what color are you

 さらさらと流れる川の水が、どこまでも深い透明度を誇り、海へ。淡水と、海水のあいだにうまれる化学反応はなかったとしても、その、あやふやな境界線をながめているあいだに、濁った思考は濾過されて、クリアになってゆくのを静かに感じ入っている。夏の盛りの頃。
 きれいだったはずの、きみが、しらないだれかに、すべてをあけはなした日。
 わたしは、ややその膨らみに不満を抱いている、胸の内側、肺の裏のあたりに潜んでいる、闇夜よりもどす黒いバケモノを手懐けることができずに、もてあましていて、あの、ふいに突きつけられる、喉元のナイフが、けれども、わたしの血肉だけで満たされてくれることを祈っていた。右耳のピアスと、左耳のピアスを、ときどき、あわせたくなかった。ちぐはぐで、かみあわない感じがちょうどよくって、きまぐれに、ファミレスのパフェをたべたい欲求をおさえつけるために、たばこを吸った。好きでも、きらいでもないのだ。
 恋はめんどうだなといつも思うのに、やめられないから、ちょっと、たばこに似ている。

what color are you

what colorといえばコパス2。2は改めて観ると、胸の痛くなる展開が容赦なく襲ってくるので、なかなかに精神が削られる。

what color are you

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-07-18

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