短々落語「ざるそば」

紫紺亭 弁当

400文字以内のショートショート落語臭

「ざるそば」

(にしん)そば、貰おうかねぇ

畏ま(かしこ  )りました


お待ちどう様でした

これ鯡かい

料理人に確認します

お客様申し訳ないです、鯡でなく(さば)でした。作り直すので暫し(しば  )お待ちを。


お待ちどう様です。お詫び( わ )に麺を10倍にしてあります、どうぞ。

あれっお前さん、これは、もりだよ、注文したのは鯡そば。しかも麺10倍もありゃしない。お前さんサバを読むじゃないよ。

これは失礼致しました、作り直します。

もういいよ、これに海苔(のり)をかけてくれれば。

畏まりました


お待ちどう様です、麺が100倍です。

お前さん、話がもりだねぇ、サバ読みがてんこ盛りの、のりのりだ。あれっお前さん、海苔がないよ。

又々(またまた)失礼致しました。海苔をのせて持ってきます。


お待ちどう様でした。海苔のてんこ盛りになります。

漸く(ようや  )来た(鯡そばが海苔のてんこ盛りになっちゃったよ)、サバ読みのお前さん、網目(あみのめ)が水を通すように聞き漏れが多いねぇ何度言っても抜けちゃうねぇ。


えぇお客様、蕎麦(そば)は「ざる」が定番ですから



 

短々落語「ざるそば」

お後がよろしいようで。

短々落語「ざるそば」

鯡(にしん)そば、貰おうかねぇ。畏(かしこ)まりました…、その顛末やいかに。400文字以内のショートショート落語臭。とても短い創作落語。

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-07-21

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted