、股縄が、京子の、股間に、食い込んでいるので、それが、京子の、恥部、そして、尻の穴を、かろうじて、隠していた。
「ふふ。京子さん。恥ずかしい所が丸見えじゃよ。しかし、股縄があるから、中までは、見えんよ。Tバック、Tフロント、と、同じようなもんじゃな」
老人が言った。
「ああ。おじいさん。うんと見て。私の恥ずかしい所を、うんと見て」
そう言って、京子は、足をいっそう、開いた。
京子は、興奮してきて、腰を畳から、浮かした。
恥ずかしい所を、老人の顔に近づけるように。
「ふふふ。京子さん。恥部から、尻の穴、まで、股間の谷間が、全部、見えるよ」
老人が言った。
「ああっ。いいわっ。おじいさん。うんと見て」
京子は、興奮して叫んだ。
「言われずとも、しっかり見ておるよ。しかし、股間に食い込んでいる股縄が、かろうじて、恥ずかしい所を、隠しているから、安心しんしゃれ」
京子は、老人に、恥ずかしい所を、見られていると思うと、激しく興奮した。
京子の、足の爪には、赤いペディキュアが塗られていた。
「ふふふ。お嬢さん。きれいなペディキュアじゃな。女は、ただでさえ美しい。そして、いつもは、貞淑にしている。その上、女とは、髪の毛から、爪先まで、全身を、美しく見せようと、飾っているのに、こんな、みだらな心も、持っているなんて、不思議なもんじゃな」
老人が呟いた。
「ああっ。いいわっ。もっと、言って」
腰を上げて、踏ん張っているため、京子の大きな尻は、ブルブル、震えていた。
老人は、手鏡を、京子の、股間の前に、かざして置いた。
「ほれ。京子さん。首を起こして、見てみんしゃれ。自分の、恥ずかしい所が見えるけん」
言われて、京子は、首を起こして、股間の前の、手鏡を見た。
恥ずかしい股間が、大きく開かれ、股間の谷間に、股縄が、しっかり食い込んでいるが、はっきり見えた。
「ああー」
京子は、恥ずかしさに、声を出した。
あられもない、自分の恥ずかしい、所を見て、京子は、羞恥の叫び声を上げた。
「ふふふ。京子さん。ハサミで、股縄を切ってもいいかの?」
老人が聞いた。
「い、いいわ」
京子の頭の中は、もう、全てを見られたい、被虐心だけだった。
「それじゃあ・・・」
そう言って、老人は、ハサミを、京子の股縄にかけた。
プチン、と、音がして、京子は、股縄が切れたのが、わかった。
それまで、きつく股間に食い込んでいた、股縄が、なくなって、股間が自由になったのを、京子は、感じた。
それと、同時に、股縄が、なくなって、恥ずかしい所を、全て、老人に、見られていると思うと、京子に、激しいマゾヒズムの興奮が起こった。
「ふふふ。京子さん。アソコも、尻の穴も、全て見えるよ」
老人が京子の、羞恥心を煽るように言った。
「み、見て。うんと、見て」
京子は、あられもないことを叫んだ。
京子の、アソコから、トロリとした、白濁した液体が出始めた。
京子は、左手で、左の、乳房を揉んだり、乳首をコリコリさせながら、右手を股間にもっていき、中指を、女の穴に入れた。
そして、指を前後に動かした。
老人に、見られていることが、京子を激しく興奮させた。
だんだん、クチャクャと、アソコが音をたて出した。
「ああー。いっちゃいそうー」
京子は、叫んだ。
「ふふふ。いきんしゃい。しっかり見ててやるけん」
老人に言葉を、かけられる度に、京子は、老人に、見られている、という恥ずかしい事実を、あらためて感じた。
京子は、指の運動をいっそう、速めた。
「ああー。いくー」
とうとう、京子は、オルガズムに達した。
京子は、しばし、全身をヒクヒク震わせていたが、やがて、パタリと、畳の上に、尻を落とした。
「気持ちよかったかの?」
老人が聞いた。
「ええ」
京子は、答えた。
老人は、京子に、ティッシュペーパーを渡した。
「ほれ。これで、ふきんしゃい」
「有難う」
京子は、ティッシュペーパーで、大量に出た、アソコの、愛液をふいた。
「ゆっくり、休みんしゃい。ところで、股縄を切ってしもうたけん。そうすると亀甲縛り、は、意味ないじゃろ。切ってもいいかの?」
「ええ」
老人は、京子の、亀甲縛り、を、プチン、プチン、と、切っていった。
そして、京子の、体から、縄をとり去った。
京子は、縄のない、文字通りの、一糸まとわぬ、裸になった。
京子は、仰向けに寝たまま、片手で、胸を、片手で、恥部を、覆った。
たとえ、体の隅々まで、見られても、それは、マゾヒズムが高揚した精神状態での、プレイの最中だからであって、プレイが、終わって、精神が、落ち着きを、取り戻すと、また、裸を見られるのは、恥ずかしい、という、羞恥心が起こってきたからである。
京子は、起き上がった。
そして、いそいで、畳の上に、ある、スカートを履き、ブラウスを着た。
「おじいさん。今日は、有難う。感じちゃったわ」
「そうかい。それは、よかったの」
「それと、高い写真集まで、値下げしてくれて、ありがとう」
「いいんじゃよ。わしも、久しぶりに、あんたのような、きれいな、おなごの裸を、間近で、見れて、最高に幸せじゃった、からの」
「おじいさん。また、いつか、来て、今日のような、こと、を、してもらえますか?」
「大歓迎じゃよ」
老人は、京子に紙切れ、に、鉛筆で、サササッと、何か書いて、それを京子に渡した。
「これが、わしの携帯電話の、電話番号と、メールアドレスじゃよ。いつでも、電話してきんしゃい」
老人が言った。
「有難う」
京子は、スマートフォンを取り出して、電話帳に、それを、登録した。
そして、立ち上がって、老人に、値引きしてもらった、写真集、二冊を、カバンに入れて、店を出た。
アパートに帰った京子は、ゴロンと、ベッドに寝た。
被虐の快感の余韻に、京子は、浸った。
何度も、繰り返し、老人にされた、恥ずかしいことを思い出した。
その晩は、マゾの陶酔で、なかなか、寝つけなかった。

翌日になった。
一晩、眠ったら、もう、官能の余韻はさめていた。
京子は、また、机に向かって、大学の勉強を始めた。
(自分の本来の本当の目的は、自分が何をなすために、生きているのか、ということを知る、ということであり、SMは、動物の宿命として、起こる、単なる性欲の処理に過ぎない)
と、京子は、自分に、言い聞かせた。
し、それは、その通りだった。
しかし、日が経つにつれ、またぞろ、被虐の官能が起こってきた。
京子は、ある、ネットのエロサイトで、いやらしい動画を見つけた。
「くいこみ股縄女剣士5 淫獄の見世物女郎」、というタイトルのSM動画で、AV女優は上原亜衣だった。
それは、ピンと、張られた、縄、を、裸にされた女が、またがされ、歩かされている動画だった。
女は、後ろ手に縛られている。
倒れてしまえば、その淫卑な拷問からは、逃れることが出来る。
しかし、男が、二人、女の近くにいて、女を監視しているため、女は、男の命令に逆らうことが出来ない。
縄には、20cmくらいの間隔で、瘤が、作られている。
「さあ。歩け」
と、男に言われて、女は、
「はい」
と、おとなしく、返事して、瘤、の、縄を、歩いた。
縄が、かなり高く、張られているため、女の股間に、激しく、縄が食い込んだ。
女は、股間に食い込んでくる、縄から、何とか、食い込む、度合いを、減らそうと、爪先立ちになって、歩いた。
しかし、それは、ほとんど、食い込む、度合いを、軽減する、効果がなかった。
女は、男の命令で、仕方なく、ゆっくり、歩いた。
意地悪な、縄のこぶ、が、女の、股間に、近づいてきた。
しかし、歩くのを、やめるわけには、いかない。
こぶは、やがて、女の、股間の土手に、当たり、閉じられた、女の、股間の割れ目の中に、意地悪く入っていった。
あたかも、女の、股間が、瘤を飲み込んでいるかのようだった。
「ああっ」
女は、切ない、喘ぎ声を出した。
無理もない。
縄の瘤が、女の陰核を擦り、女の敏感な、股間の谷間を擦っていくのである。
逃げたくても、どうしようもない。
そして、やがて、瘤は、女の、尻の割れ目から、姿を出した。
縄は、女の尻の割れ目に、しっかり、食い込んでいる。
一難、去って、ほっとしたのも、束の間だった。
男は、
「さあ。休まず、歩け」
と、女に命令した。女は、
「はい」
と、素直に返事して、歩き出した。
すると、また、すぐに、次の、縄の瘤が、近づいてきて、同じように、女を、苦しませ、悩ませた。
女は、とうとう、耐えきれなくなって、
「も、もう。許して下さい」
と、泣きながら、二人の責め手の男に、哀願したが、二人の男は、ニヤニヤ笑って、女が、苦しむのを、楽しんで、女に、情けをかけて、拷問を、許してやろうという、様子など、全くない。
という、責めの、SMビデオだった。
京子は、その、縄の綱渡りの、拷問を、何度も繰り返して、見た。
どうしても、見ずには、いられなかった。
京子は、動画を見ているうちに、だんだん、興奮してきて、ハアハアと、息が荒くなってきた。
京子は、股間に手をやって、揉んだ。
一度、火がついた、女の性欲は、止めようがなかった。
京子は、押入れにしまってある、縄を取り出した。
そして、一本の、太めの麻縄を、取り出すと、縄の、真ん中に、動画のように、縄を撚って瘤を一つ、つくった。
京子の興奮は、もう、抑えようがなかった。
京子は、パジャマを、脱ぎ、パンティーも、脱いで、一糸まとわぬ、丸裸になった。
そして、立ち上がった。
京子は、瘤のある縄を、股間に通した。
そして、右手で、股間の前に出ている縄を、つかみ、左手で、尻の後ろの、縄を、つかんだ。
そして、縄を、強く引っ張った。
縄が、股間に食い込んだ。
その感触に、京子は、
「ああっ」
と、喘ぎ声を出した。
そして、瘤のある縄を、ゆっくりと、前後に動かした。
瘤が、股間に入ると、瘤の膨らみが、女の、敏感な、股間を、陰核から、尻の割れ目まで、意地悪く、刺激した。
「ああっ」
京子は、被虐の快感に、喘ぎ声を上げた。
京子は、等身大の、姿見の鏡の前に、立って、みじめな、自分の、姿を見ながら、股間の、縄の綱引きをした。
まずは、鏡の正面を見た。
女の大陰唇が、ピッタリ閉じ、縄を完全に、挟み込んでいた。
とても、いやらしい姿だった。
次に、京子は、鏡を背にした。
そして、頭を後ろに向けて、背後の自分の姿を見た。
「ああっ」
京子は、思わず、声を出した。
縄が、尻の割れ目に、挟まって、割れ目の、上の方から、出ていた。
みじめ極まりない姿だった。
こんな、みじめなことを、自分の意志ではなく、動画のように、いやらしい、意地悪な、男たちに、寄ってたかって、裸にされ、後ろ手に縛られて、多くの、いやらしい男たちに、見られながら、「さあ。歩け」、と命令されながら、歩かされたら、どんなに、気持ちいいだろうかと、京子は、思った。
あまり、一人で、オナニーしていると、刺激に慣れてくることを、おそれて、京子は、オナニーをやめ、パンティーを履いて、パジャマを着た。
京子は、スマートフォンを手にとって、老人、に、電話した。
発信者番号通知に、設定して。
「もしもし。おじいさん。京子です」
京子が言った。
「もしもし。京子さんかね。何の用じゃね?」
老人が聞いた。
「おじいさん。興奮して眠れないの。何とかして。お願い」
京子は、訴えるように言った。
「どうしたんじゃね?」
老人が聞いた。
「おじいさん。女の綱渡り、って、拷問、知ってる?」
京子が聞いた。
「ああ。知ってるとも。縄を水平にピンと、張って、それを女にまたがせて、歩かせるんじゃろ」
老人が言った。
「そうなの。私。その、動画を見ているうちに、何だか、ムラムラしちゃって。もう、我慢できないの」
京子は、感情を込めて言った。
「そうかえ。じゃあ、やってあげるけん。いつがいいかの?」
老人が聞いた。
「明日。お願いしてもいい?」
京子が聞いた。
「ああ。いいとも」
老人が言った。
「わかったわ。じゃあ。明日、やってね」
京子は、感情を込めて言った。
「ああ。わかったけん。今日は、もう、おそいけに。ぐっすり、眠りんしゃい」
そう言って、老人は、電話を切った。
これで、明日、丸裸で、股の、綱渡りの拷問を、させられると、思うと、京子は、興奮して、なかなか、寝つけなかった。

翌日になった。
昨夜は、なかなか、寝つけなかったが、眠りに入ってからは、熟睡できた。
京子は、大きく、欠伸をして、手を伸ばした。
一晩、眠ってしまうと、昨日の、興奮が、ウソのように、なくなっていた。
興奮して、体を駆け巡った、ノルアドレナリンが、寝ている間に、すっかり、引いてしまったのだろう。
京子は、もう、別に、つらくないため、老人に電話して、「今日は、いいです。やっぱり、治りました」と、電話しようかと、思った。
ともかく、トーストと、紅茶の軽い朝食を食べた。
自分が、あんなことを、薄汚い老人に、頼んだかと思うと、自分に、嫌気がさした。
京子は、机に向かって、大学の勉強をしてみた。
しかし、途中で、わからないことが、出てきて、いくら考えても、わからなくなった。
それで、勉強を投げ出して、ベッドにゴロンと、横になった。
日が、だんだん、高くなって、それによって、活気が出てきた。
京子の手は、昨日の、アダルトビデオを、何の気なしに、出していた。
見ているうちに、だんだん、興奮してきた。
自然と、股間に手が行って、股間を揉んでいた。
何度も、繰り返し、見ているうちに、またぞろ、京子の、マゾの欲求が高まってきた。
男と違い、女は、全身が性感帯である。
乳房を揉み、乳首をつまんだり、股間を揉んだりしているうちに、京子の、マゾの欲求は、どんどん、高まっていった。
縄の綱渡り、という卑猥、極まりない拷問。
それを、空想ではなく、実際に、体験し、恥の極致を、見られたい、という、マゾの願望が、動画を見ているうちに、起こってきた。
京子は、だんだん、ハアハアと、喘ぎ出した。
(も、もう、我慢できない)
(みじめの極致を味わいたい)
と、京子は、思った。
京子は、片手で、股間を揉みながら、ハアハアと、息を荒くしながら、老人に電話した。
「お、おじさいん。今から、行ってもいいですか?」
と、京子は、声を震わせながら言った。
「ああ。準備は、出来とるけん。いつでも来んしゃい」
と、老人は言った。
「じゃあ。今から行くわ」
京子は言った。
京子は、白のブラジャーに、白の、パンティーをはいて、青いブラウスと、白いフレアースカートを履いた。
下着は、露出度の大きいものではなく、ごく普通の、尻が全部、すっぽりと、収まる、のを履いた。
女が、セクシーさを、アピールすると、かえって、男の性欲を無くしてしまうものである。
嫌がる女を強引に裸にして、女の苦しむ表情を見るのが、サディストの性欲をかきたてるのである。
京子は、そういう男の心理や、演出は、心得ていた。
