もうひとつの仮説
君がラムネをくれると言ったら僕は迷わずピンク色を選ぶ
イチゴだと思ったらピーチだったからピンクは嫌いだ、と
ずいぶん前に君が言っていた
ピンクのラムネを口に放り込むと
イチゴともピーチともつかない化学的な味がした
だけど気にしない、ピンクはぜんぶ僕にくれればいい
僕は君が嫌いなものを排除するために生きている
君が嫌いなものが増えれば増えるほど、僕の存在意義は増す
僕は消化して消化して消化する
そうすれば君の周りには好きなものだけが残る
その中には多分、君が愛する人も含まれるのだろう
そして君はその男と恋に落ちてしまうんだ
だけどそれも気にしない
僕は君の好きなものは排除しない
君の幸せをきっと願う
もうひとつの仮説