短々落語「横浜」
400文字以内のショートショート落語臭
「横浜」
(熊さん八つぁん、喫茶店でご隠居が来るのを待ちながらだべっています。隣の席には一組のカップル。と彼女が彼氏にいいました…)
横浜いってくるね。
(八つぁん、ひそひそと熊さんに話しかけます)
なんだい、熊さん、彼女が彼氏おいて横浜に行くよ。
(暫くすると)
あれ、彼女もう戻ってきたよ。随分と早いね。
八つぁん、それは、便所にいったんだよ。
どういうことだい、熊さん。
うん、横浜の市外局番知っているかい。
いや、知らないよ。
045なんだよ。ゼロは英語のO、よんはしぃ、ごはこと呼べるだろ、だから、おーしぃこ、おしっこ。
おしっこにいく、つまり便所に行く、これを横浜にいくとは、なんともしゃれてるじゃねぇか。
(と、カランコロンと呼び鈴がなり、喫茶店の扉が開きます)
熊さん八つぁん、待たせたね。
ご隠居、随分と遅かったね、どうしたんだい。
あぁ、横浜に行ってたもんでね。
ご隠居も、おしっこかい。
違うよ、大きい方だよ。
短々落語「横浜」
お後がよろしいようで。