そして、京子は、真っ赤な、マニキュアと、ペディキュアを、手と足の爪に丁寧に塗った。
用意は万端になった。
京子は、アパートを出た。
最寄りの東中野駅から、総武線に乗り、水道橋で降りた。
駅から駅までは、20分だった。
老人の家の玄関の前に立つと、さすがに、緊張してきて、心臓の鼓動が速くなった。
しかし京子は、勇気を出して、チャイムを押した。
ピンポーン。
家の中で、チャイムの音が、鳴るのが聞こえた。
「はいはい」
老人の声が、聞こえた。
ガラリと、戸が開いた。
老人が姿をあらわした。
老人は、京子を見ると、いやらしく、ニヤリと、笑った。
「よう、来んしゃったな。さあ。入りんしゃい」
老人が言った。
「お邪魔します」
京子は、礼儀正しく挨拶した。
そして、老人の家の中に入っていった。
割と大きな部屋に、京子は、入って、正座した。
「ちょっと、待ってんしゃい。お茶を持ってくるけん」
そう言って、老人は、部屋を出た。
そして、すぐに、老人は、湯呑み茶碗をもって、もどってきた。
「さあ。飲みんしゃい」
老人は、京子に、茶を差し出した。
「ありがとうございます。頂きます」
そう言って、京子は、茶を飲んだ。
「あ、あの。昨日、夜中に、突然、お電話してしまって申し訳ありませんでした」
京子は、礼儀正しく言った。
「いいんじゃて。わしにとって、あんたは、生きた女神じゃけん。何も遠慮せんかてええ」
老人は言った。
「ありがとうございます」
京子は、女神とまで、言われて、顔を赤らめた。
「ふふふ。ほんに美しい。まるで、美しいお人形のようじゃの。いくら、見ていても、見飽きることがないわ。見ているだけで、わしは、幸せじゃけん。わしは、出来ることなら、いつまでも、こうして、あんたを見ていたいけん」
最高の賛辞に、京子は、頬を火照らせた。
同時に、老人の、いやらしい視線を、京子は、感じとって、恥ずかしくなった。
「こうして、きれいに、服を着ている、美しい女子が、これから、世にも、恥ずかしい姿にされて、責められるかと思うと、興奮して、仕方がないわ」
老人の、いやらしい言葉は、京子の羞恥心を瞬時に刺激した。
京子の全身が、ピクッと、震えた。
「わ、私も、そうです。すごく、興奮しています。そして、すごく、怖いです。ですけれど、その、怖さに、興奮してしまうんです」
京子は、声を震わせて言った。
「なあ。京子さん」
「はい」
「今日は、縄の綱渡り、で、責めて欲しいんじゃろ」
「は、はい」
京子は、そんな、あられもないことを、頼んだことを、思い出して、激しい羞恥心のため、耳朶まで、真っ赤になった。
「昨夜、あんたから、電話があって、久々に、あんたの裸を、見れると、わかって、わしは、昨夜から、興奮しっぱなし、だったんじゃ」
「・・・・」
京子は、恥ずかしくて、何も、言えなかった。
「とこで、わし一人で、あんたを責めて、あんたの、被虐心を、満足させる、というのも、いいが、もっと、あんたの、被虐心を、十分に、満足させる、方法を思いついたんじゃ。あんたさえ、よければ、その方法で、やってみんかの?」
老人は、茶を啜りながら言った。
「一体、どういう方法なんでしょうか?」
京子には、老人が思いついたという方法が、さっぱり、想像がつかなくて、身を乗り出して聞いた。
「つまり、お互いに、了解しあって、わしが、あんたを責め、あんたが、わしに責められるんじゃなくて、本当に、あんたが、責められる、という方法じゃよ」
老人は、茶を啜りながら、おもむろに言った。
「一体、何をするんでしょうか?」
老人の言うことが、抽象的で、京子は、さっぱり、わからなかった。
「あんたが、本を万引きした、ということに、するんじゃよ。それに気づいて、わしは、あんたを、捕まえた、ということにするんじゃ。あんたを、どうするか、相談するために、わしは、電話して、数人の、わしの仲間の老人達を呼ぶ。そして、警察に通報するのは、勘弁してやる代わりに、罰として、あんたを責める、という方法じゃ。どうかの?」
京子は、興奮して、胸がゾクゾクした。
「わ、わかりました。その方法で、お願いします」
京子は言った。
「あんたは、実際には、万引きしていないが、万引きして、捕まった役を、しっかり、やるんじゃよ」
老人は、念を押した。
「は、はい」
京子はキッパリと言った。
「よし。それじゃあ。仲間に連絡するけん」
老人は、そういうと、携帯電話を取り出して、どこかへかけた。
しばしして、相手とつながった。
「もしもし。田吾作か?」
「おう。そうだ。権蔵。何の用だ?」
電話の相手が言った。
「おう。田吾作。ちょっとな。大事な用があるんじゃ。お前に相談したいんだ。来てくれないか?お前意外にも、銀次と、弥助と、権兵衛と、仁太にも、来てもらうよう頼むけん」
老人が言った。
「相談したい用って、一体、何じゃ?」
電話の相手が聞いた。
「それは、来たら教える。来てくれるかの?」
老人が言った。
「おう。何の用かは、わからないが、ともかく行くわ」
電話の相手が言った。
田吾作という、一人の仲間にかけると、老人は、次に。銀次という、老人に、同じ内容の電話をかけた。
そして、弥助、権兵衛、仁太、という老人にも、同じ内容の電話をかけた。
五人の老人に、電話をかけると、権蔵は、携帯電話を切った。
そして京子に、振り向いた。
「さあ。京子さん。もうすぐ、五人の老人が、来るけに。彼らには、あんたを、本当の、万引き犯と、言うけに。あんたは、本当の、万引き犯を、演技するんじゃよ」
と、権蔵は言った。
「は、はい」
京子は、素直に言った。
やがて、30分、くらいして、家の前に、キキーと、車が、止まる音が聞こえた。
五人の老人が、のっそりと、部屋に入ってきた。
「よう。権蔵。わしが、みんなに、連絡して、タクシーで来たけん」
弥吉が言った。
「わしらに、相談したい用って、一体、何じゃ?」
別の老人が聞いた。
「まあ、座りんしゃい」
権蔵は、なだめるように、言った。
言われて、五人の老人が、畳に、胡坐をかいて座った。
老人達の視線は、すぐに、部屋の隅で、正座して、さびしそうに、うつむいている、京子に向かった。
「めんこい女子(おなご)じゃのう。一体、誰じゃ?」
別の一人の老人が、権蔵に聞いた。
「この子は、佐々木京子という名前の女じゃ。相談というのは、この女子(おなご)についてなんじゃ。じつは、この女子は、店の本を万引きしての。わしが、捕まえたんじゃ。それで、この女子をどうしたらいいか、相談したいと思って、皆を呼んだんじゃ」
権蔵が言った。
「ほう。人は見かけによらんのう。こんな、めんこい女子が、万引きするとは」
「しかし、よう捕まえられたのう。逃げようとは、せんかったのか?」
「この女子(おなご)は、以前から、この店に時々、来て、何も買わずに店を出て行くことが、度々、あったんじゃよ。わしは、あやしいと思った。それで、今日、さりげなく、彼女の行動を横目で、監視していたんじゃよ。彼女が、そっとハンドバックに、本を入れるのを、わしは見つけたんじゃ。彼女が、店から、出ようとした時、わしは、彼女のハンドバッグを、ひったくって、店の奥の、家の中に、駆け込んだんじゃ。そして、鍵をかけたんじゃ。彼女のハンドバッグの中には、未会計の、本と、財布があっての。財布の中には、携帯電話やら、運転免許証があっての。住所がわかってしまったから、逃げられはせんのじゃ。だから、こうして、おとなしくしているんじゃよ」
