23世紀万国博覧会

雪水 雪技

23世紀万国博覧会
  1. メメントモリ
  2. 栄華の時代
  3. アーカーシャの図書室
  4. 漂流する思念
  5. 夢の中、我が子
  6. 古傷供養
  7. 頭蓋骨が鳴らす楽器の夢
  8. 赤錆哀愁
  9. 捏造された思い出
  10. 街の時計屋さん
  11. とある願い届
  12. 遠路はるばる逃避する
  13. シグナルの旅
  14. 23世紀万国博覧会
  15. 夏に浮かされた子の話
  16. 泣く、大輪の花よ
  17. 乖離
  18. ブラックホール発見の昼間
  19. 全ての試練にさようなら
  20. 第一層目の記録

Twitter詩まとめ14

メメントモリ

苦しく生きるのは得意だ
自分の首を締め上げて

「死を思え!何かを生め!」

飽和状態の戯言の中

生まれ変わるのは困難だ
恒久的な私のスケッチ

陰影がどうとか
技法がどうとか

逃げてる場合じゃ無い

私の中の雑音を
一音一音消して

何も無くなっても
命がつづくなら

未だ終わらせられない

栄華の時代

つぎはぎの紅葉たちを
冬まで身につけた大樹が居る

紅葉時代を
捨てられずに
この冬、大樹は朽ちた

捨てねば生きられぬこと
本能的に理解してても
縋りつきたい栄光

どうして嘲られようか

素敵な色を身にまとい
栄華の樹々の時代を
忘れられない大樹
森のはぐれもの

どうして嘲られようか

アーカーシャの図書室

幾千の星々から
書簡木簡書籍集めて
本棚に仕舞い込んでいる

この図書室には
粘土板と液晶文字が
同じ棚に並んでいる

皆読めるところから
読み出してゆっくりしている

長旅に疲れた魂が
星空の下で読書をしたり
本を枕に居眠りをしてる

長旅に疲れた僕は
地球の神話を読む
随分自由な神様だ

漂流する思念

波打ち際で呆然として
朽ち果てた私の漂流記を読む

波に流されるうちに
随分と綺麗になったね

私は私の骨と流木を並べて
新しいアーキタイプをつくる

私は砂に遺書を書いた

遺書はすぐに波に消されて
私も骨も日の出と共に消滅した

美しい朝、今日は明るい日だ

夢の中、我が子

夢の中で赤子をもらう
育てることになった
抱っこしながら右往左往

生まれて間もないのに
よく笑い、よく話す子だった

大好きだと笑いながら言われた
育てなければと奮起する

何をどうすればいいかわからず
ずっと抱っこしてあやす

赤子の柔らかさ、あたたかさ
夢から覚めても腕から消えない

古傷供養

今日は廃品回収日
町内の子供らの中に集まる

大人にも子供にも無視され
軽トラックは出発してしまった

小雨の日曜日
取り残された思い出

祖母にも拒絶された日
私はいつもはじかれていた

何も言わなかったから
そういうものだったから

ここには剥き出しのエゴイズム
これはそういう供養です

頭蓋骨が鳴らす楽器の夢

ソナタとカンタータが手を繋ぐ
回るレコードの上で踊る

自由を描ける才能があるから
この音楽はなりつづける

頭の中の五線譜はぐにゃりと
歪曲されてしまった

個人的葬送曲
頭蓋骨の不協和音

未明の慟哭は冷たくなる

地中海の夢を見て
ソネットを聴いた

さざなみが音符を攫って

赤錆哀愁

ソナタとカンタータが手を繋ぐ
回るレコードの上で踊る

自由を描ける才能があるから
この音楽はなりつづける

頭の中の五線譜はぐにゃりと
歪曲されてしまった

個人的葬送曲
頭蓋骨の不協和音

未明の慟哭は冷たくなる

地中海の夢を見て
ソネットを聴いた

さざなみが音符を攫って

捏造された思い出

残留思念の怪物
気色悪い物語の造形

私の気持ちを捏造する夢
私は何も残さなかった

要らない記憶を寄せ集め
歪な惨めな形にした

弄り回さなければ
綺麗な架空の星空を描ける

お前に言うことなど無い
お前に思うことなど無い

通り過ぎた道
それだけだ

私の中から消え去れ
古ぼけた概念

街の時計屋さん

砂時計鳩時計目覚まし時計
時計屋さんの時間は静かだ

時間を売ってくれと駆け込む人
鳩時計の鳩の具合を診てくれと言う人

時計屋さんは静かに対応する
セピア色の液体に短針を浸して
