もうひとつの仮説

真冬

君がラムネをくれると言ったら僕は迷わずピンク色を選ぶ
イチゴだと思ったらピーチだったからピンクは嫌いだ、と
ずいぶん前に君が言っていた
ピンクのラムネを口に放り込むと
イチゴともピーチともつかない化学的な味がした
だけど気にしない、ピンクはぜんぶ僕にくれればいい
僕は君が嫌いなものを排除するために生きている
君が嫌いなものが増えれば増えるほど、僕の存在意義は増す
僕は消化して消化して消化する
そうすれば君の周りには好きなものだけが残る
その中には多分、君が愛する人も含まれるのだろう
そして君はその男と恋に落ちてしまうんだ
だけどそれも気にしない
僕は君の好きなものは排除しない
君の幸せをきっと願う

もうひとつの仮説

もうひとつの仮説

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-07-17

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