「なるほど。そうだったんかい」
「人は見かけによらんのう。こんな、めんこい女子が、万引きするなんて」
「万引きするのは、必ずしも、金がないからじゃないんじゃ。万引きの、スリルが楽しいんじゃよ。一度、万引きの、スリルの味を、しめてしまうと、やめられなくなってしまうもんじゃよ」
そう言って、権蔵は、茶をズズズーと、啜った。
そして、老人達を見た。
「さて。皆に、来てもらったのは、この女子の処分じゃ。どうしたら、いいと思うかの?」
権蔵が皆に聞いた。
「そりゃー。警察に通報して、警察に引き渡すべきじゃろ」
「そうじゃ」
「そうじゃ」
皆、その意見に賛成した。
「ああ。わしも、もちろん、そうしようかとも思った。しかし、彼女は、それだけは、やめて欲しい、と、泣いて、わしに、頼んだんじゃ。彼女も、若くて、将来のある身じゃ。警察に引き渡すのは、可哀想に思えてきたんじゃ。前科一犯になってしまうからの。そこで、わしらの前で、誠心誠意、わび、させて、今後、二度と、万引きをしないように、教育してやった方が、いいんじゃないか、と思うようになったんじゃ。みんな、どうかな。わしの考えを、どう思う?」
「おお。そうじゃな」
「うむ。それがよろかう」
皆、権蔵の意見に賛成した。
「よし。じゃあ、決まりじゃ」
「お譲さん。皆の見ている前で、万引きしたことを、謝りんしゃい」
そう言って、権蔵は、京子を見た。
京子は、内心、なるほど、こうすれば、みじめになれるな、と思った。
「おじいさん。万引きしてしまって、ごめんなさい」
そう言って、京子は、権蔵に向かって、両手をついて、深々と頭を下げた。
京子は、老人達の、いやらしい視線を感じていた。
「こんな、めんこい子が万引きするとはな」
弥吉が言った。
「ふふふ。この子は、今まで、何度も、万引きしておった常習犯なんじゃよ。この子のためにも、今日、ここで、こってり、懲らしめて、やらんとな」
権蔵が言った。
「ほう。常習犯なんか?」
「ああ。そうじゃ。今まで、この子は、よく店に来てな。この子が、帰った後、必ず、本がなくなっていたんじゃ。女子が、こんな、SM写真集ばかりを置いてある店に、なぜ、来るのか不思議じゃったんじゃ。しかし、ここの本は、昭和50年代から、平成の初めの頃の、旧き良き時代のSM写真集ばかりじゃ。全ての本は、絶版になっているか、出版社が潰れていて、手に入らん物ばかりじゃ。だから、一冊、二万円と、値段も高くしてある。それでも買う客はいる。そこに目をつけたんじゃろ。二万円の価値のある本を万引きして、ネットで、その値段で売っていたんじゃろ。最近、それに気づいてな。そうして、今日、とっ捕まえたんじゃ。そうじゃろ。あんた?」
権蔵が厳しい口調で言った。
「は、はい。そうです。ごめんなさい」
京子は、全面的に罪を認めた。
「じゃあ、罰として、わしの言うことを、何でも聞くか。そうしたら、警察には、言わんでやるわ?」
「は、はい」
「よし。じゃあ、仕置きじゃ。まず。着ている服を脱ぎんしゃい」
「は、はい」
京子は、手を震わせながら、紺色のブラウスを脱いだ。
ふくよかな胸を収めて、盛り上がっている、白いブラジャーが、露わになった。
京子は、恥ずかしそうに、ブラジャーの上に手を当てて、胸を押さえた。
「ほー。色っぽい胸べな」
老人の一人が言った。
「さあ。スカートも脱ぎんしゃい」
権蔵の厳しい叱責が、唾と共に飛んだ。
「は、はい」
京子は、立ち上がって、おそるおそる、スカートを脱いだ。
女の大きな尻を収め、股間を形よく整えて、女の腰に貼り付いている、まばゆいほど清楚な白いパンティーが、初々しく現れた。
京子は、ブラジャーと、パンティーだけ、という姿で立っている。
美しいプロポーションに、老人達は、「ほー」、と、唸った。
京子は、羞恥心から、ブラジャーと、パンティーを押さえ、顔を赤らめた。
京子は老人達の、いやらしい視線を感じとった。
権蔵は、京子の前に座った。
そして、巻尺で、京子の、股下の長さ、を計った。
「ふむ。71cmじゃな」
権蔵は、独り言のように、つぶやいた。
京子は、何のために、股下を計られるのか、分からす、困惑した。
「さあ。下着の上も下も全部、脱いで、丸裸になりんしゃい」
権蔵の厳しい叱責が飛んだ。
「は、はい」
京子は、おそるおそる、ブラジャーを取り外した。
ふくよかな乳房が弾け出た。
京子は、胸に手を当てて困惑している。
「さあ。とっとと、パンティーも脱ぎんしゃい」
権蔵が厳しく言った。
「は、はい」
京子は、弱々しく返事した。
そして京子は、パンティーも、脱いだ。
これで京子は、一糸まとわぬ丸裸になった。
京子は座り込み、正座して、乳房と股間を手で、押さえた。
しかし、京子は、老人達に、丸裸を見られていることに、被虐の快感を感じていた。
(ああ。みじめで気持ちいいわ)
権蔵が京子の背後に回った。
そして、京子の、両手をつかむと、グイと、背後に回した。
「ああっ。何をするの?」
権蔵は、京子の、訴えを無視して、背中の真ん中で、手首を縛った。
これでもう、京子は、乳房も、股間も隠せなくなった。
「ふふ。この子にふさわしい罰をしてやるけん」
そう言って、権蔵は立ち上がった。
そして部屋の一方の、壁へ行った。
そして、壁の、床から、1m20cmの高さの所に、留め金を取り付けた。
そして、今度は、反対側の壁へ行き、同じように、床から、1m20cmの高さの所に、留め金を取り付けた。
「何をする気じゃ?」
老人の一人が聞いた。
「この子にふさわしい罰じゃよ」
そう言って、権蔵は、長い、麻縄を取り出した。
それは、ただの縄ではなく、30cmくらいの間隔で、縄が縒られて、等間隔に縄の瘤が、たくさんある、縄だった。
権蔵は、その縄を、床に、一直線に置いた。
そして、権蔵は、縄の片方を、部屋の一方の壁、の留め金に、カッチリと結びつけた。
そして、今度は、反対側の壁へ行き、同様に、留め金に、もう一方の縄を、ひっかけた。
そして、縄を、思い切り引き絞ってから、留め金に、カッチリと結びつけた。
瘤が、たくさんある、縄が、水平に、一直線に、ピンと張った。
「ふふふ。お嬢さん。この縄を跨ぎんしゃい」
権蔵が言った。
「な、何をするの?」
丸裸で、後ろ手に縛られている京子は、オドオドしている。
「いいから、跨ぐんじゃ」
そう言って、権蔵は、強引に、京子に、縄を跨がせた。
「ああー」
京子は、悲鳴を上げた。
縄が、京子の股間に、激しく、食い込んだからだ。
京子の、股間は、縄を挟み込む形になってしまっている。
京子は、爪先立ちになった。
何とか、縄が股間に食い込む度合いを、少なくしようとして。
しかし、それは、虚しい努力だった。
爪先立ちになっても、股間には、容赦なく、縄が、深く食い込んでいる。
身長160cmの京子の股下は、71cmである。
しかるに、ピンと張った縄の高さは、1m20cmである。
両側の壁に取り付けられている留め金の位置は、京子のウェストの位置より、ずっと高い。
「ふふふ。これが、あんたの罰じゃ」
権蔵は居丈高に言った。
「おおっ」
老人達は、一斉に大きな声を出した。
「ああー」
京子は、苦しげな声を出した。
「ふふふ。どうじゃな。縄が股に食い込む感覚は?」
権蔵が聞いた。
「み、みじめです。は、恥ずかしいです」
京子は、顔を真っ赤にして言った。
意地悪な縄は、前の、マンコの割れ目にも、後ろの、尻の割れ目にも、激しく食い込んでいる。
後ろ手に縛られているため、京子は胸を隠すことが出来ず、大きな乳房は丸見えである。
縄が股間に深く、食い込んでいるため、尻の割れ目は閉じていて、まるで尻が、縄を挟み込んでいるようにも、見える。
「ふふふ。どうじゃな。今の気持ちは?」
「は、恥ずかしいです」
「ふふふ。そうじゃろうて。しかし、これで終わりと思ったら、大間違いじゃけん」
そう言って、権蔵は、京子の、ムッチリした尻を、細い竹の棒で、ピシャリと叩いた。
「さあ。歩きんしゃい」
言われて、京子は、不安げな表情で、ゆっくりと歩き出した。
「ああっ」
京子は、切ない顔で、喘ぎ声を出した。
歩くことによって、縄が、京子の、股間を、意地悪く、擦ったからだ。
老人達の、視線が、縄が、食い込んでいる、京子の、股間に、集まった。
「おおっ。すごい。色っぽいべな」
そう言って、老人達は、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
京子は、一糸まとわぬ丸裸なので、大きな、乳房も、乳首も、恥部も、尻も、丸見えである。
しかも、両手を後ろ手に縛られているので、乳房も尻も、恥部も手で隠すことは出来ない。
全裸でも、手が縛られていないのなら、片手で、胸を隠し、片手で、恥部を隠せるが、それも出来ない。
京子は、老人達の視線が、自分の、自分の体、の、あらゆる部分を凝視しているんだと、思うと、激しい羞恥心が起こって、顔が真っ赤になった。
ピンと張った縄が、股間に深く、食い込んでいる姿は、極めて、みじめで、いやらしい。
しかし、その、みじめな自分の姿を、多くの老人達に、見られていることを、意識することによって、京子は、とろけるような、この上ない、甘美な、被虐の快感を感じていた。
(もっと見て。私の、みじめな姿をもっと見て)
京子は、心の中で、そう叫んだ。
「さあ。歩きんしゃい」
権蔵は、命令的な口調で、京子の、ムッチリした、尻を細い竹の棒で、ピシャリと叩いた。
言われて、京子は、足をプルプル震わせながら、足を前に進めた。
少しでも、前に進むと、縄が、女の陰部の割れ目を擦った。
京子は、
「ああっ」
と、切ない喘ぎ声を出した。
とうとう、縄の所々に作ってある、最初の縄の瘤、が近づいてきた。
瘤が、彼女の、恥部に触れた。
彼女の全身が、ピクンと震えた。
それを感じとって、彼女は、前に進むのを、ためらってしまって、立ち止まってしまった。
しかし、それを、権蔵は、許さなかった。
「さあ。とっとと、歩きんしゃい」
そう言って、権蔵は、京子の、ムッチリした、尻を細い竹の棒で、ピシャリと叩いた。
「は、はい」
言われて、京子は、不安げな表情で、爪先立ちで、ゆっくりと歩き出した。
「ああっ」
京子は、切ない顔で、ひときわ大きな、喘ぎ声を出して、全身をくねらせた。
なぜなら、ただでさえ、ピンと張られて、女の股間に、深く食い込んでいる、縄は、女が歩く度に、女の敏感な股間を、意地悪く擦って刺激するのに、縄の瘤は、一際、強く、女の敏感な股間を、前から、後ろへと、擦っていくからである。
「ああー」
京子は、足をモジつかせて、進んでいった。
「ふふふ。どうじゃな。瘤の感触は?」
権蔵が、薄ら笑いを、浮かべて、言った。
「つ、つらいです。も、もう、許して下さい」
京子は、全身を震わせて、目に涙を浮かべて、訴えた。
しかし、京子は、心の中では、意地悪な、瘤が、京子の股間を、擦る感覚と、その恥ずかしい姿を見られている、ことに、被虐の酩酊を感じていた。
(もっと見て。私の、みじめな姿をもっと見て)
京子は、うわべの演技とは反対に、心の中で、そう叫んだ。
しかし、うわべは、本当に、万引きして、それが見つかって、折檻されている、みじめな女を演じた。
「も、もう、我慢できん」
一人の老人が、京子に近づいて、京子の体を触ろうと、手を伸ばした。
すると。
「ダメじゃ。触れてはならん」
と、権蔵が、厳しく制した。
「どうしてじゃ?」
止められた老人が聞いた。
「これは、この女子(おなご)の折檻じゃ。女子を、裸の晒し者にして、皆の前で、懲らしめるのが、目的じゃ。女子に触れて、女子の、柔肌の温もりを、わしらが楽しんでは、いかんのじゃ」
そう、権蔵は厳しく言った。
「そうか。わかった」
老人は、納得して元の場所にもどった。
「しかし、ムッチリとした尻じゃな」
「乳房も、ぶっくりと膨らんでいて、太腿も、髪も、女子の体、全てが、色っぽい、べな」
「わし。チンポさ。おっ立ってきたわ」
「わしもじゃ」
「わしもじゃ」
そう言いながら、老人達は、勃起した、マラを、服の上から、揉み出した。
そういう老人達の、言葉が、京子に、自分が丸裸で、みじめに、責められている姿を、見られている、という、意識を、京子に、あらためて、覚醒させ、京子の、被虐の快感は激しく高ぶった。
(ああ。見て。もっと見て。私の、みじめな姿をもっと見て)
京子は、心の中で、そう叫んだ。
しかし、うわべは、本当に、万引きして、それが見つかって、折檻されている、みじめな女の役を演じた。
「さあ。とっとと、歩きんしゃい」
そう言って、権蔵は、最初の、縄の瘤を、通り過ぎた、京子の、ムッチリした、尻を細い竹の棒で、ピシャリと叩いた。
「は、はい」
言われて、京子は、不安げな表情で、ゆっくりと歩き出した。
そうして、京子は、二番目、三番目、の、縄の瘤、を通り過ぎていった。
縄の瘤、を、通り過ぎる度に、京子は、
「ああっ」
と、苦しげに、喘ぎ声を出して、体を震わせた。
「おお。若い、美しい女子(おなご)が、みじめに、苦しむ、姿は、美しゅうて、哀愁があって、何とも言えぬ、この世で最高の、光景じゃのう」
「おお。そうじゃな」
「そうじゃ。そうじゃ」
老人達は、口々に、興奮しながら、そう言った。
そういう老人達の言葉の、一つ、一つ、が、京子のマゾの感情に火を点け、京子は、激しい、マゾの快感に陶酔した。
(ああ。見て。もっと見て。私の、みじめな姿をもっと見て)
京子は、心の中で、そう叫んだ。
「さあ。とっとと、歩きんしゃい。壁に体が触れるまで歩きんしゃい」
そう言って、権蔵は、京子の、ムッチリした、尻を細い竹の棒で、ピシャリと叩いた。
「は、はい」
京子は、縄の瘤を通過する度に、「ああっ」、と、喘ぎ声を出しながら、ゆっくりと歩いていった。
周りの老人達の、いやらしい視線が、自分の尻に集まっているのを感じながら。
そして。とうとう、京子の体は、壁に着いた。
京子は、疲れで、ハアハア、肩で息をしていた。
「ふふ。ようついたの。これで、綱渡りは勘弁してやるけん」
そう言うと、権蔵は、京子の後ろの壁の、留め金に、結んであった、縄を解いた。
ピンと、張っていた、仕置きの縄が、一気に緩み、床に落ちた。
「あ、ありがとうございます。おじいさん」
そう言うや、京子は、恥ずかしさ、と、疲れで、クナクナと、後ろ手の丸裸のまま、床に座り込もうとした。
「ふふふ。これで、終わりと思ったら、大間違いじゃけん」
権蔵は意味ありげな口調で言った。
「座っては、ダメじゃ。立ったままで、いんしゃい」
そう言って、老人は、京子の、ムッチリした尻を細い竹の棒で、ピシャリと叩いた。
言われて、京子は、丸裸を見られる、恥ずかしさに、耐えながら、また、立ち上がった。