銀灰色のお薬を処方する

時計屋さんに居候の梟は
頭をくるくる回転させる

皆はほっとしたい
それだけだった

とある願い届

何処かおかしいのは
わかってるのだけど

明文化できないこと
困ったふりをしてる

痛むものたちの訴え
聞くふりして逃げる

何もかもがくるしい
何もかもがくやしい

必死も忙殺も
もう厭だった

ずっと必死だった
自我の投棄ばかり

どうかもう、
この人生に、
お暇をくださいませ

遠路はるばる逃避する

結露する窓
幽霊が見える
嘘つきばかり

冷たい窓に
当たった氷
外は冬の嘘

嘘つきの冬が咲く
春に似せて梅雨明け
めちゃくちゃな天気予報

随分と笑ってない気がした
だから出来たパズルを崩した
少しも愉快になれない日には
空想旅客機でエジプトへ旅に出る

ただ、何処か遠くに行きたいだけ

シグナルの旅

夏の風に飛ばした
青いシグナルは

世界を一周して
この交差点に戻る

赤い鉄柱
黄色の鉄球
マグネット

見たものは
抽象化され
記憶のオブジェに

ビル風に吹かれて
飛んだ紙ふぶきは

誰かの肩に積もるかな
それを落として進む君

手紙が届いたら
寝かせておいて

文字が便箋から逃げないように

23世紀万国博覧会

近代的建物の歴史
それは白い指のような建造物
人類の形而上的恋慕のシンボル

ヒューマニズムを
ロケットで飛ばす
23世紀の夢は花束

貝殻の中に見つけた
沈んだ大陸の痕跡に
ただ涙に暮れた時代

なぜアンモナイトは
ぐるぐるしてるのか
理科の教科書に掲載
大論争を巻き起こす

夏に浮かされた子の話

竹箒いっぱいの
おほしさまだよ

寒天に閉じ込めたら
冷蔵庫が銀河になって

翌朝母さんに叱られました
箒星がお詫びに瓜をくれました

おほしさまにごめんなさいして
おほしさまをお空へかえしました

僕は寝込んだ
夜に西瓜を食べた

風鈴が鳴る
扇風機が回る

あ、アイスキャンディー屋さんだ

泣く、大輪の花よ

大輪の花が泣いた
飴玉がころがる

大玉の飴玉ころがる
ぐるぐるの七色の飴

小さな花々はひそひそと
泣いてる理由を噂した

雑草達はとぼけた顔して
花々に聞き耳を立ててる

ころがる飴玉ポケットに
僕は泣いてる花に水かけた

小さな虹が僕と花の間にできる

もう大丈夫、きれいな花よ

乖離

雷鳴を聞いて起きた朝
燦然とした原っぱ

草の匂いが満ちる
大気に朝の抑揚が混ざる

早起き蝉が鳴いている
生を謳歌する大合唱

そういう世界が
窓を隔てた向こうにある

知っているんだ

僕の影は縫い付けられ
体はどんよりと重く滞る

憂鬱な季節など無い

憂鬱の色が変わる現象があるのみ

ブラックホール発見の昼間

言えない言葉がたまる
言えないことばかりが胸にある

重苦しくてかなわない

ブラックホールができる仕組み
自分自身で実証出来そうになる

重苦しくてかなわない

ここにいつか人間がいたのですよ

その人間はどうなったのですか

ほら、空の上のぽっかりの黒です

はあ、ああなりますかあ

全ての試練にさようなら

アーチを描いた午前1時
その中に誰々を描くか
これは心理テスト?

いいえ、これは試験です

夢に入るための
柔和な夢のための
これは深層試験です

最近の刺々しい夢は
我のとった落第点の所為?

そうですよ、
さあさ、頑張りなさい

厭じゃ
一切の試されごとは
御免被る
悪夢よ来い
我眠る

第一層目の記録

水槽の中に深層心理
深く潜っても隠れる

認識できないもの
無意識の領域には

恐怖の鉱山
火を吹く竜
輝く飛行船

見たこともない心象風景 
なにひとつ浮上しないまま

サルベージ不可能
宝物が眠ってるのに

沈んだ文明の記憶
縄文時代の思い出
1000年後の光景

23世紀万国博覧会

23世紀万国博覧会

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • ミステリー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-07-17

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted