蚯蚓
信号機の赤色から夜が裂けていくのが
なによりうつくしいから
朝が重力を奪うまで
いきをしていた 街のすべて祈りになるまで
(なにもこわくなく、なれなくなるのは、おそろしい、きょうのぼくが死にますときはおやすみを、またあしたぼくが生まれたらおはようと、点滅する温もりにあたらしい汽笛をきいている。)
ああ、蚯蚓が這う。傷を這う。
月の光は確かになる。あなたの指先が星をなぞる。
蚯蚓
信号機の赤色から夜が裂けていくのが
なによりうつくしいから
朝が重力を奪うまで
いきをしていた 街のすべて祈りになるまで
(なにもこわくなく、なれなくなるのは、おそろしい、きょうのぼくが死にますときはおやすみを、またあしたぼくが生まれたらおはようと、点滅する温もりにあたらしい汽笛をきいている。)
ああ、蚯蚓が這う。傷を這う。
月の光は確かになる。あなたの指先が星をなぞる。
蚯蚓