権蔵は、京子が進んでいって、到達した前方の壁の留め金に結んである縄も解いた。
京子をいじめていた、瘤のある縄は、張力を失って、床の上に一直線に置かれた。
権蔵は、京子の片足を上げて、左右の足の間に、瘤のある縄を跨がせた。
「おい。田吾作。銀次。ちょっと、こっちへ来い」
権蔵は、二人の老人を見て言った。
言われた二人の老人は、「ほいきた」、と、ホクホクした顔で立ち上がった。
「田吾作。お前は、女子の前に立て」
言われて、田吾作は、京子の前に立った。
「銀次。お前は、女子の後ろに立て」
言われて、銀次は、京子の後ろに立った。
京子を挟むように、京子の、前と後ろに、二人の老人が、立った。
「おい。田吾作。銀次。床にある縄をつかめ」
権蔵が言った。
「おう。わかった」
田吾作と銀次の二人は、床にある縄をつかんだ。
「な、何をするの?」
京子は、脅えた顔で権蔵を見た。
だが、権蔵は、京子の質問に答えない。
「田吾作。銀次。二人で、思い切り、縄を引っ張るんじゃ」
権蔵が大きな声で言った。
「おう。わかったけん」
田吾作と銀次は、権蔵の、意を解した。
二人ともニヤリと笑った。
京子も、権蔵の意図が、わかって、顔が、真っ青になった。
「や、やめてー」
京子は、叫んだか、田吾作と、銀次の二人は、やめない。
二人は、互いに、縄を自分の方に、強く引っ張っていった。
縄は、また、京子の、股間に食い込んでいった。
「よし。田吾作。銀次。二人で、縄を引きあうんじゃ」
権蔵が言った。
「おい。銀次。縄の綱引きじゃ。わしが、引く時は、お前は、力を緩めろ。その次は、お前が引け。わしは、力を緩めるけん」
田吾作は、京子の、後ろで、縄を握っている、銀次に言った。
「おう。わかったけん」
そう言って、銀次は、ニヤリと笑った。
二人は、縄の綱引きを始めた。
田吾作が、「えいさっ」、と、掛け声をかけて、縄を引っ張ると、次には、京子の、後ろの、銀次が、「ほいさっ」、と、掛け声をかけて、二人は、巨木を切る木こりのように、代わりばんこに、縄を引っ張りあった。京子は、
「ああー。やめてー」
と、叫び声を出した。
無理もない。
二人が、縄を引っ張る度に、京子の、股間は、激しく縄に擦られたからだ。
しかも、縄の瘤、が、歩いていた時とは、比べものにならないほど、速い頻度で、京子の、股間を、擦っていった。
「ああー。やめてー」
京子は、髪を振り乱して、許しを乞うた。
「ふふふ。この責めは、何とも、面白いの」
田吾作が、ほくそ笑みながら言った。
「おおー。めんこい女子が、こんなふうに、いじめられる姿は、最高じゃのう」
「ほんま。そうやな」
老人達が言った。
二人は、10分くらい、縄の綱引きをした。
「お願いです。もう許して下さい」
京子は、激しく身悶えしながら、訴えた。
「そうか。女子の、一番、大切な所が、傷ついては、可哀想じゃからな。このくらいで、やめてやるとするか」
権蔵は、そう言って、田吾作と銀次に向かって、
「おーい。もう、そろそろ、終わりじゃ」
と、声を掛けた。
「おう。わかったぞな」
そう言って、二人は、縄の綱引きを、やめた。
二人が、引っ張っていた縄を緩めると、京子は、クナクナと座り込んだ。
京子は、座ることは出来たものの、後ろ手に縛られている。
なので、丸見えの、乳房を隠すことが出来ない。
「よし。このくらいで、許してやるべか」
そう言って、権蔵は、京子の、後ろ手の縄を解いた。
「あ、ありがとうございます」
京子は、自由になった手で、露出していた乳房に手を当てて隠した。
権蔵は、床に散らばっている、京子の、下着と、服を集めた。
「ほら。服を着んしゃい」
そう言って、権蔵は、服を、京子に渡した。
権蔵は、老人達の方を見た。
「おい。お前たち。女子の着替えを見るのは失礼じゃろ。彼女も、恥ずかしかろう。後ろを向け」
権蔵は、老人達に、そう言った。
「ああ。わかったぞな」
そう言って、老人達は、クルリと、体を反転して、後ろを向いた。
「さあ。お嬢さん。服を着るべな」
権蔵が言った。
「はい」
京子は、急いで、服を着た。
パンティーを、足にくぐらせて、腰まで引き上げた。
そして、次に、ブラジャーを着けた。
そして、スカートを履いて、最後に、ブラウスを着た。
これで、完全に、京子は、元の姿にもどった。
そして、京子は、畳の上に、正座して座った。
「おい。お前たち。もう、こっちを向いてもいいぞ」
権蔵が、老人達に言った。
言われて、老人達は、クルリと、体を反転させた。
「おおっ」
老人達は、一斉に、大きな声を出した。
今まで、あられもない、みじめな、丸裸だった姿が、清楚な姿の女にもどっていたからである。
今まで、あられもない丸裸で、責められて、喘いでいた女と、一瞬のうちに、清楚な女性の姿に、転身している彼女が、本当に同一の女なのか、という錯覚が起こり、また、今までの出来事が、一瞬のうちに、夢の出来事のように思われてきて、そして、もう、これからは、彼女の裸を見ることは出来ない、ことが、激しい嫉妬と無念さを、老人達に起こさせたからである。
「あんたは、万引きの罰として、つらい責めを受けたからな。これで、あんたの罪は、許してやるけん」
そう権蔵は言った。
「あ、ありがとうごさいます」
京子は、両手を畳につけて、深く頭を下げた。
「もう、二度と、万引きなんか、するではないぞ」
権蔵は、もっともらしく注意した。
「はい」
「さあ。もう、皆、帰りんしゃい」
権蔵が皆に言った。
「楽しい見物じゃったのう」
「わし。興奮して、今夜。眠れそうにないだべ」
老人達は、口々に、そんなことを言って、権蔵の家を出て行った。
あとには、京子と権蔵の二人が残された。
「ふふふ。どうじゃったかの。京子さん?」
「気持ちよかったわ。本当に、いじめられているみたいで。もの凄く興奮しちゃったわ」
「そりゃーよかったの」
「有難う。おじいさん」
そう言って、京子は、老人の家を出て、アパートに帰った。
京子は、東中野のアパートに着くと、ベッドに、ゴロンと横になった。
そして。
「くいこみ股縄女剣士5 淫獄の見世物女郎」
の動画を見た。
自分も、これと、全く、同じことを、されたんだ。
そう思うと、京子は、激しく、満足した。
そして、その晩は、満足して、ぐっすり寝た。
翌日になった。
京子は、権蔵に電話をかけてみた。
発信者番号非通知で。
トルルルルッ
「はい。田村書店です」
権蔵の声だった。
「もしもし。おじいさん。京子です。昨日は、ありがとう」
「いや。こっちこそ、楽しかったわ。昨日は、よく眠れたかの?」
「ええ。ぐっすり、眠れました」
「それは、よかったの。しかし、こっちは、よう眠れんかったわ」
「どうして?」
「わしは、眠れたんじゃ。わしは、以前に、あんたと、SMプレイをしていて、二度目じゃからな。しかし、昨夜、みんなから、わしに、電話がかかってきたんじゃ。興奮して眠れない、とな。皆、あんたのことが、頭から離れず、激しくオナニーした、と、言ってきたんじゃ。中には、20年、ぶりに射精できた、と、いってきた、者もおる。そこで、わしは、皆に、本当のことを話したんじゃ。つまり。あんたが、マゾで、あれは、お芝居だった、とな。皆は、本当の仕置き、じゃなくて、興奮は、少し、覚めたようじゃった。しかし、それなら、その代り、また、あんたに、SMプレイをしたい、と、皆が、口をそろえて、言ってきたんじゃ。そういうわけじゃから、あんたさえ、よければ、また、来てくれんかの?」
