短々落語「かめとキリギリス」
400文字以内のショートショート落語臭
「かめとキリギリス」
(どの国にも似たような童話はあるようでして…)
昔々、兎とかめ、蟻とキリギリスが森にいました。
ある日、兎に鈍間だと馬鹿にされたかめが「山まで競争しよう」と蟻に言います。「食料準備で暇はない」と返すと、かめは遊び暮すバイオリン弾きのキリギリスに同じ事を聞きます。と彼は「いいよ」と答え酒場へ姿を消します。
夏が過ぎ、漸くかめは山頂近くにいます。傍にキリギリスの姿はなく、かめは安堵します。ですが空腹で動けません。と、かめは蟻の行列を見つけます。かめが「食料を分けて貰えないか」と聞くと蟻は「そんなのアリ?」と言うも分けます。
かめは蟻十匹に「有難う」と言い「キリギリスは今どうしている?」と尋ねると「彼なら酒場のバイオリン弾きで何とか生きている」と答えます。そこでかめは、羽目を外している事に、ハッと気づき目が醒めます。
えっその後どうなったかって。
かめは奮起し南の島の大王になった。そう彼の名は、カメハメハ。
短々落語「かめとキリギリス」
お後がよろしいようで。