Brand new day
Twitter詩まとめ16
溶け出した形
まごころは搾取され
素直さは疎まれて
理想主義者の
いい子ちゃん
それは私
だった影
レッテル通りに生きた
求められる形になるのは
楽だったけど
ある日真っ暗になった
完全に見失った日に
泣き崩れた
壊れたまま
物語の続行
もう嘘はつけなかった
消失した良い子
残された影との対話
課題
狂う為のリズム不足
音の無い心象の窓辺
蜃気楼も見えない
幻も終わりそうな
私の嫌いな世界が
私をまだ苦しめる
私を汚した煤が
また追いかける
何処までも
同じ課題が
積み重なる
成長はない
嘘ばかり
人のためになんて
それは本当だった?
今頃刺しに来ないで、
なんて虫がいいかな
動機
開いていく傷口
まだ残っていた
暗く重い感傷
いい思い出だけ
集め暮らしてた
素敵な瓶を集め
飾り棚をつくる
ここはいいよ
良かったことしか
思い出さない世界
未来なんてないから
前進を捨て去るなら
ここで死を待つ暮らし
それは出来ない
それはどうして
苦しいのに
どうして
進むの?
白白
抒情は干潮の時刻
剥き出しの自我が
白白とあらわれる
あの日は寂しかったね
あの日はつらかったね
あの日は苦しかったね
あの頃はよかったね
よかったことのある
人生でよかったね
酷い三文芝居みたいだね
だけど
それで生きられるのなら
また笑えるのなら
今は何も見えなくても構わない
吐露
苦しいものは
吐き出してしまおう
それは、毒であるから
私を蝕む
私を腐らせる
拙い言葉でもいい
抒情も詩情も許すよ
吐き出さねばならない
ああ、清々しい瞬間を
過ぎ去りし日々を受け入れ
私自身を抱きしめていよう
強くあろうとした
闘いの日々を讃え
ここまで生き抜いた
私を抱きしめて
水脈
フキの下で出会う
小人とおしゃべり
水脈の音が聞こえる
豊かな水源が近くに
雨の匂い
鈍い頭痛
草木の匂い
生命活動の
季節の合間
一閃
いつかの記憶
縁側で飲んだ
サイダーの味
青空は記憶する
草原は思い出す
私は書き記す
瞬間の光芒
精神の躍動
言の葉永久機関
私は言の葉の永久機関になろう
私が失くしてきた私の再生
或いは新たなる自我の創造
なんだってよかった
叙情が干上がる日にも
感情だけは動いている
この目、この手は動く
だから永遠に書き続けられる
「私は死ぬまで詩を書きます」
どんな生涯でも愛する為に
いつでも私も抱きしめる為に
空想ドライブ
太陽が昇るから
地図をひろげる
今日は何処に行こう
頭の中にだけある
知らない筈の国へ
ドライブしてみたい
その国であらゆる色彩を見よう
そうしてどんな匂いをかごうか
見たこともない料理
見たこともない衣装
知らない言語に
知らない音楽
空想が現実を超える瞬間
心はずっと踊っている
満たせ
滅びぬものがあるのなら
今日放った言葉たち
良くも悪くも
永遠に回転する
天に映された
私の刻印は光る
今日降った雨
昨日降った光
地に満ちる
天に放った
言霊たち
あたたかいか
さむいのか
気温すら
私の反映
私を満たし
私で満たせ
地上の有言実行者
天界の無限執行人
emotional
白紙の上で
いつかの童謡
震える声で
歌った夕暮れ
さみしい時刻に
落書きした机
コンパスの針
そのつめたさ
色付きの砂の瓶
思い出と夢が混在
水族館は薄暗く
悪天候の日は亀に乗る
記憶はさざなみ
ホワイトノイズの安らぎ
私にだけ見えていた景色
心に乱反射するエモーショナル
NO‼︎
嫌です
私は黙らない
嫌です
私は割り切らない
嫌です
私は傷付かない
嫌です
私は察しない
嫌です
私は気付かない
嫌です
私は同意しない
嫌です
私は共感しない
嫌です
私は集わない
嫌です
私は止まらない
嫌です
私は信じない
嫌です
私は囚われない
嫌です
私は省みない
sympathy
しんりんのおと
しんとするりずむ
しんしんふる
しんこうはしろい
しんらばんしょう
しんなるものたち
しんじてください
しんぴはめのまえ
しんぼりっくなことのは
しんぱしーははきゅうする
静寂の洞窟を夢見る
白にうつした影絵たち
喜んで遊んだ影の動物
此処は静かな洞窟の中
泉の中から光る柱
お城に向かって稲妻走る
騎士は馬を休ませて
暗雲見送り旅に出た
青天の霹靂に
お姫様は歓喜する
狂った姫君の舞踏会
饗応するマダムたち
男爵は椅子から転げ落ち
あの静かな洞窟を夢に見た
独楽
まるくまわるこま
こまはまわるまるく
ほらちきゅうと
しんくろ してゆく
いんりょくは
ほかのほしから
わたしをひっぱる
つれてってくれる
やさしい て
ほらほしはひかる
ほのかなひかり
ほたるとひかる
かみなりはなる
ぴしゃりとしかる
わたしをあいせよ
そうおしえてくれたね
縋り付く夏
秘密の空洞を
触ろうとして
空を切る腕は
白く光っている
此処にないものを
考える ルーティン化して
今に心を置けない
何処かに旅立つ心
胸に空いた空洞は
夏の風を通してる
カ行の音は心地よく
かきくけこは夏に咲く
心を失くしたふりをして
風鈴の音に騙されつづけ
永遠にならない今に縋る
光明の在処
くつをとばした
ブランコにゆられ
笑いながらゆれていた
何か見えていたみたいに
私たちは毎日笑って
日が暮れるまで愉快で
生命力にみちあふれていた
何か見えていたみたいに
傷付けば勝ちの世界
不幸自慢大会
可哀相合戦
何も見えなくなったみたいに
それでも、
光明は真後ろにて
夏の図書室はオレンジ
夏の図書室に
オレンジ色の背表紙並ぶ
この夏のかんしょう
こころつらぬく物語
胸に刺さって動けない
夏の夕暮れを切なくさせた
それは物語の効用
夏に七不思議は起こらない
夏に特別なものは何もない
四季は平等
それは物語の効用
この指決めたタイトル
吸い込まれるように
本棚から
trip
缶詰開けたら
記憶が飛んだ
甘いジュース
溢れたシンク
みかんをたべる
つやつやして
よそよそしく
甘ったるさは
遠い日の事象
いつのことだろう
あってないような
何かを想った日々
缶詰を開けたのは
息苦しそうだったから
何かを助けて
自分を助ける
缶詰に話しかけたら
そろそろお終い
丸を描いて
約束された
リングの完成
輪廻転生の末に
大きな丸は
星々を囲む
ひとつの意識は
みんなの意識に
輪郭を求めた現世
分離は曖昧な源泉
有機体のレーゾンデートル
時雨に泣いたカマキリたち
あの電柱まで競走した帰り道
電話と瓦礫の恋敵
無意味さを繋いで
サーバーダウン
意識の熱病
Brand new day
舞台の上で
ひとつの春
それは青と白の照明の下
傷付いた季節
繰り返したり
無意味な台詞
報われない物語
寂しいまま
目を覚まして
反芻して
ダイジェスト
やはり
意味なき
芝居の末路は孤独
朝日はひとつの
カーテンコール
おはよう
そして
私がはじまる
Brand new day