「わかったわ。考えておくわ」
そう言って、京子は、電話を切った。
京子は、それを聞いて、最高に嬉しくなった。
SMプレイをしている時は、マゾヒズムの快感、だけだったが。SMプレイが、終われば、男達は、もう、自分に手出しをすることが出来ないのだ。SMプレイをしている時は、惨めの極致にされたるが、プレイが終われば、男達は、もう、手出しを出来ないで、口惜しがるしか、ないのだ。自分が、SMプレイを、やってあける、というまでは、男達は、自分に手出しできないのだ。本当に、女を、支配し、みじめにする、喜びは、一生、女を監禁するしかないのだ。しかし、そんなことは、犯罪で、男は、そんなことは、出来ない。男達にSMプレイを、やってあげるか、どうかは、自分の意志にかかっているのだ。女は、まるで、飢えた犬に、餌を与えるか、与えないか、犬に、いじわるが出来る、飼い主のようなものだ。SMは、男が女をいじめる行為だ。しかし、そう、考えると、SMは、女が女王様で、男をいじめている、とも言えるのだ。
しかも、彼らは、自分に切ない片思いをしているのだ。
そう考えると、京子は、嬉しくなった。
今まで、暗くて、孤独で、一人、マゾヒズムの妄想にふけっていた京子は、一気に自分の性格が明るくなっていくのを感じた。
それから10日、経った。
京子は、マゾヒズムを求める、感覚は、起こっていなかったが、権蔵に電話してみた。
「おじいさん。こんにちは。どう。あの後は?」
京子が聞いた。
「ああ。京子さん。いい時に電話してくれた。わしの仲間たちは、あんたのことが、忘れられなくて、ぜひ、あんたと、もう一回、会いたい、と、言ってきているんじゃ。どうかな。来てもらえんかな。皆、一人、五万円、出す、と言っている」
権蔵が言った。
「ええ。じゃあ、行ってもいいわ。ところで、今度は、どんなふうに責められるの?」
京子が聞いた。
「仲間たちは、あんたに惚れてしまっているんじゃよ。あんたを、うんと、いじめたい、とも思っているが。しかし、あんたが、後々、不快になるような、責めをすると、あんたに会えなくなるから、ソフトなプレイにしよう、と、言っているんじゃ。それで、彼らは、相談して、女体盛り、をしたいと、言っているんじゃ。女体盛り、なら、縛られることもないし、体を触られることもないし、あんたも、マゾの快感を味わうことが出来るじゃろ。どうかな?」
権蔵が聞いた。
「ええ。いいわ」
「そうか。それは、助かる」
「いつ、やるの?」
「明日、来てくれんかの?」
「ええ。いいわ」
「それは、助かる。皆、あんたに会いたくて、我慢の限界に達しているんじゃ」
京子は、それを聞いて、得意になった。
「それと、皆は、あんたの履いたパンティーが、欲しい、と言っておる。6枚ほど、持ってきてくれんかの?」
「ええ。いいわ。ちょうど、これから、洗濯しようと思っていた、汚れたパンティーが、5枚、あるわ。それと、今、履いているのも、あるから、6枚、履いたパンティーを持っていくわ」
「そうかい。それは、助かるよ」
「じゃあ、明日は何時に行けばいい?」
「正午でどうじゃろ。都合はいいかの?」
「ええ。いいわ。じゃあ、正午に、そっちに着くように行くわ」
「ありがとう。助かるわ」
そう言って、京子は、電話を切った。
京子は、ベッドにゴロンと、横になった。
(女体盛りかあ)
京子は、それを想像して、心地よくなった。
京子は、以前、女体盛り、の動画を見た時、「ああ。自分もああされたい」、と、激しいマゾヒズムが起こったことがある。
その晩、京子は、ネットで、女体盛り、の、画像を検索して見た。
その晩、京子は、ぐっすり、寝た。
翌日になった。
京子は、紺のブラウスに、フレアースカートを履いて、アパートを出た。
東中野から、総武線に乗り、20分で、ちょうど正午に、水道橋に着いた。
京子が権蔵の家のチャイムを鳴らすと、すぐに、ガラリと、玄関の戸が開いた。
「おお。京子さん。よう、来てくんしゃった。皆、来て、待っとるけん」
権蔵が出てきて言った。
「失礼します」
そう言って、京子は、家に入った。
この間、責められた、部屋には、この前と同じ、老人が、五人、居た。
「おお。京子さん。よう、着てくんしゃった。ありがとう。心より感謝するけん」
京子が入ると、一斉に、老人達の視線が、京子に向かった。
「この前は、調子に乗って、いじめてしもうて、すまんかったの」
縄の綱引きをした、田吾作と銀次が言った。
「いえ。いいんです。私、マゾなんですから。とても、興奮しました」
京子が言った。
皆、京子を、女王様と崇拝しているような、様子だった。
京子は、カバンから、5枚の、パンティーを取り出した。
そして、スカートの中から、パンティーを、降ろした。
ホカホカの脱ぎたての、パンティーだった。
京子は、カバンの中から、新品の白いパンティーを取り出して、パンティーを履いた。
「私の履いた、パンティーです。どうぞ」
そう言って、京子は、6枚の、パンティーを、老人達に、差し出した。
「おおっ。ありがとう」
老人達は、京子の、パンティーを、それぞれ、一枚ずつ、とった。
「わしは、今、脱ぎたての、ホカホカのパンティーが、欲しいの」
そう言って、田吾作は、京子が今、脱いだばかりの、パンティーを取った。
皆、京子のパンティーを、取ると、クロッチ部に、鼻先を当てて、貪るように、匂いを嗅いだ。
「おお。女子の、素晴らしい、匂いじゃ。これは、わしの宝物にするけん。ありがとうよ。京子さん」
老人達が言った。
「これは、パンティー代と、それと、今日、来てくれた、お礼じゃけん」
そう言って、老人達は、それぞれ、5万円、京子に差し出した。
「ありがとうございます」
そう言って、京子は、5万円×6=30万円を受け取った。
京子は、つつましく正座している。
「おお。ほんま、かわいい女子じゃ。こうして、見ているだけで、心が癒される。あんたは、わしらにとって、女神じゃ」
そう言って、老人達は、京子を、しげしげと、美しい人形を鑑賞するように、10分くらい、見つめた。
「何もせんでも、こうして、見ているだけで、興奮するな」
一人の老人が言った。
「そうじゃな」
別の老人が、言った。
老人達は、20分くらい、京子を、美しい美術品を鑑賞するように、見つめた。
「じゃあ、そろそろ、始めるか。京子さん。裸になってくれんかの?」
権蔵が言った。
「はい」
京子は、ブラウスを脱ぎ、スカートも脱いだ。
そして、パンティーと、ブラジャーも、とって、丸裸になった。
老人達は、ゴクリと、生唾を飲み込んで、丸裸の京子を眺めた。
「京子さん。今日は、女体盛りじゃ。すまんが、仰向けに寝てくれんかの?」
「はい」
言われて、京子は、畳の上に、仰向けに寝た。
美しいプロポーションの京子の体が、スラリと、一直線になった。
京子の真上には、等身大の姿見のカガミが、天井から、四本のロープで、吊るされていた。
自分の裸が、顔から足先まで、全て、見えた。
老人達は、マグロ、サーモン、イカ、はまち、タコ、卵焼き、などを、京子の体に乗せていった。
京子の乳房には、乳首を中心にして、放射状に、隙間なく、マグロを乗せていった。
股間には、谷間に向けて、デルタ(▽)状に、マグロを乗せていった。
女の、恥ずかしい割れ目の上にも、マグロが乗って、割れ目が隠された。
そして、胸から、股間までの、腹の上に、サーモン、イカ、はまち、タコ、卵焼き、などを、きれいに、並べていった。
そして、女体盛り、が、完成した。
「おおっ。綺麗じゃ。素晴らしい」
老人達は、一斉に叫んだ。
京子も、天井のカガミを見て、恥ずかしいやら、マゾヒスティックな快感やらが、起こった。
京子は、動けない。食器にされているのだから。
手足は自由なので、動こうと思えば、動けるが、女体盛りされた、いやらしい姿にされていることに、京子は、マゾヒズムの快感を感じていたので、むしろ、動きたくなかった。
「京子さん。すまんが、写真を撮っても、いいかの?」
老人の一人が言った。
「えっ。でも・・・」
京子は、迷った。
ネットに、投稿されたら、困るからである。
「大丈夫じゃよ。絶対、ネットに投稿なんか、したりはせんけに。これほど、美しい女人の姿を、タダで、ネットに投稿しては、もったいないけん。わしらだけで独占したいけん。それに、もしネットに投稿したら、すぐに、広まってしまうから、あんたにも、わかってしまうじゃろ。そうしたら、あんたは、わしらを嫌って、もう、会ってくれなくなるじゃろ。わしらを、信用してくれんかね?」
京子の不安を、先回りするように、一人の老人が言った。
京子は、納得し、老人達を信用することにした。
「わかったわ。写真を撮ってもいいわ」
京子が言った。
「ありがとう。ネットには決して、投稿せんけに」
そう言って、老人達は、スマートフォンを、取り出して、パシャ、パシャ、と、女体盛りされた京子の姿を、写真に撮った。
「じゃあ、食べるとするか。しかし、食べて、この美しい女体盛り、が、崩れていくのは、残念じゃの」
と、一人の老人が言った。
「そうじゃな。じゃあ、10分くらい、見るだけで楽しもうか?」
別の老人が言った。
「写真に撮ったから、後で見て楽しめばいいじゃないか。それより、わしは、腹ペコじゃ。今日の、この昼ごはんの、ために、わしは、昨夜の夕飯を食べずに、今日の、朝ご飯も、食べていないんじゃ」
別の老人が言った。
「おお。わしもそうじゃ」
「わしもそうじゃ」
老人達は、口々に言った。
そう言って、老人達は、京子の、体の上に乗っている、刺身を食べ始めた。
乳房や股間の上に、乗っている、マグロを箸で、つまんで、京子の、恥部の割れ目に、つけては、食べ始めた。
恥部ではなく、京子の足の裏や、足の指の腹に、つけて食べたりもした。
京子は、裸の体に刺身を乗せられて、女体盛り作りが始まった時から、天井から、四本のロープで、吊ってある、自分の姿を見ていて、被虐の興奮が起こっていたので、京子の、恥部の割れ目は、愛液で濡れていた。
「おお。京子さん、の、体臭と、愛液が、しみ込んでいて、最高に美味いわ」
老人の一人が言った。
「そうじゃな。ほんまに美味いわ」
「そうじゃな」
皆、異口同音に賛同した。
「京子さん」
「はい」
「お願いがあるんじゃが・・・」
「はい。何でしょうか?」
「箸で乳首をつまんでもいいかの?」
老人は、遠慮がちに聞いた。
「いいわよ」
京子は、許可した。
「ありがとう。すまんな」
そう言って、老人は、京子の、乳首を箸でつまんだ。
乳首がつままれる、いやらしい感覚に、京子は、「あんっ」、と、声を上げた。
手足は自由だか、女体盛りの人間食器として、じっとしていなければならない、ので、拘束されて、乳首を弄ばれているような、感覚に、京子は、興奮した。
老人達は、刺身を食べながら、時々、そっと、京子の乳首をつまんで引っ張った。
刺身が少なくなると、権蔵が、わきに置いてある、大皿に乗っている、刺身を、継ぎ足した。
大皿には、6人分の、たくさんの、刺身が乗っていた。
1時間くらいして、ようやく、大皿の刺身も無くなった。
「よし。今日の女体盛りは、これまでじゃ」
権蔵は、食後酒として、六つのコップに日本酒を注いだ。
「京子さん。女体盛りを、してくれて、ありがとう。体に刺身がついて、ベタベタしているじゃろ。シャワーを浴びて、体を洗い流してきんしゃい」
権蔵が言った。
「ありがとう。私も気持ちよかったわ。ちょっと、オシッコがしたくなっちゃったわ。おじいさん。トイレはどこ?」
京子が聞いた。
「おお。そうか。それなら、ぜひ、この徳利にしてくれんかの?」
そう言って、権蔵は、大きな徳利を置いた。
「そんなことをして、どうするの?」
京子が聞いた。
「酒に入れて、割るんじゃよ」
「わかったわ」
そう言って、京子は、老人達に背中を向け、屈んで、徳利の口に、股間をピタリと、くっつけた。
尿意はすぐに起こった。
シャーと音がして、徳利に京子の、オシッコが入れられた。
「ありがとう。京子さん。女体盛りの後は、酒を飲もうと、思っていたんじゃが、京子さん、の、聖水割り、で、飲めるとは、嬉しいわ」
そう言って、権蔵は、酒を注いだ六つのコップのそれぞれに、徳利に入った京子の、小水を入れた。
そして、コップを老人達に配った。
カンパーイ。
老人達は、ゴクゴクと、京子の、小水割りの酒を飲んだ。
「ああ。美味い。京子さん、の、小水割りの酒まで飲めるとはな。嬉しいわ」
老人の一人が言った。
皆、嬉しそうな様子だった。
京子は、それを、嬉しそうに見届けてから、権蔵に案内されて、風呂場に行った。
服を持って。
京子は、シャワーで、体を洗い流した。
そして、服を着て、座敷にもどって来た。
「京子さん。今日は、ありがとう。幸せじゃった」
権蔵が言った。
「ふふふ。私も楽しかったわ」
京子は、悪戯っぽく笑った。
「それじゃあ、これで、私、帰るわ」
「ああ。また、いつか、会える日を楽しみにしているわ」
老人の一人が言った。
「じゃあ、さようなら」
そう言って、京子は、権蔵の家を出た。
その晩、京子は、なかなか、眠れなかった。
女体盛り、を、された、マゾヒスティックな喜びも、甘美な酩酊だった。
しかし、それ以上に、多くの老人達に、崇拝されたことが、嬉しかった。
京子には、サディズムの心理は、なかったが、何だか、自分が女王様になったような気分だった。
今頃、彼らは、自分の、女体盛り、の、写真を見て、自分のパンティーを、嗅いでいる、と思うと、痛快だった。
夏休みが終わって、二学期になった。
哲也から、「東京にもどって来た。君と会いたい。君と、SMプレイをしてから、日が経つにつれ、また、君とSMプレイを、したくなってしょうがなくなっている。毎日、君とSMプレイすることを想像して、オナニーしている。哲也」
という、メールが来た。
京子は、ふふふ、と、笑って、
「一回、5万円、払うなら、SMプレイしてもいいわよ。京子」
と、書いた返信メールを哲也に送った。
即座に、
「一回、5万円は、高すぎるよ。どういう気の変わりようなの?」
と、哲也から、返信メールが来た。
「じゃあ、我慢しなさい。京子」
京子は、そう書いて、メールを哲也に送信した。
所詮、男は、女を崇拝するしかないのだ、と、京子は、勝ち誇ったように思った。


平成29年6月29日(木)擱筆

孤独な女

孤独な女

  • 小説
  • 中編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-07-24

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted